【再上場】ウイングアーク1st(4432)のIPO情報~初値予想・スケジュール・主幹事などの情報総まとめ~

ウィングアーク1st(4432)(出典:ウイングアーク1st株式会社

上場中止!
3月4日、ウイングアーク1stは上場中止を発表!中止理由は「株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案」との事です。今後のIPOについては「引き続き検討」としていますが、具体的な日程は未定となっています。

⇒「株式売出しの中止に関する取締役会決議のお知らせ|ウイングアーク1st

ウイングアーク1st(4432)の新規上場承認が発表されました。上場日は3月13日。野村證券三菱UFJモルガン・スタンレー証券が共同主幹事を務めます。

上場市場は東証1部または東証2部です。東証1部となるでしょう。吸収金額は451.1億円、公開株数は22,896,200株となっており、大型のIPO案件です。

業種は「情報・通信業」。事業内容は「企業の情報活用を促進するソフトウェア及びクラウドサービスの提供」となっています。

なお、ウイングアーク1st株式会社の旧商号は2013年9月に上場廃止となった1stホールディングス株式会社です。つまり、再上場のIPOとなるのでこの点は注意してくださいね。

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2018.08.09

2月12日時点のウイングアーク1stのIPO初値予想は以下の通りです(想定価格1,970円、仮条件は1,690円~1,970円)。

ウイングアーク1stの初値予想
1,700円~2,000円(2月12日時点)

それでは、ウイングアーク1stのIPO情報について見ていきましょう。

ウイングアーク1stのIPO情報

銘柄 ウイングアーク1st
(HPはこちら
上場承認日 1月31日
証券コード 4432
上場市場 東証1部又は2部
単位株 100株
業種 情報・通信業
事業内容 企業の情報活用を促進するソフトウェア及びクラウドサービスの提供

ウイングアーク1stの主な事業内容は、企業の基幹業務を支える「ソフトウェア基盤ソリューション」と様々なデータを活用して新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つです。

その2つの事業の主な製品・商品の特徴がこちら。

製品・商品の特徴
  • ソフトウェア基盤ソリューション
    1. SVF:帳票開発の効率化と多様な出力要件に応えるための帳票基盤ソリューション
    2. SVF Cloud:「SVF」の強みに加え、柔軟性とリアルタイム性を兼ね備えた帳票クラウドサービス
  • データエンパワーメントソリューション
    1. Dr.Sum:企業内外のデータを蓄積し、そのデータを加工・分析する事によって企業の意思決定に活用することを目的とした「BI(ビジネス・インテリジェンス)製品」
    2. MotionBoard:企業をとりまく様々なデータを価値ある情報に変え、企業にイノベーションをもたらす事をコンセプトとして情報活用ダッシュボード
    3. SPA:企業内で流通している紙文書を電子化し、業務の自動化や文書管理工数の削減を目的としたソフトウェア

主力製品は「SVF」で、帳票市場のシェアは69%。ただ戦略の中核に位置づけられているのは、「ソフトウェア基盤ソリューション(SPソリューション)」ではなく「データエンパワーメントソリューション(データDEソリューション)」です。

帳票とは
帳票とは、伝票類や申請書類などの企業の業務において使用される書類の総称です。たとえば、出荷票や作業指示書、受発注伝票、送り状など。

各ソリューション事業の売上の内訳がこちらです(単位:百万円)。

事業2016年2月期2017年2月期2018年2月期
SPソリューション8,4319,09610,169
DEソリューション3,6824,1885,396
合計12,11313,28415,566
DE売上比率30.4%31.5%34.7%
:2016年2月期の数値は旧ウイングアーク1st株式会社の実績。2017年2月期の数値は旧ウイングアーク1st株式会社の実績とウイングアーク1st株式会社の実績を合算したもの。

データエンパワーメントソリューションの全体に占める売上比率が年々高くなっている事が分かりますね。こうした数値からも、ウイングアーク1stは帳票事業を基盤としつつ、企業内外の様々なデータ(ビッグデータ)を有効活用できるソフトウェア及びサービスを提供するデータエンパワーメントソリューション事業に注力している事が分かります。

それでは、ウイングアーク1stの株価情報や公開規模などについて見ていきましょう。

【株価情報】想定価格・仮条件・初値

想定価格 1,970円
仮条件 1,690円~1,970円
公開価格 3月4日に決定
初値(騰落率) 3月13日以降に決定
上場後の株価 Yahooファイナンス

【公開規模】公開株数・吸収金額・比率

公開株数 *1 22,896,200株
公募株数 0株
売出株数 20,955,000株(国内:12,941,400株、海外8,013,600株)
OA *2 1,941,200株
吸収金額 *3 451.1億円
公募・売出比率 公募:売出=0:100

*1 公募株数、売出株数及びOA(オーバーアロットメント)の売出株数の合計
*2 予定の株数(決定するの3月4日)
*3 仮条件(1,690円~1,970円)の上限価格をベースに計算

【ロックアップ情報】

大株主上位10名の所有株数とロックアップの状況です。

下記表の所有株数は売出株数を控除した上場日時点の株数を表しています。目論見書に記載されている株主の状況とは異なるのでご注意ください。
株主 所有株数 ロックアップ
CJP WA Holdings,L.P. 6,620,900株 *1 180日間
モノリス有限責任事業組合 1,400,000株 180日間
伊藤忠商事株式会社 935,900株 180日間
株式会社インテージホールディングス 500,000株 180日間
合同会社PKSHA Technology Capital 360,000株 180日間
鈴与株式会社 358,800株 180日間
ウイングアーク1st従業員持株会 67,400株

*1 オーバーアロットメントによる売出株数1,941,200株を含む

上記大株主以外のロックアップも考慮すると、上場日における売り圧力はおおよそ以下のようになります。

■上場日時点の売り圧力

上場時発行済株式総数 31,198,000株
ロックアップ対象株数 10,175,600株
上場日時点の売却可能株数 22,963,600株

注1:オーバーアロットメントによる売出株数1,941,200株を「ロックアップ対象株数」「売却可能株数」両方に含めているので、合算した数値は発行済株式総数と一致しません。
注2:目論見書「第3【株主の状況】」において、その他として合算されている各株主及びその株数については把握できていません。

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2018.03.12

【主幹事・幹事情報】当選を狙える証券会社はココ!

マネックス証券
引受幹事 割当株数 抽選配分割合
野村證券
主幹事
3月4日に決定 10%
三菱UFJMS証券
主幹事
同上 10%
大和証券 同上 15%~25% *1
みずほ証券 同上 10%
SMBC日興証券 同上 15% *2
SBI証券 同上 40%~50% *3
マネックス証券 同上 100%
裏幹事 カブドットコム証券
*1 完全平等抽選分は10%~15%、チャンス抽選分は5%~10%
*2 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は5%
*3 資金比例抽選分は28%~35%、IPOチャンレンジポイント分は12%~15%

公開株数22,896,200株のうち国内に売り出される株数は14,882,600株です。それでも当選本数は148,826本もあるので、かなり当選しやすいIPOです。その8割~9割を主幹事である「野村證券」と「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」が引き受けるので、当選を狙うならこの2社は外せません。

その次にオススメなのは、上位の幹事になっている「大和証券」と抽選配分割合が100%の「マネックス証券」です。この2社が幹事の中では当選本数が多くなる証券会社となるでしょう。

そして、5番目にオススメなのが「SBI証券」です。抽選配分割合の高さから当選本数も多くなるでしょうし、なによりIPOチャレンジポイントを貯めるためにも申込は必須です。

なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券及びSMBC日興証券は当選後の辞退に対してペナルティが課されます。「当選後に公募割れしそうならキャンセルしよう」と考えている人はこの2社からの申込は回避するようにしましょう。

注意!IPOのキャンセル(購入辞退)に対してペナルティを課す証券会社一覧

2018.08.05

【IPOスケジュール】抽選申込期間・抽選日・購入申込期間

ウイングアーク1stのIPOスケジュール
仮条件決定日 2月25日
抽選申込期間 2月26日~3月1日
抽選日(前期) 3月4日
購入申込期間 3月5日~3月8日
上場日 3月13日
* 抽選申込期間及び購入申込期間は、証券会社によって微妙に異なります。詳細は各証券会社にて確認してください。
後期型の証券会社であるカブドットコム証券が幹事(裏幹事)入りしています。カレンダーにも記載しているように、その他の前期型証券会社と抽選日が異なるので、以下に別途記載しておきます。
・カブドットコム証券の抽選日・・・3月8日

【財務・業績】

単位:千円
決算期 2017年2月 2018年2月
売上高 連結 11,655,320 15,566,097
単体 10,088,318 15,167,974
経常利益 連結 1,712,084 4,223,810
単体 △480,029 1,671,212
当期純利益 連結 1,575,883 2,924,359
単体 △454,741 730,324
純資産 連結 17,181,423 17,188,950
単体 15,147,730 13,016,586

■1株当たりの情報

単位:円
決算期 2017年2月 2018年2月
EPS 連結 50.51 93.74
単体 △14.58 23.41
BPS 連結 550.72 550.96
単体 485.42 416.83
配当 連結
単体 9,200

ウイングアーク1stのIPO初値予想

業種は情報・通信業であり、事業の中核として位置付けているソフトウェアのテーマが「クラウド」や「ビッグデータ」となっており、これだけを見れば盛り上げそうなIPOと言えます。

しかし、それ以外の要素を考慮すると低スペックなIPOとなってしまいます。

まず上場する市場が東証1部又は東証2部という点です(決定日は3月4日)。これらの市場への上場が悪いというわけではありませんが、過去のIPOデータでは勝率及び初値騰落率がいまいちな数値を示しています。

東証1部・東証2部のIPO過去データ
  • 東証1部へのIPO(26件):平均初値騰落率8.25%、勝率46.2%
  • 東証2部へのIPO(18件):平均初値騰落率16.02%、勝率66.7%

こうした傾向となる理由は公開規模にあります。というのも、東証1部や2部では、株主数や流通株式数などの上場基準が大きく設定されているからです。そのため、公開規模が大きく成らざるを得ないのです。

実際、ウイングアーク1stの吸収金額は451.1億円と大型のIPOとなっています。また、公開株数も22,896,200株とかなり多くなっています。

なお、海外への売出分(8,013,600株)を除いても、吸収金額は293.2億円、公開株数は14,882,600株となります。大型IPOで需給面が緩い点に変わりありません。

そして、公開株数に占める売出株数の比率が100%という点も良くありません。売出人であるCJP WA Holdingsの出口戦略感があるからです。

極めつけが再上場案件のIPOである点です。過去3年間に再上場を果たしたIPOは9件ありますが、そのうち公募割れを起こしたのはなんと7件。再上場のIPOは公募割れリスクが高いんです。

なお、サーバーワークスも3月13日に上場します。おそらくサーバーワークスの方へ資金が集中すると思うので、ウイングアーク1stにとってはより向かい風が強くなると予想されます。

こうした事をトータルで考慮して、IPOタイムズとしての初値予想は現時点で以下の通りとしています(想定価格は1,970円、仮条件は1,690円~1,970円)。

ウイングアーク1stの初値予想
1,700円~2,000円(2月12日時点)
初値のプラス要素 初値のマイナス要素
人気の業種 上場市場が東証1部又は2部
公開規模が大型
売出比率が100%
再上場
同時上場のIPO銘柄有り

まとめ

ウイングアーク1stのIPOについて、抽選に申し込む上で知っておきたい情報をまとめてみました。

やはり気になるのは「再上場のIPO」と「売出100%」という点です。売出人であるCJP WA Holdingsの出口戦略感がプンプンするので、上場日に初値が上昇するほど”買い”が入らないのでは?と予想されます。

そのため、SBI証券のIPOチャレンジポイントのみを狙った抽選申込が賢明かもしれませんね。なお、以下にSBI証券も含めたオススメの幹事証券を紹介しているので、当選を狙っていくという人は参考にしてください。

おすすめ幹事証券一覧
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