【新規上場】エヌ・シー・エヌ(7057)のIPO情報~初値予想・IPOスケジュール・主幹事などの情報総まとめ~

エヌ・シー・エヌのIPO(出典:株式会社エヌ・シー・エヌ

株式会社エヌ・シー・エヌ(7057)の新規上場が発表されました。吸収金額は6.4億円と小型の案件です。主幹事は資金不要で抽選に参加できる「野村證券」。

2月25日時点のエヌ・シー・エヌのIPO初値予想は以下の通りです(想定価格700円、仮条件は700円~800円、公開価格は800円)。

エヌ・シー・エヌの初値予想
880円~1,040円(2月25日時点)

それでは、エヌ・シー・エヌのIPO情報について見ていきましょう。

エヌ・シー・エヌのIPO情報

銘柄 株式会社エヌ・シー・エヌ
(HPはこちら
上場承認日 2月7日
証券コード 7057
上場市場 JQS
単位株 100株
業種 サービス業
事業内容 木造耐震設計並びにその設計に基づく構造部材の販売

エヌ・シー・エヌの主たる事業内容は、木造耐震設計並びにその設計に基づく構造部材の販売です。

施主よりSE構法による木造建築を受注した登録施工店に対して、設計段階で構造計算書を出荷するとともに、建設段階で構造加工品等を販売しています。

SE構法とは
従来、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造において主流だったラーメン構法を木造住宅に取り入れ、安全かつ便利に利用できるようにシステム化したエヌ・シー・エヌ独自の木造建築用の建築システム

日本において新耐震基準が導入された1981年以前に建築された住宅を中心として、耐震性を有しない住宅がまだまだあり、国はこれらの住宅等の耐震化を進める事を方針として定めています。2020年には耐震化率を95%、2025年には耐震化率を概ね100%とする事を目標としています。

耐震化の進捗率(出典:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」

耐震化が進む中で、既存住宅及び新築住宅における耐震化需要をエヌ・シー・エヌがどれだけ取り込めるのか、が今後の成長を占うポイントになってくるでしょうか。ただ後述するように「財務・業績」を見る限り、成長は横ばいとなっているので爆発的な成長はあまり期待できないかもしれません。

【株価情報】想定価格・仮条件・初値

想定価格 700円
仮条件 700円~800円
公開価格 800円
初値(騰落率) 1,214円(+51.75%)
上場後の株価 yahooファイナンス

【公開規模】公開株数・吸収金額・比率

公開株数 *1 920,000株
公募株数 560,000株
売出株数 240,000株
OA 120,000株
吸収金額 *2 7.4億円
公募・売出比率 公募:売出=61:39

*1 公募株数、売出株数及びOA(オーバーアロットメント)の売出株数の合計
*2 公開価格(800円)をベースに計算

【ロックアップ情報】

大株主上位10名の所有株数とロックアップの状況です。

下記表の所有株数は売出株数を控除した上場日時点の株数を表しています。目論見書に記載されている株主の状況とは異なるのでご注意ください。
株主 所有株数 ロックアップ
(有)田杉総行 660,000株 90日間
田鎖 郁夫 578,000株 *1 90日間
杉山 恒夫 210,000株 90日間
双日建材(株) 200,000株 90日間
杉山 義久 199,000株 90日間
山河 和博 90,000株 90日間
伊東 洋路 60,000株 90日間
山川 裕史 50,000株 90日間
鈴間 浩 35,000株 90日間
飯島 靖 26,000株

*1 オーバーアロットメントによる売出株数120,000株を含む

上記大株主以外のロックアップも考慮すると、上場日における売り圧力はおおよそ以下のようになります。

■上場日時点の売り圧力

上場時発行済株式総数 3,069,000株
ロックアップ対象株数 2,204,000株
上場日時点の売却可能株数 985,000株

注1:オーバーアロットメントによる売出株数120,000株を「ロックアップ対象株数」「売却可能株数」両方に含めているので、合算した数値は発行済株式総数と一致しません。

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【主幹事・幹事情報】当選を狙える証券会社はココ!

引受幹事 割当株数 抽選配分数 *1
(抽選配分割合)
野村證券
主幹事
832,000株 83,200株
(10%)
みずほ証券 24,000株 2,400株
(10%)
三菱UFJMS証券 24,000株 2,400株
(10%)
SBI証券 24,000株 9,600株~12,000株
(40%~50% *2
SMBC日興証券 8,000株 1,200株
(15% *3
エイチ・エス証券 8,000株 800株
(10%)
裏幹事 カブドットコム証券
*1 各証券会社の抽選配分割合等のIPOルールに基づいて計算した予想株数です。参考として利用してください。
*2 資金比例抽選分は28%~35%、IPOチャレンジポイント分は12%~15%
*3 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は5%

エヌ・シー・エヌは、公開株数が920,000株、当選本数が9,200本となっており、やや当選しにくいIPOです。

そうした中で当選期待度が高い幹事証券は、やはり主幹事の「野村證券」です。当選本数が最多となるので、当選を狙うなら申込必須の証券会社となります。また資金0円で抽選に参加できるので、IPOラッシュ真っ只中において抽選資金の事を考えずに住むのは非常に助かります。

そして、主幹事の次に当選期待度が高いのは「SBI証券」です。資金比例抽選分だけでもその他の幹事証券より当選本数は多くなるでしょう。IPOチャレンジポイントを貯める意味でも必ず申込をしておきたいところです。

3番手は当選本数の多さから「みずほ証券」と「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」となります。IPOが集中している時期なので、資金が厳しい人はその他のIPO銘柄と同一資金で申し込める「みずほ証券」の方が良いかもしれませんね。

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【IPOスケジュール】抽選申込期間・抽選日・購入申込期間

エヌ・シー・エヌのIPOスケジュール
仮条件決定日 2月22日
抽選申込期間 2月26日~3月4日
抽選日(前期) 3月5日
購入申込期間 3月6日~3月11日
上場日 3月14日
* 抽選申込期間及び購入申込期間は、証券会社によって微妙に異なります。詳細は各証券会社にて確認してください。
後期型のカブドットコム証券が幹事(裏幹事)入りしています。カレンダーにも記載しているように、その他の前期型証券会社と抽選日が異なるので、以下に別途記載しておきます。
・カブドットコム証券の抽選日・・・3月11日

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なお、ウイングアーク1stサーバーワークスなどとブックビルディング期間が被っているので、これらの銘柄のIPOスケジュールも併せて確認しておきましょう。

【財務・業績】

単位:千円
決算期 2016年3月 2017年3月 2018年3月
売上高 連結 5,894,479 6,083,236
単体 5,533,340 5,869,542 6,056,571
経常利益 連結 163,704 229,361
単体 199,385 169,827 198,245
当期純利益 連結 126,045 169,384
単体 107,998 133,405 136,739
純資産 連結 897,970 1,045,872
単体 686,145 797,941 915,087

■1株当たりの情報

単位:円
決算期 2016年3月 2017年3月 2018年3月
EPS 連結 50.24 67.51
単体 5,074.00 53.17 54.50
BPS 連結 350.35 410.05
単体 27,347.39 318.03 364.72
配当 連結
単体 10 10 22

エヌ・シー・エヌのIPO初値予想

まずおおまかな所見を述べると、エヌ・シー・エヌのIPOの初値は「ややプラス」になると予想しています。

エヌ・シー・エヌが上場する市場は「JQS」です。過去3年間のデータを見ると、JQSに上場するIPO銘柄は勝率が非常に高いです。46件のIPOで45件がプラスの初値となっています(勝率は97.8%)。平均初値騰落率も99.73%と非常に高い数値を示しています。

また、吸収金額が6.4億円となっており、小型IPOである点も初値にとっては好材料となります。同じく過去3年間のデータでは、吸収金額5億円~10億円のIPOの勝率は100%となっています。

そして、仮条件と公開価格次第というところもありますが、想定価格700円という点も初値にとってはプラスです。こちらも過去3年間のデータを紹介すると、公開価格1,000円未満となったIPOの勝率は96.4%となっています。公募割れを起こしたのは1銘柄のみです。

ただ公開規模で気になるのは公開株数(920,000株)です。悲観するほどの多さではありませんが、エヌ・シー・エヌは業種的に人気化しにくいIPOなので、”売り”をカバーするだけの”買い”が入るのかどうかは気になるポイントです。

業種の話が出たので、業種についても触れておきますね。エヌ・シー・エヌは業種分類では「サービス業」となっていますが、事業内容を見ると建設関連の企業です。IPOでは建設関連の銘柄に人気が集まりにくい傾向があるので、エヌ・シー・エヌも厳しい戦いを強いられる可能性があります。

最後に業績と成長性についてですが、業績は安定しているものの、ほぼ横ばいの成長となっています。成長性に関しては物足りなさを感じざるを得ません。

こうした事をトータルで考慮して、IPOタイムズとしての初値予想は現時点で以下の通りとしています(想定価格700円、仮条件は700円~800円、公開価格は800円)。

エヌ・シー・エヌの初値予想
880円~1,040円(2月25日時点)
仮条件がやや強気(想定価格に対して0%~+14.3%)の設定になったので、2月21日時点の予想(770円~910円)から上方修正しています。
初値のプラス要素 初値のマイナス要素
上場市場がJQS 不人気な業種
吸収金額が小さい 成長性△
想定価格が小さい
やや強気の仮条件

まとめ

エヌ・シー・エヌのIPOについて、抽選に申し込む上で知っておきたい情報をまとめてみました。

スペック的にはやや厳しい評価となりそうなエヌ・シー・エヌ。その低評価を公開規模がどれだけカバー出来るかが初値上昇の鍵を握りそうです。あと、前日に上場するサーバーワークスがもし初値付かずとなりズレ込んでくれば、そちらに注目が集まりエヌ・シー・エヌの初値にも影響が及ぶ可能性があります。

では、最後にエヌ・シー・エヌのIPOにおいてオススメの証券会社を一覧で紹介しておくので参考にしてくださいね。

おすすめ幹事証券一覧
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