大手の証券会社である「みずほ証券」。主幹事実績・幹事実績共に豊富なため、IPO投資には欠かせない証券会社です。
そこで今回は、みずほ証券のIPO取引ルール(抽選方法・資金関係)や幹事実績、手数料などを余す事無く紹介していきたいと思います。
なお、以下にみずほ証券のIPOルールなどをまとめていますので、ササッとポイントだけ押さえたいという人は利用してくださいね。
証券会社 | みずほ証券 | ||
---|---|---|---|
抽選配分 | 10% | 抽選時資金 | 必要 |
抽選方法 | 完全平等抽選 | 入金時期 | 抽選申込時 |
ペナルティ | なし | 資金拘束 | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 | 同一資金 | 可能 |
発表時間 | 価格決定日の翌日6時~7時 | 口座開設数 | 174万 |
主幹事実績 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
19件 | 16件 | 24件 | |
幹事実績 | 52件 | 60件 | 72件 |
売買手数料 (1注文毎) |
10万円 | 20万円 | 30万円 |
950円 | 950円 | 950円 | |
40万円 | 50万円 | 100万円 | |
1,260円 | 1,575円 | 3,150円 | |
即時入金 | みずほ銀行・三井住友銀行 他3行 | ||
NISAでIPO | NISA口座・ジュニアNISA口座共に可能 | ||
コメント | TOPクラスの主幹事・幹事実績。同一資金で抽選に参加できるので資金効率もGOOD! |
みずほ証券でIPO投資を始めるにはまず口座を開設する必要があります。口座開設手続き自体は5分程度で完了します。口座開設ページへのリンクを以下に用意しているのでご利用ください。
みずほ証券のIPOルール
では、さっそくみずほ証券のIPO取引ルールについて見ていきましょう。抽選編と資金編に分けて紹介していくので、それぞれチェックしてくださいね。
抽選編
まずはみずほ証券の「抽選ルール」から見ていきます。
抽選配分10%
みずほ証券では抽選配分の割合が10%となっています。
当社が配分する数量のうち、個人のお客さまへの配分予定数量の10%以上を当該抽選に付すことといたします。
抽選配分10%というのは、たとえば、個人投資家への配分予定数量が10万株の銘柄の場合だと、その10%である1万株が抽選によって配分される事を意味します。
ちなみに、ネット証券の多くは抽選配分を100%としています。みずほ証券の10倍の抽選配分です。もちろん、元々の割当株数次第ですが、ネット証券の方が当選株数が多くなる事も多いのでみずほ証券のIPOルールと併せてチェックしておいてくださいね。
抽選方法は完全平等抽選を採用
みずほ証券では抽選方法に「完全平等抽選」が採用されています。
- コンピューターによる無作為抽選
- 申込者単位で抽選
完全平等抽選のメリットは、文字通り、誰もが平等な抽選を受けられる点です。過去の取引金額や預けている資産額、申込株数などが当選確率に影響せず、同一条件下での抽選が行われます。
今までみずほ証券で取引をした事が無い人にも、始めてみずほ証券からIPOに申し込む人にもIPOに当選するチャンスがあります。
申込株数の上限は100株~複数単元の当選はない~
みずほ証券では、原則、申込株数の上限が「100株まで」となっています。そのため、500株や1,000株などの複数単位での申込はできません。
また、申込株数の上限が100株までなので、当然ながら当選するのも100株となります。
抽選結果は当選・補欠・落選の3ターン~発表は価格決定日の翌日~
みずほ証券では、抽選結果の表示内容は以下の3パターンです。
- 当選
- 補欠当選
- 落選
当選した人は、購入申込期間中に忘れずに購入申込みを行いましょう。また、補欠当選した人は、繰上当選を狙うなら購入申込みを行ってください。なお、補欠当選時の判断については以下の記事を参考にしてください。
当選辞退に対するペナルティなし
みずほ証券では、当選後の購入申込期間中に当選辞退をしてもペナルティを受ける事はありません。もちろん、購入申込を忘れていた場合も同様です。
当選してから「あれ?この銘柄もしかして公募割れする?」と不安になる事もあると思います。ペナルティが有る証券会社では当選辞退しにくいですが、みずほ証券ではペナルティが無いので、気にせず当選辞退をする事ができます。
なお、当選辞退するにしても、購入申込をするにしても、意思決定は1度しか出来ません。期間中であっても訂正・取消はできないので、慎重に判断するようにしてください。
資金編
では、続いてみずほ証券の資金ルールについて見ていきましょう。
入金のタイミングは抽選申込時
みずほ証券の入金のタイミングは「抽選申込時」です。抽選に参加する前に必要金額をみずほ証券の口座へ入金しておく必要があります。
なお、抽選申込期間の最終日は午前10時までが受付時間となっているので注意してくださいね。
資金拘束を受けるタイミングは購入申込時
資金拘束を受けるタイミングは「購入申込時」です。当選・補欠当選した時点では資金の拘束を受けません。
なお、補欠当選で購入申込をした場合、拘束された資金は繰上抽選で落選した時点で開放されます。
同一資金での複数銘柄への申込可能
上記の通り、みずほ証券では資金拘束を受けるタイミングが「購入申込時」なので、抽選を受ける時点で買付余力が減る事はありません。
そのため、複数の銘柄のブックビルディング期間が重なっていても同一資金で複数銘柄の抽選を受ける事ができます。
このように必要資金が最大である銘柄の資金だけ入金しておけば、その他の銘柄の抽選も受けられるので資金効率をUPさせる事ができます。
なお、みずほ証券と同様に同一資金で複数銘柄に申し込める証券会社は他にもあります。以下のリンク先の記事でまとめているのでチェックしてみてくださいね。
みずほ証券の主幹事・幹事実績
続いて、みずほ証券のIPO取り扱い件数について見てみましょう。
2016年~2018年における主幹事・幹事実績がこちらです。
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
---|---|---|---|
主幹事実績 | 19件 | 16件 | 24件 |
幹事実績 | 52件 | 60件 | 72件 |
IPO全体件数 | 83件 | 90件 | 90件 |
まず主幹事実績についてですが、申し分無い実績件数です。ここ3年間は20件/年に達する勢いで主幹事を務めています。2018年には主幹事実績が23件にもなり、最も多く主幹事を務めた証券会社となりました。
そして、幹事実績も豊富で、主幹事を含めると3件に2件のIPOでみずほ証券が幹事を務めている計算になります。
当選本数が多くなる主幹事を多く務めるみずほ証券は、IPO投資をする上で欠かせない存在と言えます。
みずほ証券の手数料
続いて、みずほ証券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介していきます。
売買手数料
みずほ証券では、「通常プラン」と「1日定額プラン」の2つが現物株式取引の売買手数料プランとして用意されています。
- 通常プラン:1注文毎の約定金額に対して手数料が発生
- 1日定額プラン:1日の約定金額合計に対して手数料が発生
それぞれの手数料体系は以下の通りです(2018年11月時点・税抜・ダイレクトコース・インターネット取引)
■通常プラン
約定金額 | 売買手数料 |
---|---|
100万円まで | 0.315% |
300万円まで | 0.24%+750円 |
500万円まで | 0.225%+1,200円 |
1,000万円まで | 0.189%+3,000円 |
3,000万円まで | 0.153%+6,600円 |
5,000万円まで | 0.069%+31,800円 |
1億円まで | 0.003%+64,800円 |
5億円まで | 76,800円 |
10億円まで | 85,800円 |
約定金額合計 | 売買手数料 |
---|---|
100万円まで | 3,500円 |
200万円まで | 6,000円 |
300万円まで | 8,500円 |
500万円まで | 11,000円 |
1,000万円まで | 14,000円 |
5,000万円まで | 1,500万円までは16,000円 以後500万円毎に2,000円加算 |
1億円まで | 6,000万円まで33,000円 以後1,000万円毎に3,000円加算 |
5億円まで | 48,500円 |
5億円超 | 10億円までは52,000円 以後5億円毎に3,500円加算 |
約定金額の区分がザックリしているので、少し分かりにくい面がありますね。特にIPO投資では約定金額が100万円以内に収まる事が多いですし。
そこで、100万円以内ではどれくらいの手数料になるのかを再計算した表を以下に載せておきます。
約定金額 | 通常プラン | 1日定額プラン |
---|---|---|
10万円 | 950円 | 3,500円 |
20万円 | 950円 | 3,500円 |
30万円 | 950円 | 3,500円 |
40万円 | 1,260円 | 3,500円 |
50万円 | 1,575円 | 3,500円 |
100万円 | 3,150円 | 3,500円 |
こうして見ると、高い手数料体系になっています。ネット証券の10倍ぐらいの設定ですね。
IPO投資では抽選に参加して当選する事が重要なので、手数料の事をあまり気にする必要はありませんが、通常の株式取引も行う人はみずほ証券の高い手数料体系を考慮するようにしてくださいね。
なお、以下の記事で各証券会社の売買手数料を比較しているので参考にしてください。
入出金手数料
次に紹介するのは入出金時の手数料についてです。
まずはみずほ証券の口座へ入金する際の「入金方法」と「それぞれの振込手数料」及び「入金が反映される時間」について見ていきます(ダイレクトコースの場合)。
入金方法 | 手数料 | 反映時間 |
---|---|---|
銀行振込 | 負担 | 入金の確認次第 |
インターネット | 無料 | 即時 |
みずほ証券カード | 無料 | 即時 |
このうち、振込手数料が「無料」で、入金が「即時」反映されるインターネット入金がオススメです。パソコンから手間をかけずに入金する事ができます(スマホ”専用“サイトからは不可)。
インターネット入金に対応している金融機関は以下の通りです。
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- 三菱UFJ銀行
- ゆうちょ銀行
- ジャパンネット銀行
上記の金融機関の口座を持っていなくても、お手持ちの銀行口座から銀行振込で入金できますが、振込手数料を負担する事になってしまいます。そのため、IPO投資用にインターネット入金が利用できる銀行口座を開設しておく事をオススメします。
では続いて、みずほ証券の口座からの出金についてです。出金方法は2つあり、それぞれの振込手数料と出金が反映される時間をまとめておきます。
出金方法 | 手数料 | 反映時間 |
---|---|---|
インターネット | 無料 | 平日午前:当日 上記以外:翌営業日 * |
みずほ証券カード | 無料 | 即時 |
インターネット出金が便利ですが、預金口座に反映されるまで時間を要する点には注意してくださいね。
NISA口座・ジュニアNISA口座でIPO投資が可能
みずほ証券では、NISA口座・ジュニアNISA口座でもIPO投資が可能です。当選後の購入申込時にNISA口座を選択する事によって、NISA枠で購入できます。
ネット倶楽部から抽選に申し込む事も可能ですし、店頭での裁量配分に申し込む事も可能です。ただし、通常の場合と同様に、ネットと店頭の両方から申し込む事はできません。
みずほ証券でIPOに当たらない・・・
「みずほ証券でIPOになかなか当たらないから、なんとかして当選確率を高くしたい」と考えている人は多いと思います。
しかしながら、今回紹介したように、みずほ証券のIPO抽選方法は完全平等抽選となっているので、資金を集中させても、保有資産を増やしても、当選確率を高くする事は出来ません。はっきり言ってしまえば、みずほ証券でのIPOの当選確率を上げる方法はないんです。
そのため、運に任せて根気強く抽選に参加していくしかありません。
では、どうすれば良いのでしょうか?
話は単純で、みずほ証券だけでどうする事も出来ないなら、他の証券会社も含めて考えれば良いんです。つまり、他の証券会社からもIPOに申し込んで、抽選を受ける回数を増やしていきましょう。
もちろん当選確率が劇的に上がる事はありませんが、みずほ証券だけからIPOに参加していた時よりもチャンスが増えます。保有する証券口座を増やして、なるべく多くの証券会社から抽選に参加できる体制を整えておきましょう。
みずほ証券のIPOルールまとめ
今回はみずほ証券のIPOルール等について紹介しました。
みずほ証券のIPOルールにおいて特筆すべき点は「同一資金で複数銘柄の抽選に参加できる点」です。IPOが集中する時期には複数銘柄の幹事を務める事も多いのですが、必要資金が最大となる銘柄の分だけ入金しておけば、全ての銘柄の抽選に参加できます。
業界TOPクラスの主幹事・幹事実績がある「みずほ証券」ですから、効率良く申し込める資金ルールが採用されているのはIPO投資をする上で非常に助かるポイントです。
限られた資金でIPO投資に挑戦している人に優しい証券会社なので、まだ口座を開設していない人は検討してみてくださいね。
最後にみずほ証券のIPOルールの特徴点をまとめておくのでチェックしておきましょう。
- 抽選配分10%
- 抽選方法は完全平等抽選を採用
- 入金タイミングは「抽選申込時」・拘束タイミングは「購入申込時」
- 同一資金での複数銘柄への抽選申込が可能
- TOPクラスの主幹事・幹事実績