IPOの件数と勝率の推移~2019年もIPOの活況は継続か!?~

IPOの件数と勝率の推移

IPOを分析する際に、全体を俯瞰する意味で「件数」と「勝率」を把握しておきたい人もいますよね。

年間に何件のIPOがあったのか
勝率はどれくらいあったのか
それぞれの推移はどうなっているのか

気になると言えば、気になるデータです。

そこで今回は、2007年以降のIPOの「件数」と「勝率」についてまとめてみました。なお、月毎のIPO件数についても、(直近3年間のデータですが)まとめているので参考にしてください。

【IPOの件数】2007年~2018年の推移

ではまず2007年~2018年のIPO件数について見ていきます。

IPO件数の推移グラフ
件数
2018年90件
2017年90件
2016年83件
2015年92件
2014年77件
2013年54件
2012年46件
2011年36件
2010年22件
2009年19件
2008年49件
2007年121件

リーマンショックの影響で2008年にIPOの件数が急激に減少。そこから数年間停滞期間が続き、2012年頃から徐々にIPOに活気が戻ってきます。そして、直近5年間は概ね80件~90件で推移する状況が続いています。

【参考】月別のIPO件数

2016年~2018年における月別のIPO件数を参考までに紹介しておきます。

月別のIPO件数のグラフ
2016年2017年2018年
1月0件1件0件
2月1件5件2件
3月22件21件14件
4月5件5件8件
5月0件0件1件
6月12件7件11件
7月5件4件9件
8月1件3件3件
9月10件9件12件
10月6件7件9件
11月7件6件2件
12月14件22件19件

月毎にIPO件数を見ていくと、IPOが多い月と少ない月がはっきりと分かりますね。

月別の傾向
IPOが多い月:3月・6月・9月・12月
IPOが少ない月:1月・2月・5月

特に3月と12月は例年IPOが集中する時期なので、証券会社の口座開設や資金の準備などを前もってやっておいた方が良いでしょう。

どこが多い?IPOの主幹事・幹事実績ランキング2018

2018.07.17

【IPOの勝率】2007年~2018年の推移

続いて、2007年~2018年のIPOの勝率について見ていきましょう。なお、「初値>公募価格」を”勝ち”とし、年間のIPO件数に対して”勝ち”となった銘柄の割合を勝率として表しています。

IPOの勝率の推移グラフ
勝敗勝率
2018年80勝9敗1分88.9%
2017年82勝8敗91.1%
2016年67勝15敗1分80.7%
2015年82勝8敗2分89.1%
2014年59勝15敗3分76.6%
2013年52勝1敗1分96.3%
2012年37勝9敗80.4%
2011年19勝14敗3分52.7%
2010年10勝9敗3分45.4%
2009年13勝4敗2分68.4%
2008年20勝26敗3分40.8%
2007年89勝29敗3分73.5%

IPOの勝率も「IPOの件数」と同じようなグラフを描いています。金融市場が悪化している時は勝率が低く、好調な時は勝率が高くなっています

IPO件数と関連付けるなら、件数が少ない時には勝率が低く、件数が多い時には勝率が高いと言えるでしょうか。

IPOが好調な時期にIPO投資を始めた人は、上記のようにIPOの勝率が低い時期があったという事、そしてそういった時期がまた訪れる可能性が有る事を覚えておいてくださいね。

まとめ~2019年の動向は?~

IPOの件数と勝率について、2007年~2018年までの推移を見てきました。

端的に言えば、どちらも景気にリンクして推移しています。不景気の時は件数も勝率も低く、好景気の時は高くなっています。過去のデータではありますが、何かしらの参考にしてください。

そして、気になるのが2019年のIPOの動向です。

まずプラス要素を挙げると、当記事の執筆時点(2019年1月28日時点)で既に5銘柄の上場承認が発表されている点です。また、初値がプラスリターンとなりそうな銘柄も多いです。2019年の滑り出しとしては良いスタートを切れそうな予感がします。

そのため、近年のIPO活況の流れも引き継いで、2019年のIPOも活況が継続すると予想しています(それ以外の根拠はほぼありませんが)。件数としては90件前後となるでしょうか。

しかし、マイナス要素もいくつかあります。列挙すると「米中の貿易摩擦(休戦中ですが・・・)」や「イギリスのEU離脱の行方」などです。日本国内では「消費増税の影響」です。これらがトリガーとなって、IPOに悪影響を及ぼす事は十分に考えられます。

不安を煽りすぎるのは良くない事ですが、世界経済・日本経済に注視しながら2019年のIPO投資を行っていきましょう。

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