証券会社の中でも人気が高い野村證券。既に口座を持っている人も多いかと思います。資金不要でIPOの抽選に参加できるのはやっぱり大きな魅力ですよね。
しかし、資金不要でIPOの抽選に参加できるが故に、取引ルールについて曖昧にしてしまっている人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、野村證券のIPO取引ルール(抽選方法・資金関係)や幹事実績、手数料などを余す事無く紹介していきたいと思います。
なお、以下に野村證券のIPOルールなどをまとめていますので、ササッとポイントだけ押さえたいという人は利用してくださいね。
証券会社 | 野村證券 | ||
---|---|---|---|
抽選配分 | 10% | 抽選時資金 | 不要 |
抽選方法 | 完全平等抽選 | 入金時期 | 購入申込時 |
ペナルティ | 無し | 資金拘束 | 購入申込時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 | 同一資金 | -(資金不要) |
発表時間 | 18時以降 | 口座開設数 | 531万 |
主幹事実績 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
18件 | 27件 | 23件 | |
幹事実績 | 30件 | 38件 | 38件 |
売買手数料 (1注文毎) |
10万円 | 20万円 | 30万円 |
139円 | 300円 | 300円 | |
40万円 | 50万円 | 100万円 | |
477円 | 477円 | 953円 | |
即時入金 | 三菱UFJ銀行・三井住友銀行 他8行 | ||
NISAでIPO | 抽選に参加できるのはNISA口座のみ | ||
コメント | 主幹事実績は業界TOPクラス!資金不要で抽選に参加できるのは大きなメリット! |
野村證券でIPO投資を始めるにはまず口座を開設する必要があります。口座開設手続き自体は5分程度で完了します。口座開設ページへのリンクを以下に用意しているのでご利用ください。
野村證券のIPOルール
では、さっそく野村證券のIPO取引ルールについて見ていきましょう。抽選編と資金編に分けて紹介していくので、それぞれチェックしてくださいね。
抽選編
まずは野村證券の「抽選ルール」から見ていきます。
抽選配分は10%以上
野村證券では抽選配分を10%以上と定めています。”10%以上”となっていますが、過去の配分状況を見ると10%を大きく上回るような配分はほぼありませんでした。なお、残りの90%分は裁量配分(抽選によらない配分)に回されます。
以下の文章は、野村證券が定めている配分ルールの該当箇所を抜粋したものです。
抽選に付する数量は、当社の販売数量のうち、個人のお客様への販売を予定している数量の10%以上とし、オンラインサービスでの抽選参加者を対象として当せん者を決定いたします。
「%」表示だとピンと来ない人もいるかもしれないので、簡単な例示を挙げておきます。
10%という数値は低く感じますよね。ちなみに、野村證券だけが抽選配分を低く設定しているわけではなく、店舗型の証券会社は基本的にどこも10%という設定になっています。店舗での営業が中心になっているので仕方無いのかもしれませんね。
これに対して、店舗を構えていないネット証券ではかなり高い抽選配分が設定されています。100%としている証券会社も多いです。抽選配分の高さで証券会社を選ぶならネット証券一択となりますね。
ちなみに、野村證券には「本・支店口座」と「野村ネット&コール口座」の2種類の口座があります。そのうち本・支店口座では「オンラインサービスによる抽選」と「抽選によらない配分」の両方に申し込む事ができます。
ただし、抽選によらない配分は保有資産や過去に支払った手数料などの取引履歴が多分に考慮されるので、高額な取引をする人でないと配分されにくいという特徴があります。また手数料もネットコールより数倍高い設定になっています。
そのため、投資資金にかなり余裕がある人は本・支店口座を、資金に余裕の無い人や高い手数料を支払いたく無い人は野村ネット&コール口座を開設すると良いでしょう。
抽選方法は完全平等抽選を採用
野村證券が採用している抽選方法は「完全平等抽選」です。機械による厳正な抽選が行われます。
次に紹介するように、申込株数が100株に固定されているので、申込株数が当選確率に影響を与える事もありません。そのため、資金が有る人も無い人も平等な抽選を受けられます。
複数単元の当選はない!~申込株数は基本的に100株で固定~
野村證券では、抽選に参加する際の申込株数が1単元(100株)に固定され、数量を指定する事はできません。そのため、当選するのも1単元(100株)となります。複数単元の当選を狙う事はできません。
ただし、想定価格ベースでの購入金額が10万円未満(想定価格×100株<10万円)となる銘柄では、購入金額が10万円以上となる最小単元が申込株数となります。
こうした場合には複数単元が当選する事になります。
また、大型IPOの場合など、需給状況などによっても申込株数が200株以上となる事もあります。
抽選結果は当選・補欠・落選の3ターン~発表は価格決定日の18時以降~
野村證券の抽選結果は以下の3パターンです。
- 当選
- 補欠
- 落選
当選した人は、購入申込期間中に購入申込を行う事によって当該IPO銘柄を購入する事ができます。購入申込をしなければ、当選辞退扱いになるので忘れずに手続きを行いましょう。
また、補欠当選した人は、購入申込をする事によって繰上抽選の対象となります。当選枠に空きが出た場合に繰上抽選が行われ、繰上当選者が決定します。
当選辞退に対するペナルティなし
野村證券では、当選後の購入辞退に対してペナルティが課される事はありません。購入申込を忘れた場合も同様です。
ペナルティが無いので、公募割れするかどうか微妙なIPO銘柄でもとりあえず抽選に参加し、当選してから購入判断をする事もできます。年に数件程度は微妙な銘柄って出てきますからね。
ただし、購入辞退をする場合は、購入申込期間中であっても取消できないので、慎重に判断するようにしてください。
資金編
では、続いて野村證券の資金ルールについて見ていきましょう。
資金不要で抽選に参加可能!入金のタイミングは購入申込時
野村證券では、資金不要でIPOの抽選に参加する事ができます。前受金0円という事ですね。資金の事を考える必要はなく、ただただ抽選申込を行い、抽選結果を待つだけです。
資金を準備するのは当選した事が分かってからです。ちなみに、資金の入金タイミングは「購入申込時」です。
IPOの抽選をタダで受けられるわけですから、野村證券の口座は開設しておいた方が良い、いや開設しておくべきです。特に初心者の人や限られた資金でIPO投資をしている人にはオススメです。
なお、資金不要で抽選に参加できる証券会社は野村證券以外に6社あります。以下の記事にまとめているので、まだ口座を開設していない証券会社があればこれを機に開設しておきましょう。
資金拘束を受けるタイミングは購入申込時
野村證券では、資金拘束を受けるタイミングも「購入申込時」となっています。
なお、補欠当選者で購入申込を行った人も資金拘束を受けます。繰上抽選の結果、落選した場合にはその時点で資金拘束から開放されます。
野村證券のIPO主幹事・幹事実績
続いて、野村證券のIPO取り扱い件数について見てみましょう。
2016年~2018年における主幹事・幹事実績がこちらです。
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
---|---|---|---|
主幹事実績 | 18件 | 27件 | 23件 |
幹事実績 | 30件 | 38件 | 38件 |
IPO全体件数 | 83件 | 90件 | 90件 |
毎年安定して主幹事を務めている野村證券。しかも、ただ安定して務めているのではなく、業界TOPクラスの実績を誇ります。2017年に至っては30件に迫る件数となっており、主幹事実績で業界1位に輝いています。
その一方で、幹事実績はそこまで多くありません。IPOを取り扱うなら”主幹事で!”という野村證券のスタイルなのかもしれませんね。
とはいえ、割当株数が圧倒的に多くなる主幹事を多く務める野村證券ですから、IPO投資では外せない証券会社となります。
野村證券の手数料
続いて、野村證券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介していきます。
売買手数料
野村證券では、現物株式取引の売買手数料プランとして「1約定毎に手数料が発生するプラン」が用意されています。
手数料体系は以下の通りです(2018年11月時点、税抜、野村ネット&コールかつインターネット取引の場合)。
約定金額 | 売買手数料 |
---|---|
10万円まで | 139円 |
30万円まで | 300円 |
50万円まで | 477円 |
100万円まで | 953円 |
200万円まで | 1,905円 |
300万円まで | 2,858円 |
500万円まで | 4,762円 |
1,000万円まで | 9,524円 |
2,000万円まで | 19,048円 |
3,000万円まで | 28,572円 |
5,000万円まで | 38,096円 |
5,000万円超 | 71,429円 |
約定金額の区分が「5,000万円超」まで設定されていますが、IPO投資においては1単元(100株)当たりの初値売り時の約定金額は100万円以内におさまる事が多いです。そのため、野村證券でのIPO投資で発生する売買手数料は「139円~953円」といった感じになるでしょう。
ちなみに、この手数料体系は若干高い設定になっています。ネット証券などでは半額程度の手数料体系になっていますからね。なお、以下の記事で各証券会社の売買手数料を比較しているので、気になる人はチェックしてください。
入出金手数料
次に紹介するのは入出金時の振込手数料についてです。
まずは野村證券の口座へ入金する際の「入金方法」と「それぞれの振込手数料」及び「入金が即時反映されるか否か」について見ていきます。
入金方法 | 手数料 | 即時反映か否か |
---|---|---|
銀行振込 | 無料 * | 確認次第 |
あんしん振替 | 無料 | 即時 |
Web入金 | 無料 | 即時 |
野村カード入金 | 無料 | 即時 |
野村證券の口座に入金するにあたっては「あんしん振替」又は「Web入金」がオススメです。手数料が無料、かつ即時に入金が反映されます。またネット上で手続きが完結するので手間もかかりません。
それぞれのサービスに対応している金融機関は以下の通りです。
■あんしん振替の対応金融機関
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- ゆうちょ銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
- 横浜銀行
- 千葉銀行
- 百五銀行
- 福岡銀行
- 北洋銀行
- 常陽銀行
- 群馬銀行
- 十六銀行
- 滋賀銀行
■Web入金の対応金融機関
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- ゆうちょ銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
- スルガ銀行
- ジャパンネット銀行
- 楽天銀行
- セブン銀行
では続いて、野村證券の口座からの出金についてです。出金方法は2つあり、それぞれの振込手数料と出金が反映される時間をまとめておきます。
出金方法 | 手数料 | 反映時間 |
---|---|---|
銀行振込 | 無料 | 6時~17時:翌営業日(午前) 17時~21時:翌営業日中 *1 |
野村カード出金 | 一部無料 *2 | 即時 |
*2 セブン銀行以外のATMでは所定の手数料が発生します。
IPO抽選に参加できるのはNISA口座のみ~ジュニアNISAは不可~
野村證券ではNISA口座及びジュニアNISA口座を開設できますが、IPOの抽選に参加できるのはNISA口座のみとなっています。ジュニアNISAからIPOの抽選に参加する事はできません。
というのも、野村證券ではIPOの抽選申込の受付はオンラインサービスのみとなっており、このオンラインサービスは未成年口座であるジュニアNISAの取引を受付できなくなっているためです。
野村證券でIPOに当たらない・・・という人へ
「野村證券でIPOになかなか当たらない・・・」と悩んでいる人は多いと思います。主幹事を務める事が多いので、当選に期待する分、落選時に大きなショックを受けているかもしれません。
そこでまず野村證券でIPOに当選しにくい理由について考察してみましょう。考えられる理由は3つです。
- 抽選配分が10%⇒当選本数が少ない
- 資金不要で抽選に参加可能⇒誰でも参加できる
- 口座開設数が531万(2018年3月時点)⇒参加者が多い
これらの理由が相まって、IPOの当選確率がかなり低くなっているんです。ちなみに証券会社の中で口座開設数が最も多いのが野村證券です。
また、完全平等抽選が採用されているので、IPOの当選確率を上げる術もありません。
そこで野村證券だけではどうする事も出来ないので、他の証券会社からもIPOに参加するようにしましょう。抽選配分の高い証券会社や口座開設数の少ない証券会社からもIPOに参加して、少しでも多くの抽選を受けて、IPOに当選するチャンスを増やしましょう。
抽選を受ける回数を増やす事はIPO投資の基本なので、なるべく多くの証券会社で抽選に参加できるように保有口座を増やしていってくださいね。
野村證券のIPOルールまとめ
今回は野村證券のIPOルール等について紹介しました。
特筆すべきポイントは「資金不要で抽選に参加可能な点」と「主幹事実績が業界TOPクラスという点」です。これだけハイスペックな特徴が揃っている証券会社は野村證券だけです。
人気が高い分、当選しにくい面がありますが、それでもIPO投資をするなら口座を保有しておくべき証券会社です。まだ野村證券の口座を開設していない人は検討してくださいね。
最後に野村證券のIPOルールの特徴点をまとめておくのでチェックしておきましょう。
- 抽選配分10%
- 抽選方法は完全平等抽選を採用
- 資金不要で抽選参加可能
- 入金タイミングは「購入申込時」・拘束タイミングも「購入申込時」
- TOPクラスの主幹事実績