SMBC日興証券のIPOルールをしっかり把握できていますか?
「どんな抽選方法を採用していたっけ?」
「抽選に申し込む時に入金しておく必要があったかな?」
このように、IPOルールが曖昧になってしまっている人がいるかもしれません。
そこで今回は、SMBC日興証券のIPO取引ルール(抽選方法・資金関係)や幹事実績、手数料などを余す事無く紹介していきたいと思います。
なお、以下にSMBC日興証券のIPOルールなどをまとめていますので、ササッとポイントだけ押さえたいという人は利用してくださいね。
証券会社 | SMBC日興証券 | ||
---|---|---|---|
抽選配分 | 15% | 抽選時資金 | 必要 |
抽選方法 | 完全平等抽選 ステージ抽選 |
入金時期 | BB時 |
ペナルティ | 有り | 資金拘束 | BB時 |
抽選結果 | 当選・補欠 | 同一資金 | 不可 |
発表時間 | 20時以降 | 口座開設数 | 332万 |
主幹事実績 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
13件 | 12件 | 21件 | |
幹事実績 | 64件 | 71件 | 68件 |
売買手数料 (1注文毎) |
10万円 | 20万円 | 30万円 |
125円 | 180円 | 250円 | |
40万円 | 50万円 | 100万円 | |
400円 | 400円 | 800円 | |
即時入金 | 三井住友銀行・三菱UFJ銀行 他3行 | ||
NISAでIPO | 抽選に参加できるのはNISA口座だけ | ||
コメント | 主幹事・幹事実績は業界TOPクラス。当選辞退に対するペナルティが有るので抽選申込前にしっかりと銘柄分析を! |
SMBC日興証券でIPO投資を始めるにはまず口座を開設する必要があります。口座開設手続き自体は5分程度で完了します。口座開設ページへのリンクを以下に用意しているのでご利用ください。
SMBC日興証券のIPOルール
では、さっそくSMBC日興証券のIPO取引ルールについて見ていきましょう。抽選編と資金編に分けて紹介していくので、それぞれチェックしてくださいね。
抽選編
まずはSMBC日興証券の「抽選ルール」から見ていきます。
抽選方法は「完全平等抽選」と「ステージ抽選」
SMBC日興証券が採用している抽選方法は「完全平等抽選」と「ステージ抽選」です。
完全平等抽選とは、需要申告に対し機械的に一つの乱数を付番し、同一条件・同一確率の下で行われる抽選方法です。
このように申込者単位での抽選が行われるので、申込株数や保有資産額などによって当選確率が変動する事はありません。抽選参加者全員が同じ当選確率となるのが特徴です。
一方、ステージ抽選は資産額等(*)に基づいて4つのステージ「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」に分類され、ステージに応じて当選確率が変動する抽選方法です。ブロンズとプラチナでは当選確率が25倍異なります。
また、新規口座開設者は資産額が足りなくても3ヶ月間ブロンズステージの優遇を受けられます。
ステージ抽選は、完全平等抽選の後に行われ、先の抽選において落選した人が対象です。また、ダイレクトコース限定の優遇抽選となっているので、総合コースを選択している人は対象外です。
抽選配分は15%
SMBC日興証券の抽選配分は15%です。その内訳は以下の通りです。
- 完全平等抽選:10%
- ステージ抽選:5%
たとえば、一般投資家へ配分する株数が10万株のIPO銘柄の場合だと、そのうちの10%にあたる1万株が完全平等抽選の対象となります。そして、5%にあたる5,000株がステージ抽選の対象となります。
大手の「みずほ証券」や「野村證券」は、抽選配分を10%と定めているので、これらと比較すると当選のチャンスが高い証券会社と言えますね。ステージの優遇を受けられる人なら尚更です。
なお、ネット証券のほとんどが抽選配分を100%としています。さきほどの事例だと、10万株全てが抽選対象となります。以下の記事でネット証券を比較しているので、抽選配分が高い証券会社を探している人は参考にしてください。
複数単元の当選はない!~申込株数も100株でOK~
SMBC日興証券では、当選数量は1単元(100株)までとなっています。そのため、複数単元の申込をしても複数当選する事はありません。
可能な限り多数のお客様へ配分が行われるように抽選による当選数量の上限は、一投資単位とします。
このようなルールになっており、また申込株数が当選確率に影響を与える事もないので、申込株数は100株で良いでしょう。
抽選結果は当選と補欠の2パターン~落選はなし~
SMBC日興証券の抽選結果は以下の2パターンです。
- 当選
- 補欠
見ての通り「落選」がありません。つまり、当選者以外は全員「補欠」になります。
当選者が当選辞退をした場合などに補欠当選者から抽選で繰上当選者が決まるわけですが、その抽選に参加する権利を当選者以外全員が持っているので、SMBC日興証券における繰上当選の確率はかなり低くなるでしょう(補欠申込を行った人が繰上抽選の対象です)。
当選辞退に対するペナルティ有り
SMBC日興証券では、当選辞退をした当選者に対して以下のようなペナルティが課されます。
- IPO申込不可【1ヶ月間】
- 現在行っているすべてのIPO申込(抽選前の銘柄)が取消となる
当選辞退だけでなく、購入申込忘れもペナルティの対象となるので注意してください。
資金編
では、続いてSMBC日興証券の資金ルールについて見ていきましょう。
入金のタイミングは抽選申込時
SMBC日興証券での入金のタイミングは「抽選申込時」です。抽選申込を行う前に口座へ必要金額を入金してください。
需要申告最終日は17時までが申込期限となっているので、それまでに入金・需要申告を行いましょう。なお、入金方法によっては、入金が翌日扱いになるおそれがあります。時間に余裕をもって手続きを行ってくださいね。
資金拘束を受けるタイミングも抽選申込時
SMBC日興証券では、資金拘束を受けるタイミングも「抽選申込時」となっています。
抽選の結果、補欠当選となった時点で資金拘束から解放されます。補欠申込を行う場合は、申込時点で再度資金が拘束され、繰上当選しなければ資金が開放されます。
同一資金での複数銘柄への申込不可
SMBC日興証券では、抽選申込時に資金拘束を受けるので、ブックビルディング期間が被っている複数の銘柄に同一資金で申し込む事はできません。
たとえば、抽選申込に必要な資金が20万円の銘柄と30万円の銘柄があった場合、SMBC日興証券では両方の抽選に申し込むために50万円を入金する必要があります。
IPOが集中する時期には、SMBC日興証券1社だけで大量の資金が必要になる事もあります。投資資金には限りがあるので、他の証券会社と「抽選配分を考慮した割当株数」を銘柄毎に比較して、申し込む銘柄の取捨選択を行うようにしましょう。
SMBC日興証券のIPO主幹事・幹事実績
続いて、SMBC日興証券のIPO取り扱い件数について見てみましょう。
2016年~2018年における主幹事・幹事実績がこちらです。
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
---|---|---|---|
主幹事実績 | 13件 | 12件 | 21件 |
幹事実績 | 64件 | 71件 | 68件 |
IPO全体件数 | 83件 | 90件 | 90件 |
毎年安定して主幹事を務めているSMBC日興証券。幹事関与率は80%弱となっており、SMBC日興証券の口座を持っていれば、5件に4件の割合で抽選に参加する事ができます。
幹事実績をランキング化すれば、SMBC日興証券は毎年TOP5にランクインしてくるので、IPO投資において必須の証券会社と言えるでしょう。
SMBC日興証券の手数料
続いて、SMBC日興証券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介していきます。
売買手数料
SMBC日興証券では、現物株式取引の売買手数料プランとして1約定毎に手数料が発生するプランが用意されています。
手数料体系は以下の通りです(2018年11月時点、税抜、ダイレクトコース・オンライントレードの場合)。
約定金額 | 売買手数料 |
---|---|
10万円まで | 125円 |
20万円まで | 180円 |
30万円まで | 250円 |
50万円まで | 400円 |
100万円まで | 800円 |
200万円まで | 1,500円 |
300万円まで | 2,000円 |
500万円まで | 3,000円 |
1,000万円まで | 4,500円 |
2,000万円まで | 9,000円 |
3,000万円まで | 15,000円 |
3,000万円超 | 25,000円 |
店舗型の証券会社としては比較的安い売買手数料水準となっています。みずほ証券や大和証券などは、オンライントレードでも高めの手数料となっていますからね。
主幹事・幹事実績が豊富なSMBC日興証券ですから、IPOの売買をする機会も多くなります。お得な手数料で取引できるのは嬉しいポイントですね。
なお、他の証券会社の売買手数料が気になる人は、以下の比較記事を参考にしてください。
入出金手数料
次に紹介するのは入出金時の振込手数料についてです。
まずはSMBC日興証券の口座への入金方法から見ていきます。入金方法は5つありますが、日興イージートレードの画面から入金手続きができるのは以下の2つです(その他、ATM入金等について知りたい人はこちら)。
- インターネット決済
- バンク&トレード
■インターネット決済
インターネット決済とは、金融機関のネットバンキングを利用した入金方法です。振込手数料は無料で、入金額が口座に即時反映されます。
提携している金融機関及びそれぞれの即時反映される時間帯は以下の通りです。
金融機関 | 即時反映 |
---|---|
三井住友銀行 | 14時50分まで |
三菱UFJ銀行 | 16時まで |
みずほ銀行 | 15時まで |
ジャパンネット銀行 | 15時まで |
ゆうちょ銀行 | 16時まで |
■バンク&トレード
バンク&トレードもネットバンキングを利用した入金方法です。インターネット決済との違いは、ネットバンキングでのログインが不要な点です。日興イージートレードの画面で「入金額」を入力し、内容を確認して実行するだけで手続きが完了します。
バンク&トレードを利用できるのは三井住友銀行だけです。振込手数料は無料で、入金額が口座に即時反映されます。原則7:00~翌1:00まで利用する事ができます。
では、続いてSMBC日興証券の口座からの出金方法について見ていきます。出金方法は以下の通りです。
- 銀行振込
- 日興カードでの出金
- バンク&トレード
■銀行振込
日興イージートレードの画面から出金手続きを行います。出金先は予め登録している銀行口座です。
出金手数料は無料で、午前中に手続きを行えば原則当日中に振込が完了します(ゆうちょ銀行以外)。
■日興カードでの出金
日興カードを利用して提携ATMから出金する方法です。提携ATMはみずほ銀行やセブン銀行、ローソン銀行などです。
出金手数料は三井住友銀行以外のATMでは基本的にかかりますが、毎月5回分の手数料が翌月キャッシュバックされます。
■バンク&トレード
入金方法でも紹介したバンク&トレードです。出金も即時反映されるので非常に便利。もちろん手数料は無料です。
三井住友銀行を利用している人は、バンク&トレードの申込をしておきましょう。
IPOの抽選に申し込めるのはNISA口座だけ
SMBC日興証券では、NISA口座及びジュニアNISA口座の開設が可能ですが、IPOの抽選に申し込めるのはNISA口座だけです。ジュニアNISA口座からIPOの抽選に参加する事はできません。
ただし、店頭での裁量配分については、ジュニアNISAからでも申込ができます。
SMBC日興証券でIPOに当たらない・・・という人へ
主幹事・幹事実績が多いSMBC日興証券ですが、何回抽選に参加してもIPOになかなか当たらない・・・という人もいるはずです。
その原因の1つとして考えられるのは「抽選配分15%」という点です。
というのも、少ししか株式の割当を受けない幹事を務めたIPO銘柄では、抽選の対象となる株数はさらに15%まで削られて、かなり少なくなるからです。当選者が20人・30人しかいない銘柄だってあります。
その当選人数に対して何万件という申込が殺到するわけですから、当たらないのも不思議ではありません。SMBC日興証券だけからIPOに申し込んでいても、当選するのは厳しいでしょう。
ではどうすれば良いのか?というと、他の証券会社からもIPOの抽選に参加するようにしましょう。
特に、抽選配分が高いネット証券や口座開設数がまだ少ない、つまり抽選のライバルが少ない証券会社から積極的に参加していきましょう。当選のチャンスがある証券会社でなるべく多く抽選を受ける事がポイントになってきます。
以下の抽選配分と口座開設数に関する記事を参考にして、まだ口座開設をしていない証券会社があればチェックしてくださいね。
まとめ
今回はSMBC日興証券のIPOルール等について紹介しました。
抽選配分15%と低い設定になっていますが、豊富な幹事実績を考慮すると口座を持っておきたい証券会社です。主幹事実績はTOPクラスですからね。
ただ、豊富な幹事実績が厳しい資金ルールと相まって、IPOが集中する時期には「資金的に全銘柄の抽選に参加するのは厳しい・・・」という人も出てくるとは思います。そうした場合は、配分株数等を他の証券会社と比較して、申し込む証券会社を選別するなど、工夫をしながらIPO抽選に挑んでいきましょう。
最後にSMBC日興証券のIPOルールの特徴点をまとめておくのでチェックしておいてくださいね。
- 抽選配分15%
- 抽選方法は「完全平等抽選」と「ステージ抽選」を採用
- 当選辞退に対するペナルティ有り
- 入金・拘束のタイミングは共に抽選申込時
- TOPクラスの主幹事・幹事実績