主幹事実績もあり、口座開設数も比較的少ない岡三証券でIPO投資を始めようと思っている人は多いのではないでしょうか?既に口座を開設した人もいるでしょう。
岡三証券でIPO投資を始めるなら、やはりIPOの取引ルールを押さえてべきです。採用されている抽選方法やその抽選に配分される株数の割合、そして入金が必要なタイミングなど。こうした事はIPOに申し込む上で必須の知識になりますからね。
そこで今回は、岡三証券のIPO取引ルール(抽選方法・資金関係)や幹事実績、手数料などを余す事無く紹介していきたいと思います。
なお、以下に岡三証券のIPOルールなどをまとめていますので、ササッとポイントだけ押さえたいという人は利用してくださいね。ちなみに、「岡三証券」と「岡三オンライン証券」は同グループに所属する別会社です。それぞれIPOルールなどに違いがあるので、混同しないように注意してくださいね。
証券会社 | 岡三証券 | ||
---|---|---|---|
抽選配分 | 100% | 抽選時資金 | 必要 |
抽選方法 | 完全平等抽選 ステージ抽選 |
入金時期 | 抽選申込時 |
ペナルティ | あり | 資金拘束 | なし |
抽選結果 | 当選・落選 | 同一資金 | 可能 |
発表時間 | 18時以降 | 口座開設数 | 50万 |
主幹事実績 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
0件 | 4件 | 1件 | |
幹事実績 | 29件 | 35件 | 47件 |
売買手数料 (1注文毎) |
10万円 | 20万円 | 30万円 |
1,800円 | 1,800円 | 1,800円 | |
40万円 | 50万円 | 100万円 | |
2,300円 | 2,875円 | 5,750円 | |
即時入金 | サービスなし | ||
NISAでIPO | NISA口座及びジュニアNISA口座共にIPOの申込が可能 | ||
コメント | 主幹事実績有り!資金拘束がないのでBB期間が重複しているIPOの抽選に同一資金で参加可能! |
岡三証券でIPO投資を始めるにはまず口座を開設する必要があります。口座開設手続き自体は5分程度で完了します。口座開設ページへのリンクを以下に用意しているのでご利用ください。
岡三証券のIPOルール
では、さっそく岡三証券のIPO取引ルールについて見ていきましょう。抽選編と資金編に分けて紹介していくので、それぞれチェックしてくださいね。
抽選編
まずは岡三証券の「抽選ルール」から見ていきます。
抽選方法は「完全平等抽選」と「ステージ抽選」を採用
岡三証券では「完全平等抽選」と「ステージ抽選」の2つの抽選方法が採用されています。
- 完全平等抽選:抽選参加者全員が同一の当選確率となる抽選方法
- ステージ抽選:取引実績等によって当選確率が変動する抽選方法
抽選の順序は「① 完全平等抽選」「② ステージ抽選」です。基本的に完全平等抽選で落選となった人がステージ抽選の対象となります。
先に行われる完全平等抽選は、取引実績や申込株数などに関係なく、申込者単位での抽選が行われるので、参加者全員が平等な抽選を受ける事ができます。
一方、その後に行われるステージ抽選は、取引実績に基づいて当選確率が優遇される抽選が行われます。普段から岡三証券で取引をしている人がIPO抽選で有利な扱いを受けます。
具体的な優遇内容は非公表ですが、各ステージの優劣や判定基準等は以下の通りです。
■ステージの判定基準
ステージ | 判定基準(3ヶ月合計) |
---|---|
ステージ1 | 手数料50万円未満 |
ステージ2 | 手数料50万円以上100万円未満 |
ステージ3 | 手数料100万円以上 |
■ステージの判定期間及び適用期間
ステージの判定期間 | ステージの適用期間 |
---|---|
9月~11月 | 1月~3月 |
12月~2月 | 4月~6月 |
3月~5月 | 7月~9月 |
6月~8月 | 10月~12月 |
上記の通り、ネットからIPOに申し込む場合には最も当選確率が優遇されない「ステージT」となります。そのため、オンライントレードではステージ抽選での当選は正直厳しいです。
抽選配分は100%
岡三証券は、個人顧客に配分する予定株数の100%を抽選によって配分します。
当社は、過度な集中配分及び不公正な配分とならないよう、原則として全量抽選の方法により配分を行っております。
さきほども紹介したように、抽選方法は2つあります。それぞれの抽選配分割合は以下のとおりです。
- 完全平等抽選:10%
- ステージ抽選:90%
ルール上、全量抽選となっていますが、完全平等抽選には10%しか割り振られません。そう考えると、抽選配分10%としている他の証券会社と大差無い事になります。100%という数値に誤魔化されないようにしてくださいね。
なお、ネット証券のほとんどは完全平等抽選の配分割合が100%となっています。ネットからIPOに申し込む人は、ネット証券の方が当選に期待を持てると思いますよ。
完全平等抽選で当選するのは1単元
岡三証券では、完全平等抽選において当選する数量を基本的に1単元(100株)までと定めています。
できるだけ多くのお客様に配分が行われるよう、一人のお客様への当選数量は1単位とさせていただきます。
一方、ステージ抽選においては上記のような規定がないので、複数単元が当選する可能性はあります。
抽選結果は当選と落選の2パターン~補欠はなし~
岡三証券では、抽選結果の表示が以下の2パターンとなっています。
- 当選
- 落選
なお、抽選結果が発表されるのは、抽選日(公開価格決定日)の18時以降です。
当選辞退に対するペナルティ有り
岡三証券のオンライントレードでは、当選後の辞退に対して「それ以降のオンライントレードからの申込を受け付けない」というペナルティが課されます。
ペナルティが課される期間は明示されていないので、もしかしたら永久に利用不可となる可能性も。
また、補欠当選においても、電話連絡を受けた時に購入意思を示したにも関わらず購入申込をしなかった場合にはペナルティの対象となります。
このように岡三証券では、当選辞退に対してペナルティがあるので辞退を検討している人はこの点を十分検討するようにしてください。
資金編
では、続いて岡三証券の資金ルールについて見ていきましょう。
入金のタイミングは抽選申込時
岡三証券の入金タイミングは「抽選申込時」です。抽選に申し込むにあたって買付余力が必要になるので、申込前に必要な金額を入金しておきましょう。
ちなみに、抽選申込期間の最終日は午前10時までが受付時間となっています。入金手続及び申込手続が間に合わないと抽選対象外となるので注意してください。
資金拘束なし!同一資金での複数銘柄への申込可能
岡三証券では資金拘束を受けないので、複数の銘柄のブックビルディング期間が重なっていても同一資金で複数銘柄の抽選を受ける事ができます。同一日抽選の銘柄でも可能です。
このように必要資金が最大である銘柄の資金だけ入金しておけば、その他の銘柄の抽選にも参加できるので資金効率をUPさせる事ができます。幹事実績が豊富な岡三証券でこうした事ができるのは嬉しいですね。
なお、岡三証券以外にも同一資金で複数のIPO銘柄の抽選に参加できる証券会社があります。以下の記事にまとめているので併せてチェックしてみてくださいね。
岡三証券のIPO主幹事・幹事実績
続いて、岡三証券のIPO取り扱い件数について見てみましょう。
2016年~2018年における主幹事・幹事実績がこちらです。
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
---|---|---|---|
主幹事実績 | 0件 | 4件 | 1件 |
幹事実績 | 29件 | 35件 | 47件 |
IPO全体件数 | 83件 | 90件 | 90件 |
実績件数は少ないですが、主幹事としてもIPOを取り扱う事がある証券会社です。しかも、取り扱うIPO銘柄は小型案件が多いので、初値の高騰に期待が持てる銘柄が多くなります。
■【参考】2017年及び2018年に岡三証券が主幹事を務めたIPO銘柄一覧
銘柄 | 公開株数 | 公開価格 | 初値 |
---|---|---|---|
SIG | 342,700株 | 2,000円 | 4,665円 |
ミダック | 381,800株 | 1,300円 | 2,000円 |
トレードワークス | 241,500株 | 2,200円 | 13,600円 |
エコモット | 186,000株 | 2,730円 | 4,195円 |
フュージョン | 160,000株 | 1,140円 | 2,872円 |
また、安定して幹事入りもしているので、IPOの抽選に参加できる機会が多い証券会社となります。
なお、岡三証券は同グループ会社の岡三オンライン証券に幹事を務めているIPO銘柄の販売を委託するケースがかなり多いです。そのため、岡三証券が幹事入りしていれば、岡三オンライン証券も併せてチェックするようにしましょう。
岡三証券の手数料
続いて、岡三証券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介していきます。
売買手数料
東岡三証券では、現物株式取引の売買手数料プランとして「1約定毎に手数料が発生するプラン」が用意されています。
手数料体系は以下の通りです(2018年12月時点、税抜、オンライントレードの場合)。
約定金額 | 売買手数料 |
---|---|
100万円まで | 0.575% |
300万円まで | 0.425%+1,500円 |
500万円まで | 0.375%+3,000円 |
700万円まで | 0.35%+4,250円 |
1,000万円まで | 0.325%+6,000円 |
3,000万円まで | 0.25%+13,500円 |
5,000万円まで | 0.1%+58,500円 |
5,000万円超 | 0.05%+83,500円 |
例えば、約定金額130万円の手数料は、130万円×0.425%+1,500円=7,025円となります。
なお、契約内容によって、上記手数料と異なる場合があります。
岡三証券の売買手数料は主要な証券会社の中で一番高いです。約定金額10万円でも手数料の下限となる1,800円がかかりますからね。手数料が安いネット証券と比較すれば、10倍~20倍も違ってきます。
IPO投資では売買手数料よりも抽選に参加して当選する事の方が大切なので気にする必要はあまりありませんが、その他の取引も行う人は手数料を他社と比較しておいた方が良いでしょう。
なお、以下に19社の手数料を比較した記事を載せておくので参考にしてください。
入出金手数料
次に紹介するのは入出金時の振込手数料についてです。
まずは岡三証券の口座へ入金する方法について見ていきます。入金方法は2つで、それぞれの手数料及び反映時間は以下の通りです。
入金方法 | 手数料 | 反映時間 |
---|---|---|
銀行振込 | 無料 * | 確認次第 |
岡三カード入金 | 無料 | 即時 |
このように、岡三証券には即時入金サービスがありません。そのため、取引までに時間的余裕がある場合はネットバンク等から振り込み、時間的余裕が無い場合は岡三カードでATMから振り込むようにしましょう。
続いて、岡三証券の口座からの出金方法について見ていきます。こちらも出金方法は2つで、それぞれの手数料等は以下の通りです。
出金方法 | 手数料 | 反映時間 |
---|---|---|
振込依頼 | 無料 | 翌日以降 |
岡三カード出金 | 無料 | 即時 |
振込依頼はオンライントレードにログインして行います。インターネットを介して行えるので、手間という面ではこちらの方がラクです。ただ出金が振込先の口座に反映されるのに時間を要するので、急ぎの場合は岡三カードを利用して出金すると良いでしょう。
NISA口座及びジュニアNISA口座からIPOの申込が可能
岡三証券では、NISA口座及びジュニアNISA口座共にIPOの申込が可能です。
岡三証券のIPOルールまとめ
今回は岡三証券のIPOルールなどについて紹介しました。
IPO投資をする上で主幹事を務める事がある証券会社を押さえておくのはポイントの1つです。引き受ける株数が多くなり、その分当選本数も多くなるからです。その点を考慮すると、少ないながらも主幹事実績のある岡三証券は口座を持っておきたい証券会社と言えるでしょう。
最後に岡三証券のIPOルールの特徴点をまとめておくのでチェックしておいてくださいね。
- 抽選方法は「完全平等抽選」と「ステージ抽選」を採用
- 抽選配分100%
- 当選辞退に対するペナルティ有り
- 入金のタイミングは抽選申込時
- 資金拘束なし!同一資金での複数銘柄への抽選申込が可能