【丸三証券】IPOルールを解説~当選するために正しい抽選方法や資金ルールを把握しておこう~

丸三証券のIPOルール

IPOの幹事一覧で「丸三証券」を発見して「この証券会社はどんなIPOルールを採用しているのかな?」と気になっているのではないでしょうか?

当選しやすそうなIPOルールだったら口座開設してみようかな、と考えている人もいるかもしれませんね。

そこで今回は、丸三証券のIPO取引ルール(抽選方法・資金関係)や幹事実績、手数料などを余す事無く紹介していきたいと思います。

なお、以下に丸三証券のIPOルールなどをまとめていますので、ササッとポイントだけ押さえたいという人は利用してくださいね。

証券会社 丸三証券
抽選配分 100% 抽選時資金 必要
抽選方法 完全平等抽選
ステージ抽選
入金時期 抽選まで
ペナルティ なし 資金拘束 抽選実施時
抽選結果 当選・補欠 同一資金 可能
発表時間 19時以降 口座開設数 不明
主幹事実績 2016年 2017年 2018年
0件 0件 0件
幹事実績 9件 10件 9件
売買手数料
(一日コース)
10万円 20万円 30万円
240円 240円 240円
40万円 50万円 100万円
320円 400円 800円
即時入金 三菱UFJ銀行・三井住友銀行 他3行
NISAでIPO NISA口座のみ可能
コメント 完全平等抽選が行われるかどうかの見極めが重要!抽選結果に“落選”が無いので補欠当選に対して過度な期待は禁物
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丸三証券のIPOルール

では、さっそく丸三証券のIPO取引ルールについて見ていきましょう。抽選編と資金編に分けて紹介していくので、それぞれチェックしてくださいね。

なお、当記事で紹介している内容は、2018年12月4日時点で丸三証券が公開している情報等を基に作成してます。

抽選編

まずは丸三証券の「抽選ルール」から見ていきます。

抽選方法は「完全平等抽選」と「ステージ抽選」を採用

丸三証券では、抽選方法として「完全平等抽選」と「ステージ抽選」の2つの方法が採用されています。

抽選方法の概要
  • 完全平等抽選:誰もが同一の当選確率となる抽選
  • ステージ抽選:資産等により当選確率が変動する抽選

完全平等抽選では、コンピューターにより一律の抽選が行われ、預けている資産等に関係なく抽選参加者全員が同一の当選確率となる抽選が行われます。また、申込者単位で抽選が行われるので、申込株数等も当選確率に影響する事はありません。

一方、ステージ抽選では、預けている資産や手数料実績により当選確率が変動する抽選が行われます。ステージは3つあり、それぞれの基準と優遇される抽選内容は以下の通りです(マルサントレードの場合)。

丸三証券のステージ抽選の概要(出典:丸三証券

手数料の計算期間は「3月~8月」及び「9月~2月」です。適用されるのは、それぞれ「10月から半年間」「4月から半年間」となっています。

抽選の順序は、完全平等抽選が先に行われ、その抽選で落選した人を対象にステージ抽選が行われます。

ただし、完全平等抽選の対象となる株数が5単元に満たない場合は、完全平等抽選は行われず、全ての株数がステージ抽選の対象となります。

ステージ抽選のみが行われるIPO銘柄では、優遇を受けられない人の当選確率はかなり低くなるでしょう。当選確率を優遇するためにほとんどの株数をステージA及びBに割り振る事になりますからね。

なお、丸三証券に割り当てられる株数がかなり少なくなる裏幹事などの場合には、抽選による配分が行われず、裁量による配分が行われます。

抽選配分は100%

抽選配分とは、文字通り、抽選によってIPO株を配分する事です。丸三証券における抽選配分割合は100%となっています。ただし、抽選方法が2つあり、完全平等抽選の対象となる株数によってそれぞれの抽選配分割合が異なってきます。

完全平等抽選の対象となる株数が5単元以上の場合
  • 完全平等抽選:10%
  • ステージ抽選:90%
完全平等抽選の対象となる株数が5単元未満の場合
  • 完全平等抽選:0%
  • ステージ抽選:100%

「完全平等抽選の対象となる株数が5単元以上・未満の場合」とは、丸三証券の引受株数から機関投資家等への割り当て分を差し引き、残りの株数の10%が5単元以上か未満かという事です。

機関投資家への割り当て分は概ね1割前後(銘柄によっては2割・3割となる事もあります)なので、丸三証券の引受株数が5,500株~6,000株を超える銘柄で2つの抽選方法による配分が行われ、丸三証券の引受株数が5,500株~6,000株を超えない銘柄でステージ抽選のみの配分が行われます。

ステージ抽選の優遇を受けられない人は、丸三証券の引受株数がチェックポイントになってきますね。なお、引受株数は目論見書(仮条件決定後に公表される第一回訂正分)に記載されるので確認するようにしてくださいね。

IPOでは目論見書のここを閲覧すべし!チェックすべき9つの項目とその見方

2018.03.12

完全平等抽選で当選するのは1単元~申込株数も100株でOK~

当選数量も抽選方法によって異なります。

  • 完全平等抽選:当選するのは1単元のみ
  • ステージ抽選:複数単元が当選する可能性アリ

完全平等抽選に関しては、丸三証券の取扱ルールに「複数単元のお申込をされていましても最低単元の配分となります。」と記載されているので、当選するのは1単元のみとなります。そのため、申込株数も1単元でOKです。申込株数によって当選確率が変わる事もありませんからね。

一方、ステージ抽選に関しては、上記のようなルールは規定されていないので、複数単元が当選する可能性があります。ステージ抽選で複数単元を狙う人は、申込株数を複数単元にしてみましょう。

抽選結果は当選と補欠の2パターン~落選はなし~

丸三証券では、抽選結果の表示内容が以下の2パターンになっています。

抽選結果の表示内容
  • 当選
  • 補欠当選
抽選結果が発表されるのは、公開価格決定日の19時以降です。

落選が無いので、当選者以外は全員が補欠当選となります。補欠当選の人数が多い事から、補欠からの繰上当選はかなり厳しいという印象です。

IPOに補欠当選した時の判断ポイント!~繰上当選を狙うべきか購入申込を辞退すべきか~

2018.10.10

当選辞退に対するペナルティなし

丸三証券では、当選辞退に対するペナルティはありません。購入申込を忘れた場合も同様です。

公募割れのリスクを回避したい場合や急な事情でお金が必要になった場合などでも安心して当選辞退をする事ができます。

なお、補欠当選で購入辞退をしてもペナルティはないので安心してください。

資金編

では、続いて丸三証券の資金ルールについて見ていきましょう。

入金のタイミングは抽選まで

丸三証券の入金タイミングは「抽選まで」です。ブックビルディング申込時に入金する必要はありません。

抽選が行われるのは開価格決定日です。ギリギリに入金すると余力不足により抽選対象外となってしまうので、ブックビルディング最終日には入金しておくようにしましょう。

資金拘束を受けるタイミングは抽選実施時

資金拘束を受けるタイミングは「抽選実施時」です。抽選結果が出ても資金拘束は継続されます。

補欠当選で繰上当選を狙わない場合は、資金拘束を解くために必ず購入辞退をするようにしましょう。購入辞退後、すぐに資金拘束から開放されます。

なお、繰上当選を狙う場合は、購入申込機関最終日(又はその翌営業日)まで資金が拘束され、落選となれば開放されます。

同一資金での複数銘柄への申込可能~同一日抽選は不可~

丸三証券では抽選申込時点で資金拘束を受けないので、ブックビルディング期間が重なっている複数の銘柄の抽選に同一資金で申し込む事ができます

事例
A銘柄(必要資金20万円)とB銘柄(必要資金30万円)の銘柄があった場合、B銘柄の申込に必要な30万円を口座に入金すれば、その資金でA銘柄・B銘柄の両方に申込ができます(50万円を入金する必要はありません)。

このように必要資金が最大である銘柄の資金だけ入金しておけば、その他の銘柄の抽選も受けられるので資金効率をUPさせる事ができます。

ただし、同一日抽選の銘柄に対しては上記方法を利用する事ができません。抽選実施時に資金拘束を受けるので、買付余力不足となった銘柄は抽選対象外となるからです。

そのため、同一日抽選の複数銘柄に申し込む場合は、全ての銘柄が抽選対象となるように資金を用意するようにしましょう。

丸三証券のIPO主幹事・幹事実績

続いて、丸三証券のIPO取り扱い件数について見てみましょう。

2016年~2018年における主幹事・幹事実績がこちらです。

2016年2017年2018年
主幹事実績0件0件0件
幹事実績9件10件9件
IPO全体件数83件90件90件

幹事関与率は10%弱となっており、多くのIPOを取り扱っている証券会社ではありません。しかし、ここ3年間は毎年10件ほどの幹事を安定して務めているので、これから先も同数以上のIPO取扱件数をキープすると思います。

丸三証券でIPOの抽選を受ける機会はそこそこあるので、興味のある人は口座開設を検討してみてくださいね。

丸三証券の手数料

続いて、丸三証券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介していきます。

なお、口座開設手数料・口座維持費はかかりません。

売買手数料

丸三証券では、現物株式取引の売買手数料プランとして「一日コース」と「銘柄コース」の2つのプランが用意されています。

手数料プランの内容
  • 一日コース:1日の約定金額の合計額に対して手数料が発生
  • 銘柄コース:同一日・同一銘柄・同一取引種類(*)の約定金額合計に対して手数料が発生
* 同一取引種類とは、6種類あり、現物買い・現物売り・信用新規買い・信用新規売り・信用返済売り・信用返済買いを指します。

それぞれの手数料体系は以下の通りです(2018年12月時点、税抜、オンライントレード・インターネット注文の場合)。

一日コース

約定金額合計売買手数料
30万円まで240円
5,000万円まで0.08%
5,000万円超40,000円

銘柄コース

約定金額合計売買手数料
20万円まで200円
500万円まで0.1%
500万円超5,000円

おおまかに言うと、少額で単発の取引や様々な銘柄の取引を行う場合は「一日コース」がお得で、高額で単発の取引や同じ銘柄の取引を行う場合は「銘柄コース」がお得です。なお、手数料コースは毎日変更出来ます。

IPO投資は少額で単発の取引となるので、IPOをメインに考えている人は「一日コース」を選択しておくと良いでしょう。なお、それぞれのコースの約定金額100万円までの手数料がこちらです。

約定金額一日コース銘柄コース
10万円240円200円
20万円240円200円
30万円240円300円
40万円320円400円
50万円400円500円
100万円800円1,000円

銘柄コースの方がお得な約定金額もありますが、トータルで考えれば一日コースの方がお得になります。

なお、インターネットから丸三証券「マルサントレード」の口座開設を行った人は、口座開設後2ヶ月間の株式手数料が無料になります。なお、当該キャンペーンは開催期間が設定されていません。

入出金手数料

次に紹介するのは入出金時の振込手数料についてです。

まずは丸三証券の口座へ入金する際の「入金方法」と「それぞれの振込手数料」及び「入金が反映される時間」について見ていきます。

入金方法手数料反映時間
即時入金サービス無料即時
銀行振込負担半日程度
FTネット *無料1、2営業日
* FTネットはゆうちょ銀行口座しか利用できません。

3つの入金方法がありますが、オススメなのは「即時入金サービス」です。手数料無料でしかも入金が口座に即時反映されます。

即時入金サービスを利用できる金融機関は以下の通りです(各金融機関のネットバンキング契約が必要)。

  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行
  • みずほ銀行
  • ジャパンネット銀行
  • 楽天銀行

振込手数料や機動性の事を考えると即時入金サービスは必須です。上記金融機関のいずれかの口座は開設しておきましょう。


では、丸三証券の口座から出金する方法について紹介します。

出金する方法は1つで、オンライントレード画面などから出金指示を行います。手数料は無料。出金が反映される時間は以下の通りです。

  • 15時30分まで:翌営業日中に反映
  • 15時30分以降:翌々営業日中に反映(土日祝日の出金指示含む)

このように登録した銀行口座へ出金が反映されるまでにある程度の時間を要するので、そうした事を踏まえて、資金移動計画を立てるようにしましょう。

IPOの買い付けができるのはNISA口座のみ~ジュニアNISAは不可~

丸三証券では、NISA口座及びジュニアNISA口座を開設できますが、IPOの買付けができるのはNISA口座のみとなっています。

ジュニアNISA口座からの買付けはできないので、口座開設を検討している人は注意してくださいね。

丸三証券でIPOに当たらない・・・という人へ

「丸三証券でなぜIPOに当たらないの?」と疑問を持っている人もいるかもしれません。その疑問に対する答えは、丸三証券が採用している「抽選方法」にあります。

丸三証券では「完全平等抽選」と「ステージ抽選」の2つが採用されていますが、紹介したように完全平等抽選が行われない銘柄もあるんです。しかもそんな銘柄がけっこう多い・・・。

ステージ抽選では、優遇を受けられない人が当選しにくいシステムになっているので、IPOが当たらない事に対して疑問を抱く人が出てくるんですね。

こうした事から丸三証券が取り扱うIPO全てに申し込むのは非効率と言えます。完全平等抽選が行われない銘柄では、他の証券会社から申し込んだ方が良いでしょう。

ネット証券では完全平等抽選100%の証券会社もけっこうあるので、丸三証券から申し込むより当選に期待が持てます。丸三証券に固執せずに、銘柄毎に当選しやすい証券会社を選択してIPOの抽選に参加するようにしてくださいね。

IPOにおすすめのネット証券ランキング~幹事実績・抽選方法などを徹底比較~

2018.10.24

丸三証券のIPOルールまとめ

今回は丸三証券のIPOルールなどについて紹介しました。

2つの抽選方法が採用されていたり、同一資金での申込が可能であったり、特徴のあるIPOルールを採用しています。丸三証券でIPO投資を始める人はこうしたIPOルールをしっかりと把握しておきましょう。

最後に丸三証券のIPOルールの特徴点をまとめておくのでチェックしておいてくださいね。

丸三証券のIPOルールの特徴点
  • 抽選方法は「完全平等抽選」と「ステージ抽選」を採用
  • 抽選配分100%
  • 当選辞退に対するペナルティなし
  • 入金のタイミングは抽選まで
  • 資金拘束のタイミングは抽選実施時
  • 同一資金で複数銘柄への抽選に参加可能(同一抽選日は不可)
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