【カブドットコム証券】IPOルールを解説~当選するために知っておきたい抽選方法や資金ルール~

カブドットコム証券のIPOルール

カブドットコム証券のIPOルールをしっかり把握できていますか?

  • 抽選方法
  • 入金のタイミング
  • 資金拘束のタイミング

カブドットコム証券からブックビルディングに参加するなら、こういった事は最低限おさえておきたいところです。

そこで今回は、カブドットコム証券のIPO取引ルール(抽選方法・資金関係)や幹事実績、手数料などを余す事無く紹介していきたいと思います。

なお、以下にカブドットコム証券のIPOルールなどをまとめていますので、ササッとポイントだけ押さえたいという人は利用してくださいね。

証券会社 カブドットコム証券
抽選配分 100% 抽選時資金 必要
抽選方法 完全平等抽選 入金時期 BB時
ペナルティ 無し 資金拘束 購入申込時
抽選結果 株数表示 同一資金 不可
発表時間 13時以降 口座開設数 108万
主幹事実績 2016年 2017年 2018年
0件 0件 0件
幹事実績 18件 27件 24件
売買手数料
(1注文毎)
10万円 20万円 30万円
90円 180円 250円
40万円 50万円 100万円
250円 250円 990円
即時入金 三菱UFJ銀行・じぶん銀行 他4行
NISAでIPO NISA・ジュニアNISA共に可能
コメント 後期型を活かして資金効率UPが可能。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事の時は当選期待度UP。
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カブドットコム証券のIPOルール

では、さっそくカブドットコム証券のIPO取引ルールについて見ていきましょう。抽選編と資金編に分けて紹介していくので、それぞれチェックしてくださいね。

なお、当記事で紹介している内容は、2018年11月19日時点でカブドットコム証券が公開している情報等を基に作成してます。

抽選編

まずはカブドットコム証券の「抽選ルール」から見ていきます。

抽選配分は100%

まず抽選配分とは、証券会社が個人投資家へ配分する株式のうち抽選によって配分する株数の事です。簡単に言ってしまえば、どれぐらい当選本数が有るのか、という事ですね。

で、カブドットコム証券の抽選配分の割合はというと「100%」です。

カブドットコム証券が公表している配分ルール「募集等に係る株券等のお客さまへの配分に係る基本方針」には明記されていませんが、過去の配分状況を見ると全ての株式を抽選にて配分している事から抽選配分100%という結論に至っています

店舗型の証券会社では抽選配分が10%と設定されている所ばかりなので、それらと比較すれば、カブドットコム証券の抽選配分は10倍も多い事になります。ネット証券だからこそできる高配分率なんですね。

抽選方法は完全平等抽選を採用

カブドットコム証券では、需要申告を行った人毎にコンピューターで乱数を割り振り、その数字の小さい順に当選者が決定する完全平等抽選を採用しています。

人為的な影響を受けず、また申込者単位での抽選となるので申込株数によって当選確率が影響を受ける事はありません。また、カブドットコム証券に預けている資産額や取引額は一切考慮されないので、始めてカブドットコム証券からIPOに参加する人も平等な抽選を受けられます。

当選するのは1単元~申込株数も100株でOK~

カブドットコム証券では、当選者に対して1単元(100株)ずつ配分するルールを採用しています。複数単元が当選する事は基本的にありません。

そのため、ブックビルディングに申し込む際は、申込株数を100株にして申し込みましょう。申込株数を多くしても当選確率が高くなる事はありませんし、また1単元しか当選しないのに複数単元の申込をしてその分資金を投入するのは勿体無いですからね。

なお、抽選参加者に1単元ずつ配分し終わってもまだ余りが有る場合には、2単元目の配分が行われます。ただこのような配分が行われるIPO銘柄は、抽選参加者が少ない銘柄、つまり人気の無い銘柄なので、公募割れを起こす可能性が高いです。そうした事からも申込株数は100株で良いと思います。

抽選までに2段階の申込が必要な後期型

カブドットコム証券では、抽選を受ける為に「ブックビルディングの申込」と「購入申込」の2つの申込が必要な後期型を採用しています。

後期型を採用している証券会社は他に3社しかなく、不慣れなためか購入申込を忘れてしまう人もいます。購入申込後に抽選が行われるので、当然手続きをしなかった人は抽選対象外になってしまいます。

2段階制の申込システムが採用されている点には注意してくださいね。逆に言えば、忘れてしまう人が少なからずいるので、当選チャンスが若干高くなると言えますね。

なお、後述しますが、この後期型のシステムには”資金効率UP”というメリットがあります。

抽選結果(当落)は株数で表示

カブドットコム証券では、抽選結果を配分される株数で表示します。

抽選結果の表示内容
  • 当選の場合:100株
  • 落選の場合:0株

他の証券会社と違い、配分が決まった株数での表示となっています。表示内容が「0株」なら配分される株数が無いという事なので落選。一方、表示内容が「100株」なら配分される株数が100株という事なので当選という事になります。

なお、カブドットコム証券は後期型なので補欠当選はありません。

抽選結果の発表時間は、カブドットコム証券における購入申込期間最終日の12時~13時頃です。

ペナルティはなし~当選後の辞退不可~

カブドットコム証券では、当選後のキャンセルが出来ないルールとなっています。当選辞退が出来ないため、それによるペナルティもありません。また、購入申込を忘れた事に対してもペナルティはありません。ただただ抽選対象外となるだけです。

資金編

では、続いてカブドットコム証券の資金ルールについて見ていきましょう。

入金のタイミングはブックビルディング申込時

カブドットコム証券では、ブックビルディング申込時において「必要買付可能額(=申込価格×申込株数)」分の余力が必要です。そのため、基本的にブックビルディングの申込までに入金しておく必要があります。

なお、カブドットコム証券にて株式や投資信託を保有している場合は、それらの評価額が必要買付可能額を上回っていれば、入金しなくてもブックビルディングに申し込むことができます。

ただし、購入申込時には現金余力が必要なので、保有資産を申込時に間に合うように売却するか、現金の入金が必要なる点は注意してください。

資金拘束を受けるタイミングは購入申込時

カブドットコム証券において資金拘束を受けるタイミングは「購入申込時」です。抽選結果が出るまで資金が拘束されます。

そして、抽選結果が出て、落選した場合はその時点で拘束から解放されます。抽選結果が出るのは、購入申込期間最終日の12時~13時頃です。

後期型を活かして資金効率U

カブドットコム証券は購入申込後に抽選が行われる後期型のIPOスケジュールを採用しています。一方、多くの証券会社は購入申込前に抽選を行う前期型のIPOスケジュールを組んでいます。この両者の違いを図にすると以下のようになります。

「前期型」と「後期型」の違い!

上図のように、「前期型の抽選日」と「後期型の抽選日」の間には購入申込期間があります。この期間は基本的にどちらのタイプも同じ日程で組まれます。

この抽選日のタイミングのズレを利用して、証券会社間で資金移動をすれば、資金効率UPを図る事ができます。

具体的な手順は以下の通りです。

カブドットコム証券での資金効率UP手順
  1. カブドットコム証券の口座に入金してブックビルディングの申込を行う(この時点で資金拘束は受けない)
  2. カブドットコム証券から前期型の証券会社へ資金を移動
  3. 前期型の証券会社でブックビルディングを行う
  4. 前期型の抽選結果を確認し落選していればカブドットコム証券へ資金を移動
  5. カブドットコム証券で購入申込を行って抽選を受ける

このような手順で資金を移動させれば、1回の申込に必要な資金で2回抽選を受ける事ができます。もちろん、前期型で当選していれば1回の抽選しか受けられませんが、当選している以上、十分目的は果たせた事になります。

カブドットコム証券は資金効率UPを図れるメリットを兼ね備えているので、特に限られた資金でIPOをしている人にはオススメの証券会社です。

なお、後期型の証券会社は他にも有るので気になる人は以下の記事にまとめているでチェックしてみてくださいね。

前期型との違いを活かせ!IPO後期型の証券会社で資金効率・抽選回数をUP

2018.07.31

カブドットコム証券の主幹事・幹事実績

続いて、カブドットコム証券のIPO取り扱い件数について見てみましょう。

2016年~2018年における主幹事・幹事実績がこちらです。

2016年2017年2018年
主幹事実績0件0件0件
幹事実績18件27件24件
IPO全体件数83件90件90件

主幹事実績はありませんが、幹事実績は見ての通りまずまずの数値を残しています。幹事関与率は毎年20%前後となっており、およそ5件に1件の割合でIPOを取り扱っています。

この幹事実績ですが、実は全て三菱UFJモルガン・スタンレー証券から委託販売を受けたものなんです。裏幹事というやつですね。

カブドットコム証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券は同じ三菱UFJフィナンシャル・グループに属しているので、その関係から三菱UFJモルガン・スタンレー証券が幹事を務めるIPO銘柄においてほぼ100%の割合で裏幹事を務めています。

しかも、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務める銘柄では、かなり多くの株式を委託される傾向があるので、当選のチャンスがグッと高まります。

カブドットコム証券でIPO投資をするなら押さえておくべき知識なので、今回はこれだけでも覚えていってくださいね。

なお、裏幹事は目論見書に記載されないので、取扱に気付きにくいです。そのため、カブドットコム証券の「自動通知サービス」で新規公開株式に関する情報が通知されるように設定しておきましょう。

IPOの裏幹事(委託幹事)とは?裏幹事実績の多い証券会社一覧

2018.08.23

カブドットコム証券の手数料

続いて、カブドットコム証券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介していきます。

なお、口座開設手数料・口座維持費はかかりません

売買手数料

カブドットコム証券では、現物株式取引の売買手数料プランとして1約定毎に手数料が発生するプランが用意されています。

手数料体系は以下の通りです(2018年11月時点、税抜、ネット取引の場合)。

約定金額売買手数料
10万円まで90円
20万円まで180円
50万円まで250円
50万円超約定金額×0.09%+90円
売買手数料の上限額は3,690円。約定金額400万円以上はこの上限額が適用されます。

約定金額50万円までの手数料体系は他社にも引けを取らない水準となっていますが、約定金額50万円超になるとやや割高な設定になっています。たとえば、約定金額10万円の場合と100万円の場合でSBIネオトレード証券と比較してみると以下のようになります。

約定金額カブドットコム証券SBIネオトレード証券
10万円90円80円
100万円990円340円

約定金額10万円では差額が10円ですが、約定金額100万円では差額が約3倍の650円にもなります。少し大きめの取引を行う人は念頭に置いておきましょう。

ただIPO投資においては売買手数料よりも当選する事が大事ですので、あまり気にする事はありません。

なお、他社との手数料を比較したい人は以下の記事で19社の売買手数料を比較しているので参考にしてください。

IPO投資にかかる売買手数料~証券会社の比較一覧表~

2018.10.11

ちなみに、カブドットコムでは以下のような手数料割引が行われています。各割引の併用も可能です。

割引名適用条件割引内容
シニア割引50歳以上2%~4%
女子割女性1%
NISA割NISA開設1%~5%
株主推進割引対象銘柄購入最大50%
株主優待カブコムの株主0.5%~15%
auユーザー割引auユーザー1%

入出金手数料

次に紹介するのは入手金時の振込手数料についてです。

まずはカブドットコム証券の口座への入金方法から見ていきます。4つの入金方法が用意されていますが、そのうち入金が即座に反映されるのは「ネット振込」と「リアルタイム口座振替」の2つです。

いずれの方法もカブドットコム証券のマイページから入金手続きを行います。なお、ネット振込は各金融期間のネットバンキング契約が必要です。また、リアルタイム口座振替はマイページから設定・申込を行う必要があります。

それぞれのサービスに対応した金融機関や振込手数料などがこちらです。

ネット振込

金融機関即時反映手数料
三菱UFJ銀行0:05~19:00無料
じぶん銀行ほぼ24時間無料
ゆうちょ銀行ほぼ24時間無料
ジャパンネット銀行ほぼ24時間50円
三井住友銀行0:05~19:00100円
みずほ銀行0:05~15:00100円~200円
リアルタイム口座振替
対応機関即時反映手数料
三菱UFJ銀行8:00~23:00無料
三井住友銀行8:00~23:00無料

即時入金かつ無料で利用できるサービスに対応している金融機関が少ないのはカブドットコム証券の欠点です。他の証券会社では10行前後の金融機関で同等のサービスを利用できますからね。この点はもう少し柔軟に対応して欲しいところです。

では、続いてカブドットコム証券の口座からの出金方法について見ていきます。

カブドットコム証券では、出金が当日中に反映されます。資金移動がスムーズにできるのは嬉しいポイントです。他の証券会社では即日出金が利用できるのは楽天証券松井証券ぐらいなのでかなりレアなサービスと言えます。

ちなみに、楽天証券及び松井証券の出金サービスは即時反映となっています。カブドットコム証券では”当日中“に反映となっており、即時ではない点に注意してください。

即時出金サービスを利用できる金融機関や手数料、対応時間などがこちらです(ゆうちょ銀行は即時出金に対応していません。最短で翌営業日の反映となります)。

金融機関手数料当日反映
三菱UFJ銀行無料18:30まで *
中京銀行
イオン銀行
じぶん銀行
池田泉州銀行
無料13:30まで
上記以外100円13:30まで
* カブドットコム支店以外は15:30までとなっています。

カブドットコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループも一員なので、入出金共に三菱UFJ銀行が利用しやすい内容になっていますね。出金手続きで手数料を取られるのも馬鹿らしいので、三菱UFJ銀行又はじぶん銀行から入出金手続きをするようにしましょう。

NISA・ジュニアNISA共にIPO投資が可能

カブドットコム証券ではIPOがNISA口座・ジュニアNISA口座の取扱商品に含まれています。NISAの非課税枠を利用して、IPOを申し込めるのは嬉しいポイントですね。IPOは売却益が大きくなりやすいですからね。

また、NISA・ジュニアNISAにおけるIPOを含めた国内株式の売買手数料は無料です。

カブドットコム証券でIPO以外の取引も行う事を考えている人は、NISA口座の開設を検討してみましょう。

カブドットコム証券でIPOに当たらない・・・という人へ

カブドットコム証券でIPOになかなか当たらない・・・という人は、配分株数が多いIPO銘柄に絞ってブックビルディングに参加してみてはいかがでしょうか?「配分株数が多い=当選人数が多い」という事になりますからね。

では、どういったIPO銘柄か?というと、それは三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めるIPOです。主幹事となればIPO全体の8割~9割の株数を引き受けるので、委託先であるカブドットコム証券にもより多くの株式が割り当てられる事になるからです。

2018年(1月~8月)におけるカブドットコム証券での配分株数の状況を見てみましょう(参考:日本証券業協会)。

銘柄配分株数主幹事 *
チームスピリット100株
MTG800株
プロパティデータバンク1,700株
国際紙パルプ商事2,000株
コーア商事1,900株
メルカリ10,000株
ラクスル1,500株
HEROZ100株
キュービーネット31,000株
SOU400株
日総工産700株
* 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めたIPO銘柄に「○」を付けています。

このように、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めている銘柄では、カブドットコム証券の配分株数が多くなっている事が分かります。逆に、主幹事以外の銘柄は配分株数がかなり少ない事も分かります。

そのため、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めている銘柄に絞ってブックビルディングに参加してみましょう。

特に投資資金が限られている人は、狙いを絞ってブックビルディングに参加する事が当選確率を高める上で重要なポイントになるので参考にしてください。

カブドットコム証券のIPOルールまとめ

今回はカブドットコム証券のIPOルールについて紹介しました。

カブドットコム証券では、完全平等抽選100%かつ当選単元は1単元の抽選方法を採用しています。抽選に参加した人の多くに当選チャンスがあるルールと言えます。特に三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めるIPOでは、配分株数が多くなるので、積極的に狙っていくようにしましょう。

最後にカブドットコム証券のIPOルールの特徴点をまとめておくのでチェックしておいてくださいね。

カブドットコム証券のIPOルールの特徴
  • 抽選配分100%
  • 通線方法は完全平等抽選
  • 後期型を活かして資金効率UPが可能
  • 入金時期はBB時・資金拘束時期は購入申込時
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事の時はチャンスUP
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