【証券会社別】IPOの抽選配分の割合まとめ~割当枚数もしっかりチェック~

IPOの抽選配分の割合

IPO投資で気になるのが「各幹事証券の抽選配分数」ですよね。「抽選配分数=当選本数」となるので、当選しやすい証券会社を見つける上では重要な情報となります。

10%の証券会社もあれば、100%の証券会社もあり、「何%の株数を抽選に回すのか」という点は証券会社によって異なります。その違いはしっかりチェックしておきたいところです。

もしかしたら、いままで抽選配分数の少ない証券会社から一生懸命抽選に参加していたかもしれません・・・。

そこで今回は、各証券会社のIPOの抽選配分数の割合を一覧で紹介します。ただその前に、抽選配分数を考える上で知っておきたい基礎知識があるので、そちらの方を先に説明しておきたいと思います。

IPOの抽選配分が100%の証券会社は幾つかありますが、その中でもオススメなのが「マネックス証券」です。幹事実績が豊富なので、年に何十銘柄ものIPO抽選に参加する事ができます。まだ口座を開設していない人は、これを機に開設しておきましょう。

マネックス証券

【基礎知識】割当を受けたIPO株式が抽選に配分されるまでの仕組み

「抽選配分数の割合」を先に紹介すると誤解してしまう人が出ると思うので、IPO株が抽選に配分されるまでの仕組みについて説明しておきたいと思います。

まずはその仕組を簡単に表した以下の図解をご覧ください。

【図解】抽選に配分されるまでの仕組み

幹事証券は、割当を受けた株式をまず「機関投資家分」と「個人投資家分」に配分します。それぞれの配分割合は、公開されておらず、また需給状況によっても変化するのでなんとも言えませんが、「日本証券業協会」が公開している統計情報を基に推測すると以下のようになります。

  • 主幹事証券・・・機関投資家15%~30%、個人投資家70%~85%
  • 幹事証券・・・機関投資家10%~20%、個人投資家80%~90%

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そして個人投資家へ配分される株式を「店頭分」と「抽選分」に配分します。

この抽選分が、抽選参加者に対して配分されるIPO株で我々のような一般層が狙う部分ですね。一方、店頭分は証券会社の営業マンが上得意客に優先的に配分している部分です。

個人投資家へ配分される株式に占める抽選配分数の割合は、ほとんどの証券会社が情報を公開しているので、今回紹介する「IPOの抽選配分数の割合」もこの情報についてまとめたものになります。

当記事での「抽選配分数の割合」は”個人投資家へ配分される株式“のうち”抽選へ配分される株式“の割合です。幹事証券が割当を受けた全ての株式に対する割合ではありませんので注意してください。

それでは「IPOの抽選配分数の割合」について見ていきましょう。なお、ここで紹介した「抽選の仕組み」について、以下の記事でより詳細に説明しているので是非ご覧ください。

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各証券会社のIPOの抽選配分割合一覧表

以下の表は、各証券会社の「個人投資家へ配分される株式に占める抽選配分の割合」をまとめた一覧表です(2018年10月22日時点)。

証券会社抽選配分割合
マネックス証券100%
カブドットコム証券100%
楽天証券100%
SBIネオトレード証券100%
GMOクリック証券100%
岡三オンライン証券100% *1
岡三証券100% *2
丸三証券100% *3
松井証券70%
SBI証券40%~50% *4
大和証券最大25% *5
東海東京証券10%~100% *6
SMBC日興証券10%
野村證券10%
みずほ証券10%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券10%
いちよし証券10%
岩井コスモ証券10%
むさし証券10%
エイチ・エス証券10%
立花証券10%
東洋証券10%
*1 90%分は過去の取引実績に応じたステージ制の抽選へ配分されます。また、銘柄によっては抽選によらない配分に回される事もあります(この場合抽選配分は100%ではありません)。
*2 内訳は完全平等抽選が10%、ステージ抽選が90%となっています。
*3 内訳は完全平等抽選が10%、ステージ抽選が90%となっています(完全平等抽選の対象となる株数が5単元未満の場合はステージ抽選が100%となります)。
*4 IPOチャレンジポイントへの配分数を含んだ割合です。
*5 「完全平等抽選分15%」と「過去の取引実績に基づいたチャンス抽選10%」の合計。ただし、個人投資家への販売予定数量が20億円以上の場合は完全平等抽選分が10%になり、また抽選申込数量が個人投資家への販売予定数量未満となった場合はチャンス抽選分が5%になります。
*6 引受株数が2,000単位以上の場合は完全平等抽選10%のみ、引受株数が2,000単位未満の場合は完全平等抽選10%及びステージ抽選90%となります。

こうして一覧表にすると、抽選配分割合100%の証券会社が目立つ一方で抽選配分割合10%の証券会社が多い事も分かります。

こうした証券会社が多い理由は、日本証券業協会が定めている抽選配分割合の最低ラインに合わせているためです。当該協会が抽選配分に関して定めている規則の内容がこちらです。

原則として、当該協会員における個人顧客への配分予定数量の10%以上について抽選により配分先を決定するものとする。

引用:株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分に関する規則

抽選参加者の立場からすると、もう少し高めの割合に設定して欲しいところですね。また、”10%以上“とされているわけですから、証券会社にもう少し努力して欲しいものです。

ただボヤいていても仕方が無いので、抽選配分割合を高く設定している証券会社をしっかりチェックして、抽選参加時の証券会社選びに役立てていきましょう。

抽選配分割合が高いのは「ネット証券」

店頭販売を中心にしている証券会社では「大和証券」が孤軍奮闘していますが、それを除くと、抽選配分の割合が高いのはいずれも「ネット証券」となっています。しかもそのほとんどが抽選配分100%です。

こうした事を考慮すると、抽選でIPO株を狙っていくのであれば「ネット証券」は欠かせない存在となってきます。当選本数が多くなりますからね。

以下に(抽選配分の高い)ネット証券を一覧でまとめておきますので、まだ口座を持っていない人は口座開設を検討してみてくださいね。

ネット証券詳しく知りたい人口座開設したい人
マネックス証券詳細ページ口座開設ページ
楽天証券詳細ページ口座開設ページ
岡三オンライン証券詳細ページ口座開設ページ
GMOクリック証券詳細ページ口座開設ページ
SBIネオトレード証券詳細ページ口座開設ページ
カブドットコム証券詳細ページ口座開設ページ
松井証券詳細ページ口座開設ページ
SBI証券詳細ページ口座開設ページ

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各幹事証券の割当枚数もしっかりチェック!

抽選に申し込む証券会社を選ぶ上で「抽選配分」は重要なポイントになりますが、割当株数もしっかりとチェックするようにしてください。

抽選に配分されるまでの仕組み」で紹介したように、割当株数は幹事証券が引き受ける株式数でしたよね。この株式数が多ければ、たとえ抽選配分割合が低かったとしても抽選に回される株式数は多くなります

たとえば、2018年6月27日に上場した株式会社IPSでは、各幹事証券の割当株数及び抽選配分数は以下のようになります。

幹事証券抽選配分割合割当株数抽選配分数
みずほ証券10%320,00025,000
SBI証券40%~50%16,0006,500
SMBC日興証券10%16,0001,500
マネックス証券100%6,4005,800
岡三証券100%6,4005,800
むさし証券10%3,200300
割当株数は目論見書に記載されている数値を参考にしています。また、個人投資家への配分数及び抽選配分数は、日本証券業協会が公表している「新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況」を参考にしています。

みずほ証券では抽選配分割合が10%となっていますが、割当株数が多かったので抽選配分数も他の幹事より多くなっています。

そのため、抽選配分割合だけで当選しやすいかどうかを考えるのではなく、割当株式数もチェックして当選しやすい証券会社をピックアップするようにしましょう。特に主幹事証券会社は割当株数がとても多くなるので要チェックです。

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なお、割当株数が同数やあまり違いが無い証券会社同士では、やはり抽選配分割合が高い証券会社の抽選配分数が多くなります。例に挙げた株式会社IPSだと、SBI証券から岡三証券までを比較すると分かりやすいと思います。割当株数・抽選配分割合両方が大事だという事が分かりますね。

割当株数が記載されている目論見書の箇所

各幹事証券への割当株数は、仮条件が決定した時点で公開される目論見書の訂正事項分に記載されるケースが多いです。ブックビルディングの前日には割当株数が分かるようになっているので、忘れずに確認するようにしてください。

目論見書の「訂正事項分」(画像引用:SBI証券

目論見書の訂正事項分の表題から少し下にいくと「株式の引受け」に関する訂正内容が記載されています。そこに上場承認時には未定だった各幹事証券の公募分又は売出し分の引受株数が記載されています。

目論見書の「訂正事項分:割当株数記載箇所」(画像引用:SBI証券

主幹事だけが引き受ける公募分又は売出し分、そしてオーバーアロットメントによる売出し分があるので、これらの株数を上記主幹事の引受株数に加算するようにしてください。

なお、これらの株数は上場承認時に公開される目論見書に記載されています。公募分は「募集要項」に、売出し分及びオーバーアロットメントによる売出し分は「売出要項」に記載されています。

オーバーアロットメントによる売出しを行うかどうかは、公開価格決定時に確定します(その旨は第二回訂正事項分に記載されます)。それまではあくまで予定としてオーバーアロットメントによる売出し分を考慮するようにしてください。

ただし、一部の銘柄では、ブックビルディング後の公開価格決定時に提出される訂正事項分に記載される事もあります。この場合、抽選の申込時点で各幹事証券の割当株数は分かりません。

こうしたIPO銘柄では、まず割当株式及び抽選配分数が多くなる主幹事証券がどこなのかをチェックします。

そして、次に目論見書の「株式の引受け」または「売出しの条件」に記載されている幹事一覧表を見ます。この一覧表は基本的に割当枚数の多い順に並んているので、幹事証券に関してはその順番を参考にどこが割当株数が多いのかをチェックします(具体的な数値は分からないのであくまで参考程度に)。

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まとめ

IPOの抽選配分の割合について紹介しました。今回紹介したように、抽選配分割合が10%の証券会社もあれば、100%の証券会社もあります。この違いによって、当選本数が大きく異なってくるので、どの証券会社がIPOの抽選に当選しやすいのかが分かります。

ただし、後半に説明したように、抽選配分割合を乗じる前の株数である割当株数次第では、抽選配分割合が低くても当選本数が多くなる幹事証券も出てきます。

そのため、IPOの抽選参加を選ぶ段階で抽選配分割合を考慮する場合は、割当株数と抽選配分割合の双方をチェックするようにしてくださいね。

ポイントまとめ
  • 「抽選配分割合が高い」=「当選本数が多い」
  • 抽選配分割合が高いのは「ネット証券
  • 割当株数もしっかりチェック!
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