再上場のIPO銘柄は要注意!直近12銘柄中75%が公募割れ!

再上場銘柄新着情報
  • 2005年に上場廃止となった「株式会社ワールド(3612)」が2018年9月28日に東証1部に再上場
再上場したIPOとは何か疑問に思っている女性

上場廃止となった企業がもう1度上場企業へと返り咲く「再上場」。元々上場企業であった事から各メディアで取り上げられ、話題性としては文句の無いIPO案件となる場合が多いです。

しかし、ベテランのIPO投資家からは「今回のIPOは再上場かぁ・・・」とため息混じりの声が聞こえてきます。

その理由は、再上場のIPO銘柄は初値が公開価格を下回ってしまう「公募割れリスク」が高いからです。

実際、2015年以降に再上場を果たした12銘柄のうち9銘柄は公募割れを起こしています(2018年10月16日現在)。

その事実を知らずに、「有名な大手企業の銘柄だから」というだけでIPOの申込をしてしまうと痛い目を見る事に・・・

そこで今回は、再上場のIPO銘柄が要注意である事や過去の再上場銘柄一覧などについて紹介していきます。

:なお、当サイトでは、再上場銘柄も初めて上場する銘柄と同様にブックビルディングや抽選などのIPO申込手続きを経て上場することを踏まえ、IPO案件として取り扱っています。

再上場のIPO銘柄は公募割れに要注意!!

CAUTIONと印字された赤いスタンプ

前述した通り、再上場のIPO銘柄は「公募割れ」を引き起こす可能性が高くなります。そのため、IPOの申込においては注意が必要です。本音を言えば、あまりオススメできません。

では、なぜ、再上場のIPO銘柄は公募割れの可能性が高くなるのでしょうか?

簡単にまとめると「需給バランスに悪影響を及ぼす要因(買いが入りにくくなる要因)がいくつも有る」からです。主な要因が以下の4つです。

再上場IPOが公募割れを起こす4つの要因
  1. 上場廃止がもたらすネガティブなイメージ
  2. 東証1部・2部への再上場が多く成長への期待感が薄い
  3. 公開規模の大きさ
  4. ファンド等による利益確定のためのIPO

以下でそれぞれ詳しく見ていきますね。

① 上場廃止がもたらすネガティブなイメージ

疑念をいだきながらPCを見つめる男性

みなさんの中にも、「再上場」と聞くと少しネガティブなイメージを持ってしまう方がいらっしゃるのではないでしょうか?

そのように想起してしまうのは、やはり一度「上場廃止」に至っているからでしょう。”廃止”なんてかなり後ろ向きな単語ですよね。

実際に上場廃止に至る理由の中には、ネガティブなイメージを持たれても仕方が無いものもあります。たとえば以下の項目です。

上場廃止に至る主な理由
  • 上場契約違反
  • 粉飾決算
  • 経営破綻
その他にも株主数や流通株式比率などの基準があり、買収対策や上場コストの削減などを目的に敢えて上場廃止を選択する銘柄もあります。上場廃止基準については日本取引所グループのページを参考にしてください。

上場廃止理由が上記の項目に該当する銘柄に対しては、以下のような疑念を抱いてしまうものです。

「またすぐ業績不振に陥るんじゃないの?」
「財務諸表は本当に信頼できるの?」

もちろん、再上場銘柄に対しては通常のIPO銘柄よりも厳しい審査が証券取引所において行われます。しかし、それでも一度抱いた疑念はなかなか払拭できるものではありません。

そのため、投資家の中には再上場銘柄への投資を控えようと判断する人が出てしまうんですね。

② 東証1部・2部への再上場が多く成長への期待感が薄い

成長に期待を持てないイメージ

東京証券取引所を前提とすると、IPOで上場する市場は「東証1部」「東証2部」「JASDAQ(ジャスダック)」及び「マザーズ」の4つです。これらの市場は以下のように大別できます。

各上場市場の大まかな特徴
  • 「東証1部」「東証2部」・・・大手企業が集まる市場
  • 「JASDAQ」「マザーズ」・・・新興企業・ベンチャー企業が集まる市場

基本的に、IPO投資で人気化しやすいのは「JASDAQ」又は「マザーズ」に上場する銘柄です。小型案件になりやすいというのもありますが、急成長への期待感が否が応でも高まってしまうからです。

一方、「東証1部」又は「東証2部」へのIPOは人気化しにくい側面があります。安定感はあるものの企業規模が大きい事から、小型案件と比較すると、成長性はあまり期待できないからです。

で、再上場を果たす銘柄はというと、そのほとんどが東証1部又は東証2部へ上場しています(ここ数年では100%)。そのため、前述の通り、IPOでは人気化しにくく需要が生まれにくいんですね。

③ 公開規模の大きさ

再上場銘柄は公開規模が大きい銘柄が多いです。公開規模とは、端的にいうなら公開株数の多さです(「公開価格×公開株数」で求める吸収金額で表す事もできます)。ほとんどの再上場銘柄が1,000万株を超える株数を上場時に公開しています。

それだけ大量の株式を公開すると、上場日に売り圧力が強くなり、公募割れを起こしやすくなるんです。

吸収金額は要チェック!小型のIPOほど初値が高騰~初値との関係・計算方法を解説~

2018.10.06

④ ファンド等による利益確定のためのIPO

株式を売却して大きな利益を確保した投資家

再上場銘柄の大株主を見てみると、投資ファンドが大量の株式を保有している事が分かります。これは上場廃止時に事業再建目的や株式の非公開化のためにファンドの力を借りたためです。

もちろんファンド側は利益を出すために、上場廃止をする企業に資本を注入しているわけですから、再上場時にはその投資を回収しようとします。

その証拠に公開株数のほとんどをファンドが保有している株の売出しが占めている事が多いです。中には公開株数の100%が売出株数となっている再上場銘柄もあります。

つまり、再上場のIPOの多くは、株式市場から資金を調達する目的ではなく、ファンドが投資を回収するために行われるものなのです。

企業が成長する為なら投資家もお金を出そうと思いますが、投資回収が目的なら誰も買おうとは思いませんよね。そのため、再上場銘柄はなかなか買いが入りにくくなるんです。


ここまで再上場銘柄が公募割れを起こしやすい要因について紹介してきました。こうした事が理由で、有名な企業であっても、「再上場」案件となれば公募割れを起こしてしまう可能性が高いのです。

「そうは言うけど、本当に再上場のIPO案件には公募割れが多いの?」

そう思われた方のために、今から過去の再上場銘柄について見ていくので、実際に初値がどうなっているのかを確認してくださいね。

再上場したIPO銘柄の初値一覧

2015年から2018年10月16日時点までに再上場を果たした銘柄は12銘柄です。これらの銘柄の初値などを以下にまとめてみました。

再上場したIPO銘柄一覧表

* 画像をクリック・タップすると拡大版を見る事ができます。

初値騰落率が赤文字となっている銘柄が「公募割れ」を起こした銘柄となりますが、その数はなんと9銘柄(割合にして75%)にも及びます。それだけ再上場銘柄は公募割れリスクが高いIPOである事が伺い知れます。

また、上場した市場は全銘柄が東証1部又は東証2部となっています。そして、公開規模もほとんどが大型案件です。2,000万株を超える公開株数が6銘柄もありますね。

最後におさえておきたいのが売出株数の割合です。100%となっている銘柄が6つ、90%を超える銘柄が3つもあります。IPOが投資ファンドによる投資回収目的と思われても仕方が無い数値です。

実際に、マクロミルでは米投資ファンドの「ベインキャピタル」が売出人になっていますし、ウェーブロックではエムシーピースリー投資事業有限責任組合が売出人となっています。

業績不振からの脱却や経営体制の転換などが目的で上場廃止をし、その目的が達成されて再上場となったとしても、投資家からは上場廃止からの復活劇というようなプラス材料としては捉えられていない事が分かります。

もちろん、IPOで公募割れが起こる要因はいくつもあり、短絡的に結び付けることは望ましくありませんが、再上場という過去がIPOの初値に影響を与える可能性は十分にあると言えるでしょう。

そのため、今後IPOに申し込む際は、その銘柄が再上場かどうかをチェックするようにしてくださいね。なお、商号(銘柄名)が変更されている事もあるので、当該企業のHPにある「会社の沿革」や「ヒストリー」などのページも念の為確認するようにしてください。

公募割れを起こすIPO銘柄の4つの特徴~その後も分析~

2018.03.12

再上場のIPO銘柄はセカンダリー投資向け?

株価チャートを眺める数体の人形

再上場を果たしたIPO銘柄は公募割れのリスクが高いため、抽選申込の際は一定の注意が必要ということが分かりましたね。

「じゃあ再上場した株は今後投資対象にしなくて良いの?」

たしかに再上場のIPO銘柄は初値が思わしくないことが大半ですが、公募割れをしてもその後上昇していく銘柄も多いのです。そのため、再上場銘柄は上場後の「セカンダリー投資」の方が狙い目だったりします。

セカンダリー投資とは、市場に流通している株式へ投資することです。これに対して、流通前の株式に投資をするIPO投資をプライマリー投資と言います。

2017年公募割れした再上場IPO銘柄のその後

暗闇の中で光に手を差し伸べる男性

では、再上場した銘柄のその後の株価推移について見てみましょう。紹介するのは2017年に再上場した6つのIPO銘柄です。

なお、株価のチャート図はすべてYahoo!ファイナンスを参考にしています。

【8919】カチタス(12/12上場)

初値1,665円だった株式会社カチタスの再上場後の株価の推移がこちら。

カチタスの株価推移

上場後から右肩上がりの成長を続け、2018年8月8日時点で4,065円まで上昇しています。初値買いをしていれば、1株当たり2,400円の利益を得る事になります。

【3564】LIXILビバ(4/12上場)

初値1,947円だった株式会社LIXILビバの再上場後の株価の推移がこちら。

LIXILビバ_チャート

こちらは下降と上昇を繰り返し、2018年8月8日時点の株価は残念ながら初値よりも低い1,848円となっています。しかし、2018年3月には最高値の2,230円を記録しているので、仕込むポイント次第ではセカンダリー投資で利益を獲得できたと言えます。

【7940】ウェーブロックホールディングス(4/10上場)

初値721円だったウェーブロックホールディングス株式会社の再上場後の株価の推移がこちら。

ウェーブロックホールディングス_チャート

上場直後からどんどんと上昇し、2018年8月8日時点の株価は1,007円となっています!

【3563】スシローグローバルホールディングス(3/30上場)

初値3,430円だった株式会社スシローグローバルホールディングスの再上場後の株価の推移がこちら。

スシローホールディングス_チャート

上場直後からどんどんと上昇し、2018年8月8日時点の株価は6,480円となっています!

【3964】オークネット(3/29上場)

初値1,300円だった株式会社オークネットの再上場後の株価の推移がこちら。

オークネットの株価推移

ほぼ横ばいの値動きですが、2018年8月8日時点の株価は1,649円となっています。

【3978】マクロミル(3/22上場)

初値1,867円だった株式会社マクロミルの再上場後の株価の推移がこちら。

マクロミル_チャート

多少の上げ下げはあるものの基本的には右肩上がりの成長を続け、2018年8月8日時点の株価は2,586円となっています!


こうして見てみると、初値が思わしくなかった再上場のIPO銘柄でも、上場後に株価が上昇する可能性が大いにあることが分かりますね。

資金や時間に余裕のある方は、セカンダリー投資も視野に入れて投資計画を立ててみてはいかがでしょうか?

ただし、市場から期待外れと評価された株はどんどん値下がりしていくリスクもあります。これは再上場銘柄に限った話ではありません。セカンダリー投資にはそうしたリスクが有る事を踏まえた上で投資判断をするようにしてくださいね!

まとめ~再上場のIPO銘柄の初値にはあまり期待しないこと!ただし、その後の成長は見込めるかも!?~

上昇する株価チャートを背景にしてお金を栄養に成長する植物

今回は、いちど上場廃止となったけれど、改めてIPOを申請して再び株式市場の場へ戻ってくる銘柄と、そうした銘柄はセカンダリー投資というアプローチによって利益を狙うことができるということをご紹介しました。

残念ながら、再上場したIPO銘柄の初値にはあまり期待できないということは否定できません。

USJやスカイマークなどの大手企業の再上場が噂されていますが、仮にこれらの企業がIPOをする際には、今回紹介した内容を踏まえて抽選に参加するかどうか判断するようにしてくださいね。

また、IPO銘柄は、上場前はもちろんですが上場後も勝負どころです。初値がいまいちだったからといって、それらの再上場銘柄をセカンダリー投資から除外してしまうのは勿体ないです。

過度な期待や過信は禁物ですが、セカンダリー投資にもチャンスが眠っている事を心に留めておいてくださいね。