SBI証券の口座を既に持っている人もまだ口座を持っていない人もSBI証券のIPOルールはしっかりと把握できていますか?
「どのような抽選方法だったかな?」
「入金期限はいつまでだったっけ?」
「IPOチャレンジポイントって何?」
けっこう曖昧になってしまっている人は多いと思います。
主幹事・幹事が豊富なSBI証券ですから、IPO投資をしていく中で頻繁に利用する事になります。IPOルールが曖昧だとSBI証券の特徴を活かしきれない事にも成りかねません。
そこで今回は、SBI証券のIPOの取引ルール(抽選・資金関係)や幹事実績、手数料などを余す事無く紹介していきたいと思います。
なお、以下にSBI証券のIPOルールなどをまとめていますので、ササッとポイントだけ押さえたいという人は利用してくださいね。
証券会社 | SBI証券 | ||
---|---|---|---|
抽選配分 | 40%~50% | 抽選時資金 | 必要 |
抽選方法 | 資金比例 | 入金時期 | BB時 |
ペナルティ | 無し | 資金拘束 | 当選時 |
抽選結果 | 当選・補欠・落選 | 同一資金 | 可能 |
発表時間 | 18時以降 | 口座開設数 | 426万 |
主幹事実績 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
13件 | 8件 | 11件 | |
幹事実績 | 75件 | 83件 | 86件 |
売買手数料 (1注文毎) |
10万円 | 20万円 | 30万円 |
90円 | 105円 | 250円 | |
40万円 | 50万円 | 100万円 | |
250円 | 250円 | 487円 | |
即時入金 | 三菱UFJ銀行・三井住友銀行 他11行 | ||
NISAでIPO | NISA・ジュニアNISA共に可能 | ||
コメント | 業界TOPクラスの実績。いつか必ず当選する「IPOチャレンジポイント」は破壊力抜群。 |
SBI証券でIPO投資をするには口座開設が必要です。開設手続自体は5分程度で完了します。以下に口座開設ページのリンクを用意しているので利用してください。
SBI証券のIPOルール
では、さっそくSBI証券のIPO取引ルールについて見ていきましょう。抽選編と資金編に分けて紹介していくので、それぞれチェックしてくださいね。
抽選編
まずはSBI証券の抽選関連のルールから見ていきます。
抽選方法は資金比例抽選を採用~IPOチャレンジポイントによる配分も~
SBI証券では以下の2つの方法によりIPO株の配分を行っています。
- 資金比例抽選
- IPOチャレンジポイント
資金比例抽選とは、申込単元(1単元100株)毎に抽選番号が付与され、その抽選番号を対象に抽選が行われる方法です。つまり、申込単元に比例して当選確率が高くなる方法が採用されています。投資資金が豊富な人ほど有利になる方法です。
たとえば、1単元の申込をした人は1個の抽選番号を付与され、100単元の申込をした人は100個も抽選番号を付与される事になります。
申し込める株数の上限は一応設定されていますが、有って無いようなものです。その上限というのが「公募・売出し株数の合計(オーバーアロットメント分は含まず)」。
このように投資資金が潤沢な人ほど有利になる抽選方法ですが、一個人の当選確率だけで考えれば、申込単元を1単元より2単元、2単元より3単元にした方が当選しやすくなるので、なるべく申込株数は多くした方が良いでしょう。
では、もう1つの配分方法「IPOチャレンジポイント」について見ていきます。
IPOチャレンジポイントとは、落選毎に1ポイントが付与され、貯めたポイントを使用してブックビルディングに参加する事でIPO株の配分を受けられるSBI証券独自のポイント制度です(ポイントを使用せずにBBする事も可能)。
使用したポイント数が多い順に当選者が決定されるので、さきほどの資金比例抽選とは違い、誰もがIPOに当選するチャンスを得られます。また、ポイントを貯めていく事でいつか必ずIPOに当選する事ができる制度です。投資資金が少ない人にも当選チャンスが巡ってくるのでコツコツとSBI証券のブックビルディングに参加していくようにしましょう。
なお、以下の記事で、IPOチャレンジポイントの概要も含め、使い方や使いドコロ、注意点などについて詳細に解説しているので参考にしてください。
抽選配分は40%~50%
SBI証券では引き受けた株式の40%~50%が抽選配分へ回されます。各IPO銘柄の需給状況によって前後しますが、概ねこの割合に収まる事が多いです。
たとえば、あるIPO銘柄でSBI証券が10万株引き受けた場合には、その40%~50%である4万株~5万株が抽選対象となる株数になります。
“抽選”という単語を用いていますが、IPOチャレンジポイントによる配分もここに含まれます。
内訳は「資金比例抽選:IPOチャレンジポイント=7:3」です。さきほどの例を用いると、4万株~5万株の7割である2.8万株~3.5万株が資金比例抽選の対象となり、1.2万株~1.5万株がIPOチャレンジポイントによる配分対象となります。
複数単元が当選する可能性あり~申込株数は多めが良い~
SBI証券には「当選単元を1人1単元まで」というルールはありません。そのため、複数単元が当選する可能性もあります。
ただし、当選数量に上限を設ける規則はあります。
一のお客様への当選数量には、上限を設けるものといたします。
そのため、当選数量の上限が1単元であれば複数単元の当選はありませんし、上限が3単元なら複数単元の当選は有り得ます。ちなみに、当選数量の上限は非公開です。
過去の配分状況を見てみると、SBI証券の引受株数が多いIPO、つまり主幹事を務めたIPOや公開株数が多いIPOにおいて複数単元の配分が行われています(主幹事を務めた全ての銘柄で複数当選が有ったわけではありません)。
なので、SBI証券が主幹事を務めるIPOなどでは複数単元の当選に期待が持てます。
また、SBI証券では資金比例抽選が行われるので、当選確率を上げるためにも申込株数は多めにしておきましょう。
抽選結果は「当選」「補欠」「落選」の3パターン
SBI証券では、抽選結果の表示内容は以下の3パターンです。
- 当選
- 補欠当選
- 落選
当選した人は、抽選日後に設けられている購入申込期間中に購入申込手続きを行いましょう。購入申込を行わなければ、当選辞退扱いとなるので注意してください。
また、補欠当選した人は、購入申込をする事によって繰上抽選の対象となれます。ただ状況によって購入申込をするか、しないかという判断は変わってくるので、以下の記事を参考に補欠当選時の判断をするようにしてください。
当選辞退によるペナルティなし
SBI証券では当選辞退をしても辞退者に対してペナルティが課される事はありません(購入申込を忘れた場合も同様)。
「IPOに申し込めなくなる」とか「その後当選しにくくなる」など、当選辞退によって悪影響を受ける事はないので、公募割れしそうなら何も気にせず当選を辞退しても大丈夫です。
資金編
では、続いてSBI証券の資金ルールについて見ていきます。
発行価格決定日の18時までに入金
SBI証券では発行価格決定日の18時以降に買付余力の確認が行われ、余力がある人を対象に抽選が行われます。
そのため、入金期限は「公開価格決定日の18時まで」となります。ブックビルディングに申し込む時点で入金する必要はありません。
入金が間に合わなければ抽選対象外となってしまうので、余裕をもって手続きを行ってくださいね。
資金拘束のタイミングは当選時
資金拘束のタイミングは「当選時」です。公開価格決定日の18時以降に抽選が行われるので、当選していればそのタイミングで資金が拘束される事になります。なお、補欠当選者も同じタイミングで資金拘束を受けます。
そして、拘束を受けた資金が解放されるタイミングは以下の通りです。
抽選結果 | 意思表示 | 解放時期 |
---|---|---|
当選 | 当選辞退 | 辞退後すぐ |
当選辞退せず (購入申込忘れも含む) | 購入申込期間最終日の12時 | |
補欠当選 | 補欠辞退 | 辞退後すぐ |
購入申込せず (購入申込忘れも含む) | 購入申込期間最終日の12時 | |
購入申込後、繰上当選ならず | 購入申込期間最終日の12時 |
SBI証券では補欠当選者も資金拘束を受けます。繰上当選を狙わない場合でも、意思表示を行わなければ購入申込期間最終日まで無駄に資金拘束を受ける事になります。他のIPO銘柄の抽選において余力不足となる恐れもあるので、意思表示はなるべく早く行うようにしましょう。
同一資金で複数銘柄への申込も可能!ただし・・・
SBI証券では資金拘束を受けるタイミングが「当選時」となっているので、当選しない限り、買付余力が減る事はありません。
そのため、複数の銘柄のブックビルディング期間が重なっていても同一資金で複数銘柄の抽選を受ける事ができます。
このように必要資金が最大である銘柄の資金だけ入金しておけば、その他の銘柄の抽選も受けられるので資金効率をUPさせる事ができます。
ただし、当選した場合には資金拘束によって他の銘柄の買付余力が不足する事態が発生します。抽選日がズレていれば期限までに入金する事によって抽選対象となれますが、抽選日が同一日の場合は入金期限が過ぎているのでどうする事もできません。
もちろん、同一日抽選でも抽選の順番が最後の銘柄が当選すれば、何も問題はありません。しかし、どの銘柄が当選するかは分かりませんので、同一日抽選の複数銘柄に対してこの方法を利用する場合は注意してくださいね。全ての銘柄が抽選対象となるように資金を用意しておくのが一番の安全策となります。
ちなみに、SBI証券では同一日抽選の順番を以下のようなルールで決めています。
- 発行決議日順
- ブックビルディング開始日順
- 上場日順
- 銘柄コード順
SBI証券のIPO主幹事・幹事実績
続いて、SBI証券のIPO取り扱い件数について見てみましょう。
2016年~2018年における主幹事・幹事実績がこちらです。
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
---|---|---|---|
主幹事実績 | 13件 | 8件 | 11件 |
幹事実績 | 75件 | 83件 | 86件 |
IPO全体件数 | 83件 | 90件 | 90件 |
ネット証券の中でこれだけ安定して主幹事を務めているのはSBI証券だけです。店舗型証券を含めても、大手4社(野村証券・SMBC日興証券・大和証券・みずほ証券)に次いて実績が多い証券会社です。
主幹事証券はIPOの8割~9割ほどの株数を割り当てられるので、その分当選人数も多くなります。主幹事を務める事が多いSBI証券は、IPO投資において欠かせない証券会社です。
また、幹事実績においては店舗型の証券会社を含めてもNO1の引受実績を誇っています。毎年IPO全体の9割近くの銘柄で幹事を務めています。2018年に至っては引受割合約94%。これは驚異的な数値です。
主幹事実績及び幹事実績が豊富なSBI証券は、それだけで持っておくべき証券会社と言えるでしょう。
SBI証券の手数料
続いて、SBI証券の「売買手数料」と「入出金手数料」について紹介していきます。
売買手数料
SBI証券では、「スタンダードプラン」と「アクティブプラン」の2つが現物株式の売買手数料プランとして用意されています(ネット取引の場合)。
- スタンダードプラン:1注文毎の約定金額に対して手数料が発生
- アクティブプラン:1日の約定金額合計に対して手数料が発生
それぞれの手数料体系は以下の通りです(2021年2月時点、税抜)。
■スタンダードプラン(現物取引)
約定金額 | 売買手数料 |
---|---|
5万円まで | 50円 |
10万円まで | 90円 |
20万円まで | 105円 |
50万円まで | 250円 |
100万円まで | 487円 |
150万円まで | 582円 |
3,000万円まで | 921円 |
3,000万円超 | 973円 |
なお、現金交換先の口座を住信SBIネット銀行に指定すると、交換手数料が無料になり、交換レートが「1ポイント=0.85円」になります(その他の金融機関だと165円の交換手数料が発生し、交換レートが「1ポイント=0.8円」)。
■アクティブプラン(現物取引)
1日の約定金額合計 | 売買手数料 |
---|---|
100万円まで | 0円 |
200万円まで | 1,162円 |
以降100万円増加毎に | 400円増加 |
いずれのプランも業界TOPクラスの手数料水準となっています。売買手数料はなるべく安い方が良いですからこれは嬉しいですね。
プランの選択においては、1日の取引量(金額・回数)に応じて決定すれば良いでしょう。頻繁に取引をしない人は「スタンダードプラン」を、逆に1日に何回も取引をする人は「アクティブプラン」を選択するのが基本路線となります。
SBI証券ではIPO投資しかしない人は「スタンダードプラン」がオススメです。1銘柄につき1回の取引(売却)しか行いませんからね。
ちなみに、アクティブプランの「約定金額10万円までは0円」がお得に感じる人もいると思いますが、IPO投資において初値売り時の約定金額が10万円以内になる銘柄はあまりありません。2017年~2018年に上場した銘柄だとその割合は約4%。そうした事からもスタンダードプランを選択しておいて損は無いでしょう。
入出金手数料
次に紹介するのは入手金時の振込手数料についてです。
まずはSBI証券の口座へ入金する際の「入金方法」と「それぞれの振込手数料」及び「入金が即時反映されるか否か」について見ていきます。
入金方法 | 手数料 | 即時反映かどうか |
---|---|---|
即時入金 | 無料 | ○ |
リアルタイム入金 | 無料 | ○ *1 |
銀行振込 | 負担 | ☓ |
振替入金 | 無料 | ☓ |
SBI証券では入金方法が5つ用意されていますが、その中でも24時間(メンテナンス時間を除く)いつでも入金が即時反映され、振込手数料が無料である「即時入金」がオススメです。
即時入金のサービスに対応している金融機関は以下の通りです(ネットバンキングの契約が必要)。
- 住信SBIネット銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
- 近畿大阪銀行
- 楽天銀行
- ジャパンネット銀行
- ゆうちょ銀行
- セブン銀行
- スルガ銀行
- イオン銀行
IPO投資では資金移動を頻繁に行うので、上記の銀行口座を持っていない人は、即時入金サービスを利用するためにいずれかの銀行口座を開設しておきましょう。
では続いて、SBI証券の口座からの出金についてです。出金方法は2つあり、それぞれの振込手数料と出金が反映される時間をまとめておきます。
出金方法 | 手数料 | 反映時間 |
---|---|---|
インターネット *1 | 無料 | 15:30までは翌営業日 15:30以降は翌々営業日 |
インターネットによる出金方法が手数料無料となっているので、基本的にはこちらを利用する事になりますが、出金が振込先銀行口座に反映されるのは最短でも翌営業日になっている点は気を注意してくださいね。
NISA口座・ジュニアNISA口座共にIPOの申込が可能
SBI証券では、NISA口座・ジュニアNISA口座の取扱商品にIPOも含まれます。売却益が大きくなりやすいIPOをNISAの非課税枠で申し込めるのは嬉しいポイントです。また、IPOを含めた国内株式の売買手数料が0円になる点もSBI証券の良いところです。
もちろん、IPOでNISAの非課税枠を利用するには当選する事が大前提となりますが、SBI証券は主幹事実績・幹事実績が豊富であり、また抽選配分も高いのでそのチャンスは有ると思います。特に、SBI証券に資金を集中できる人は、資金比例抽選を活かせるので、SBI証券でのNISA口座開設をオススメします。
SBI証券でIPOに当たらないという人へ
SBI証券でIPOに当たらない・・・と悩んでいる人は、もしかしたら資金比例抽選の罠に掛かってしまっているかもしれません。
当記事でも「SBI証券では申込単元を増やすほど当選確率が高くなるのでなるべく申込株数は多めにしましょう!」と紹介しました。
これは決して間違ってはいないのですが、「いくら資金を用意できるのか」という点を考慮する必要があります。
たとえば、あなたを含めて抽選参加者が10人いたとしましょう。あなただけが2口の申込をすれば、当然あなたの当選確率だけが高くなります。しかし、他の人が50口や100口などの大量の申込をすれば、全く歯が立ちません。
実際にSBI証券ではこうした事が起こっているんです。少額投資家にはかなり厳しいと言わざるを得ません。
では、いくら資金を用意すれば良いのか?という事ですが、SBI証券で頻繁に当選するには5,000万円~1億円は必要になるのではないかなと思います(あくまで個人的予想です)。数百万円程度では当選を1度するのにもかなりの申込回数を重ねる必要があるでしょう。
SBI証券でIPOが当たらない・・・と悩んでいる人は、当選ラインに乗ってくるほど資金を用意できていない事になります。
なので、ここは資金比例抽選に拘らず、申込株数を100株にしてSBI証券ではIPOチャレンジポイントを貯める事に切り替えてみましょう。そして、SBI証券に集中していた資金を他の証券会社での申込に振り分けるようにしてください。
他の証券会社の多くは、申込者単位での抽選を行っているので申込資金が当選確率に影響を与える事はありません。平等な抽選を受ける回数を増やして、当選確率を上げる工夫をしてみてくださいね。
SBI証券IPOルールまとめ
今回はSBI証券のIPOルールなどについて紹介しました。
主幹事・幹事実績が業界TOPクラスのSBI証券。それだけでかなり魅力的な証券会社ですが、独特なIPOルールを採用している点も大きな魅力の1つです。特にIPOチャレンジポイントは、SBI証券の代名詞みたいな存在です。いつか必ず当選するポイント制度を用意しているのはSBI証券だけですからね。
IPO投資をする上では欠かせない証券会社なので、まだ口座を持っていない人は口座開設を是非検討してください。IPOチャレンジポイントの事を考えたら早く開設した方が有利ですからね。
最後にSBI証券のIPOルールの特徴点をまとめておくのでチェックしておいてくださいね。
- 抽選方法は「資金比例抽選」と「IPOチャレンジポイントによる配分」
- 抽選配分は40%~50%
- 業界TOPクラスの主幹事・幹事実績
- 入金期限は「公開価格決定日」、資金拘束時期は「当選時」
- 同一資金での複数銘柄への申込で資金効率UP