数多くある証券会社の中でも「マネックス証券」はIPO投資において重要度の高い証券会社です。IPO投資をしている人ならまず間違いなく口座を保有している事でしょう。
それだけIPO投資家から大きな支持を受けている理由は、「幹事実績が豊富」である点、そして何よりなるべく多くの個人投資家にIPOが配分されるような抽選方法を採用している点にあります。
簡単に言ってしまえば、マネックス証券はIPOの抽選に参加するチャンスが多く、当選しやすい証券会社なんです。
と言われると、気になるのが具体的なマネックス証券のIPOルール(抽選方法・資金関係)ですよね。
そこで今回は、マネックス証券のIPOの取引ルール(抽選・資金関係)や幹事実績、手数料などを余す事無く紹介していきたいと思います。
なお、以下にマネックス証券のIPOルールなどをまとめていますので、ササッとポイントだけ押さえたいという人は利用してくださいね。
証券会社 | マネックス証券 | ||
---|---|---|---|
抽選配分 | 100% | 抽選時資金 | 必要 |
抽選方法 | 完全平等抽選 | 入金時期 | BB時 |
ペナルティ | 無し | 資金拘束 | BB時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 | 同一資金 | 不可 |
発表時間 | 18時以降 | 口座開設数 | 176万件 |
主幹事実績 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
0件 | 1件 | 0件 | |
幹事実績 | 44件 | 47件 | 51件 |
売買手数料 (1注文毎) |
10万円 | 20万円 | 30万円 |
90円 | 105円 | 250円 | |
40万円 | 50万円 | 100万円 | |
250円 | 250円 | 487円 | |
即時入金 | 三菱UFJ銀行・みずほ銀行 他8行 | ||
NISAでIPO | NISA・ジュニアNISA共に可能 | ||
コメント | 主幹事の次に当選本数が多くなりやすい証券会社。資金ルールは厳しいが持っておきたい口座の1つ。 |
マネックス証券でIPO投資を始めるなら口座開設が必要です。最短5分で申込が完了します。さっそく口座開設をしたい!という人は以下のマネックス証券の公式サイトへのリンクをご利用ください。
マネックス証券のIPOルール
では、さっそくマネックス証券のIPO取引ルールについて見ていきましょう。抽選編と資金編に分けて紹介していくので、それぞれチェックしてくださいね。
抽選編
まずはマネックス証券の「抽選のルール」から見ていきましょう。
抽選配分は100%
マネックス証券では、割り当てられた全てのIPO株を抽選参加者への配分に回します。つまり、抽選配分は100%です。
新規公開株のお客様への配分は、配分の機会を公平に提供するため、原則として、当社の配分数量の全てを抽選により配分先を決定いたします。
他の証券会社では、抽選配分割合を10%としている所が多いです。それと比べれば、マネックス証券の抽選配分100%というのはかなり魅力的な数字と言えます。
同じ株数の割当を受けたと仮定した場合、「抽選配分100%のマネックス証券」と「抽選配分10%の証券会社」では、単純に当選本数が10倍も違ってくる事になります。
そのため、主幹事を除けば、幹事の中で一番当選本数が多い証券会社になる事が多いです。効率的にIPOの当選を狙っていくなら、まずはマネックス証券からといっても過言ではないでしょう。
なお、他にも抽選配分の割合が高い証券会社はあります。各証券会社の抽選配分割合については以下の記事にまとめているので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
抽選方法は完全平等抽選を採用
マネックス証券では初心者の方・資金が限られた方に嬉しい「完全平等抽選」を採用しています。
- コンピューターによる無作為抽選
- 申込者単位で抽選(資産・申込株数に関係なく当選確率は全員同じ)
そのため、抽選において人為的な操作が行われず、また申込者1人に対して1つの抽選権が付与されるので抽選参加者全員が平等な抽選を受ける事できます。もちろん、保有資産・取引履歴・申込株数などが当選確率に影響を与える事はありません。
たとえば、マネックス証券の口座に1億円預けている人も数十万円しか預けていない人も当選確率は同じです。もう1つ例を挙げるなら、10年以上マネックス証券で取引をしている人もマネックス証券の口座を開設したばかりの人も当選確率は同じです。
IPO投資の初心者からベテランまで、全ての人が平等な抽選を受けられるのがマネックス証券の特徴です。
当選するのは100株~申込株数も100株でOK~
マネックス証券では、需要申告で複数単位の申込をしても当選するのは100株だけです。
お客様ごとに一つの乱数(抽選権)を付与した上で抽選を行い、当選者に対し1単位ずつ配分いたします。したがいまして、同じお客様が2単位以上当選(配分)することはありません。
そのため、マネックス証券で複数単位が当選する事はありません。また、需要申告時に複数単位の申込をしたとしても、当選確率は100株の申し込みをした場合と同じです。資金も拘束されるので、資金効率を悪化させるだけです。
なので、マネックス証券のブックビルディングの申込株数は100株だけでOKです。
ちなみに、複数当選で売却益を2倍・3倍にする事はできませんが、その代わり1人1単位ずつ配分されるので多くの人が当選するチャンスを得られるのはマネックス証券の良いところです。
抽選結果は3パターン~発表時間は抽選日の18時以降~
マネックス証券では、抽選結果の表示内容は以下の3パターンです。
- 当選
- 補欠当選
- 落選
「当選」となった人は、忘れずに購入申込を行いましょう。もし忘れてしまうと「当選辞退」という扱いになります。
一方、「補欠当選」となった人は、購入申込を行う事によって繰上抽選を受ける事ができます。ただし、一般的には繰上当選となる可能性は低いです。その他のIPOの状況や資金の状況、補欠当選した銘柄の人気度などを踏まえて、購入申込をするかどうか判断していきましょう。
なお、抽選結果が発表される時間は抽選日の18時以降です(翌営業日になる事もあります)。
当選辞退に対するペナルティ
一部の証券会社では、当選辞退をすると一定期間IPOの申込ができなくなるなどのペナルティを課すところがありますが、マネックス証券ではペナルティそのものがありません。
そのため、もし公募割れしそうな銘柄を掴んでしまった場合には、ペナルティを気にせず、思い切って当選辞退をするのもアリだと思います。
資金編
続いて、マネックス証券の資金ルールについて見ていきましょう。
入金のタイミングはBB申込時
マネックス証券では、完全前金制が採用されているので、ブックビルディング申込までに口座に入金しておく必要があります。
なお、ブックビルディングの最終日は11時が申込期限となっているので注意してくださいね。
資金拘束を受けるタイミング・拘束から開放されるタイミング
資金が拘束されるタイミングは「ブックビルディング申込時」です。
そして、資金拘束から開放されるタイミングは以下の通りです。
抽選結果 | 意思表示 | 解放時期 |
---|---|---|
当選 | 購入辞退 | 辞退後すぐ |
購入も辞退もせず (申込忘れも含む) | 購入申込期間最終日の昼頃 | |
補欠当選 | 購入辞退 | 辞退後すぐ |
購入も辞退もせず (申込忘れも含む) | 購入申込期間最終日の昼頃 | |
購入申込後、繰上当選ならず | 購入申込期間最終日の昼頃 | |
落選 | - | 落選後すぐ |
なお、繰上当選の結果発表は、購入申込期間最終日の昼頃です。
同一資金で複数銘柄への申込不可
マネックス証券では、ブックビルディング時に資金が拘束されるので、同一資金での複数銘柄への申込はできません。
たとえば、同時期にA銘柄(必要資金30万円)とB銘柄(同20万円)のIPOがあった場合、マネックス証券では口座に50万円を用意しなければなりません。30万円を入金して、A銘柄・B銘柄の両方に申し込む事はできないんですね。
このようにマネックス証券は資金ルールが厳しい内容になっています。ただ抽選編で紹介したように、当選に期待を持てる証券会社なので、なるべくマネックス証券からブックビルディングに参加できるように資金管理をしていくようにしましょう。
マネックス証券のIPO主幹事・幹事実績
続いて、マネックス証券のIPO取扱件数について見ていきましょう。
2016年~2018年における主幹事・幹事実績がこちらです。
2016 | 2017 | 2018 | |
---|---|---|---|
主幹事 | 0件 | 1件 | 0件 |
幹事 | 44件 | 47件 | 51件 |
IPO全体件数 | 83件 | 90件 | 90件 |
主幹事を務めたのは2017年のマネーフォワードのみですが、幹事実績はTOPクラスの件数となっています。概ね2件に1件は幹事を務めている計算です。
IPOは幹事を務めている証券会社からしか申し込めないので、実績多数の証券口座を開設しておくのは基本中の基本です。その点から言うと、マネックス証券はIPO投資において欠かせない証券会社と言えます。
なお、マネックス証券は年に数件程度ですが、裏幹事を務める事が有ります(上記の幹事実績に含まれています)。
マネックス証券がどこからIPOの販売を委託されるかというと、提携関係がある「みずほ証券」です。みずほ証券が主幹事を務める銘柄で裏幹事を務めるパターンが多くなっています。
正規の幹事を務める事が多いマネックス証券ですから、裏幹事も務めるなんて想定していない人も多いと思います。そのため、マネックス証券の裏幹事はけっこう穴場になることも。
狙っていきたい人は、マネックス証券からの配信メールをしっかりチェックしておくか、みずほ証券が主幹事の時にマネックス証券のIPO取扱銘柄一覧をチェックするようにしましょう。
マネックス証券の手数料
続いて、マネックス証券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介します。
売買手数料
マネックス証券では、「取引毎手数料コース」と「1日定額手数料コース」の2つのコースが現物株式の売買手数料プランとして用意されています(インターネット取引の場合)。
- 取引毎手数料コース:1注文の約定金額に対して手数料が発生
- 1日定額手数料コース:1日の約定金額の合計額に対して手数料が発生
■取引毎手数料コース(国内現物)
約定金額 | 売買手数料 |
---|---|
10万円以下 | 90円 |
20万円以下 | 105円 |
30万円以下 | 250円 |
40万円以下 | 250円 |
50万円以下 | 250円 |
100万円以下 | 487円 |
100万円超 | 582円より |
■1日定額手数料コース
約定金額合計 | 売買手数料 |
---|---|
300万円 | 1日何回取引しても2,500円 |
600万円 | 1日何回取引しても5,000円 |
300万円増加毎に | 2,500円ずつ増加 |
1日定額手数料コースはヘビーユーザー用の手数料体系となっているので、IPO投資を中心に考えるならば「取引毎手数料コース」が最適です。1日に何回も取引をする事はありませんからね。なお、月毎にコースを変更できます。
ちなみに、マネックス証券では新規口座開設者向けに手数料全額キャッシュバックキャンペーンが実施されています。口座開設申込日の翌月末まで何度取引しても手数料のキャッシュバックを受ける事ができます。キャンペーン開催期間は設定されていないので、好きなタイミングで手続きをしてみてください。
入出金手数料
次に紹介するのは入手金時の振込手数料についてです。まずはマネックス証券の口座へ入金する際の「入金方法」と「それぞれの振込手数料」及び「入金が反映される時間」について見ていきます。
入金方法 | 手数料 | 反映時間 |
---|---|---|
即時入金サービス | 無料 | 即時 |
定期自動入金サービス | 無料 | 毎月7日の翌営業日 |
マネックスセゾンカードのATM入金 | 無料 | 即時 |
銀行振込 | 負担 | 入金から15分 15時以降翌営業日に反映 |
証券口座間で資金移動を活発に行うIPO投資では、入金が即時に反映され、かつ振込手数料が無料の「即時入金サービス」がオススメです。パソコン・スマホ・タブレットから入金指示を出せるので手間もかかりません。
マネックス証券において当該サービスを利用できる金融機関は以下のとおりです(2018年11月時点)。
- 三菱UFJ銀行
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
- ゆうちょ銀行
- 住信SBIネット銀行
- 楽天銀行
- ジャパンネット銀行
- ソニー銀行
上記の金融機関の口座を持っていなくても、お手持ちの銀行口座から銀行振込で入金できますが、振込手数料を負担する事になってしまいます。そのため、IPO投資用に即時入金サービスが利用できる銀行口座を開設しておく事をオススメします。
では続いて、マネックス証券の口座からの出金についてです。出金方法は2つあり、それぞれの振込手数料と出金が反映される時間をまとめておきます。
出金方法 | 手数料 | 反映時間 |
---|---|---|
ネット | 無料 | 20:28まで翌営業日 *1 それ以降翌々営業日 |
ATM | 負担 *2 | 即時 |
*2 セブン銀行のみ無料。ただし時間帯によって時間外手数料100円(税抜)が発生(詳しくは以下の画像をご覧ください)。
(出典:マネックス証券「マネックスセゾンカードによる入出金」)
入出金共にインターネットによる方法が振込手数料も手間もかからないのでオススメです。
マネックス証券ではNISA・ジュニアNISA口座からIPOに参加可能
マネックス証券の魅力の1つは「NISA及びジュニアNISAがIPOにも対応している点」です。売却益が大きくなりやすいIPO投資において、NISAの非課税枠を利用できるのは非常に嬉しいですよね。
しかも、マネックス証券ならNISA口座での国内株式の売買手数料が恒久的に0円になります。
もちろん、当選しなければNISAの非課税枠を利用する事はできませんが、マネックス証券は幹事実績も多く、完全平等抽選への配分割合が100%となっており、IPO当選に期待が持てる証券会社です。そのため、IPO投資をマネックス証券で始めるならNISA口座の開設も検討してみる価値はあるでしょう。
マネックス証券でIPOに全く当たらない・・・という人へ
マネックス証券で何回も連続でIPOに当たっていない・・・という人がいるかもしれません。特に最近IPO投資を始めた人ならまだ1度も当選していない人もいるでしょう。
「過去に取引した事がないから?」
「IPOに申し込む時しか口座に入金しないから?」
落選が続くと、その理由を過去の取引履歴の有無や保有資産に結び付けてしまうかもしれませんが、決してそういう事ではありません。
単純にマネックス証券に割り当てられる株数自体が少ないからです。
主幹事・幹事実績で紹介したように、マネックス証券はほぼ全てが平幹事でしたよね。IPOでは公募株数全体の80%~90%を主幹事が販売し、残りの株数を複数の平幹事が分担して販売します。そのため、平幹事を務める事が多いマネックス証券では、たとえ完全平等抽選配分100%と言えども配分数自体が少ないのでなかなか当選しないんです。
たとえば、2018円6月27日に上場した株式会社IPSでは、各幹事証券の割当株数と抽選配分数は以下のようになります。
幹事証券 | 割当株数 | 抽選配分数 |
---|---|---|
みずほ証券(主) | 272,000 | 25,000 |
SBI証券 | 16,000 | 6,500 |
SMBC日興証券 | 16,000 | 1,500 |
マネックス証券 | 6,400 | 5,800 |
岡三証券 | 6,400 | 600 |
むさし証券 | 3,200 | 300 |
このように主幹事のみずほ証券が圧倒的な数の株式を割り当てられている事が分かります。マネックス証券はというと、6,400株です。実際に抽選で配分された株数は5,800株です。1人100株の当選ですから当選者は58人しかいなかった事になります。
こういうロジックになっているので、マネックス証券でIPOになかなか当たらない!という人が出てくるんですね。
しかし、それでもマネックス証券からIPOに申し込むべきです。気付いている人もいると思いますが、さきほどの表の抽選配分数に着目すると、マネックス証券は抽選配分数が上から3番目に多い証券会社になります。割当株数が倍以上多いSBI証券とほぼ同じ抽選配分数になっていますよね。
これはけっしてこのIPO銘柄に限った話ではありません。マネックス証券は主幹事に次いで2番目若しくは3番目に当選本数が多い幹事証券となる事が多いんです。やはり完全平等抽選配分100%というのはマネックス証券の大きな魅力なんですね。諦めずにマネックス証券からIPO抽選に参加していきましょう。
最後に、マネックス証券での当選確率を僅かでも上げる方法を紹介しておきたいと思います。当選確率を上げるためには、抽選回数を増やす事が1つのポイントになります。そのためにマネックス証券で家族口座や未成年(子供)口座も開設して、複数の口座からIPOに申し込むようにしましょう。
また、抽選回数を増やすという意味では、マネックス証券だけでなく、その他の証券会社からも抽選に参加する事が重要になってきます。当選確率を少しでも上げるために、1つでも多くの証券会社の口座を開設し、多くの抽選を受けられる体制を整えるようにしましょう。
まとめ~マネックス証券はIPO投資において重要度◎~
今回はマネックス証券のIPO取引ルールなどについて紹介しました。
完全平等抽選100%かつ当選株数が100株という抽選方法を採用しているので、多くの人に当選のチャンスがある証券会社です。しかも過去の取引等によって当選確率がブレないというのも魅力的。IPO初心者の人も安心して利用できる証券会社となっています。
資金ルールは入金タイミングが早かったり、資金拘束を長期間受けるなど、やや厳し目の内容になっていますが、それでも重要度の高い証券会社と言えるでしょう。
まだマネックス証券の口座を開設していない人は、是非この機会に検討してみてください。
最後にマネックス証券のIPOルールの特徴などをまとめておきますので確認しておいてくださいね。
- 抽選配分100%
- 完全平等抽選を採用
- 資金ルールは厳しい
- 幹事実績TOPクラス
- 参加手数料・口座開設手数料が無料
- 即時入金サービスの利用で振込手数料も無料