(出典:グッドスピード)
グッドスピードの新規上場が決定!東海東京証券を主幹事としてマザーズ市場へのIPOとなります。吸収金額は7.7億円です。
なお、グッドスピードの初値予想は以下の通りです(想定価格は1,210円、仮条件は4月5日に決定)。
では、グッドスピードのIPO情報について見ていきましょう。
グッドスピードのIPO情報
銘柄 | グッドスピード(HPはこちら) |
---|---|
証券コード | 7676 |
上場承認日 | 3月22日 |
上場日 | 4月25日 |
上場市場 | マザーズ |
単位株 | 100株 |
設立年 | 2003年 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | SUVを中心とした自動車販売及びその附帯業務(買取、整備及び板金、保険代理店、レンタカー事業) |
想定価格 | 1,210円 |
仮条件 | 4月5日決定 |
公開価格 | 4月16日決定 |
公開株数 | 632,500株 |
公募株数 | 550,000株 |
売出株数 | 0株 |
オーバーアロットメント | 82,500株 |
吸収金額 | 7.7億円(想定価格ベース) |
発行済株式総数 (上場時) |
1,450,000株 |
時価総額 | 17.5億円(想定価格ベース) |
抽選申込期間 | 4月9日~4月15日 |
幹事証券 | 東海東京証券【主幹事】 大和証券【オススメ】 SBI証券【オススメ】 エース証券 安藤証券 丸三証券 岩井コスモ証券 |
【事業内容】SUVに特化した中古車販売
グッドスピードは、東海4県(愛知・静岡・三重・岐阜)で中古車販売及びその附帯事業を営む企業です。
中古車販売の特徴は、取扱車種をSUVに絞っている点です(一部ミニバンも取り扱っています)。SUVに特化する事で、「SUVならグッドスピード」というブランドイメージを築き上げる戦略のようですね。
また、中古車販売だけでなく、その附帯業務も行っています。主な業務は以下の通りです。
- 自動車買取
- 整備・板金
- 保険代理店
- レンタカー
なお、自動車買取を含めた自動車販売関連業務とその他の業務の売上構成は以下の通りです。
(出典:有価証券届出書「第二部【企業情報】 第2【事業の状況 】 3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】」)
自動車販売がメイン業務となっている事が分かりますね。
このように、グッドスピードは中古車販売事業を営んでいる企業となっています。SUVに特化している点を除けば、よくある中古車事業です。そのため、IPOとしてはあまり人気化しにくい案件となっています。
では、その他のIPO情報について見ていきましょう。
【株価情報】想定価格は1,210円!仮条件は4月5日に決定!!
想定価格 | 1,210円 |
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仮条件 | 4月5日に決定 |
公開価格 | 4月16日に決定 |
初値(騰落率) | 4月25日以降に決定 |
上場後の株価 | Yahooファイナンス |
想定価格は1,210円。事業内容が微妙な案件なので仮条件は上振れすることは可能性としては低そうです。なお、仮条件が決定するのは4月5日です。
【公開規模】吸収金額は7.7億円!荷もたれ感はなし!!
公開株数 *1 | 632,500株 |
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公募株数 | 550,000株 |
売出株数 | 0株 |
オーバーアロットメント *2 | 82,500株 |
吸収金額 *3 | 7.7億円 |
発行済株式総数 (上場時) |
1,450,000株 |
オファリング・レシオ *4 | 43.6% |
公募・売出比率 | 公募:売出=87:13 |
*2 予定の株数
*3 想定価格(1,210円)をベースに計算
*4 オファリング・レシオは「公開株数÷上場時発行済株式総数」で計算した数値
公開株数は632,500株となっており、マザーズ上場銘柄としてはノーマルな株数です。それに対して、想定価格が1,210円とやや低い設定になっているので、吸収金額は7.7億円と小型サイズにおさまっています。吸収金額は小さいほど初値が上がりやすいので、規模としては初値上昇に期待できそうです。
また、売出はオーバーアロットメントのみとなっており、公開株数に占める公募株数の割合が高くなっています。公募株数が多いほど、初値は上昇する傾向があるので、この点においても期待が持てますね。
一方、オファリングレシオは高めの数値になっています。一般的には20%~30%が標準的な数値であり、それよりも高くなるとレア感がなくなり初値が上がりにくい傾向があります。この点はやや気になるポイントですね。
【ロックアップ情報】既存株主へのカバー率は100%!
大株主の所有株数とロックアップの状況です。
株主 | 所有株数 | ロックアップ |
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加藤 久統 | 450,000株 *1 | 180日間 |
株式会社Anela | 450,000株 | 180日間 |
*1 オーバーアロットメントによる売出株数 82,500株を含む
上記大株主以外のロックアップも考慮すると、上場日における売り圧力はおおよそ以下のようになります。
■上場日時点の売り圧力
発行済株式総数 (上場承認時) |
900,000株 |
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発行済株式総数 (上場時) |
1,450,000株 |
ロックアップ対象株数 | 900,000株 |
上場日時点の売却可能株数 | 632,500株 |
注2:オーバーアロットメントによる売出株数82,500株を「ロックアップ対象株数」「売却可能株数」両方に含めているので、合算した数値は上場時発行済株式総数と一致しません。
既存株主の保有している900,000株全てにロックアップが掛かっています。ロックアップが株価で解除される条件もありません。そのため、売り圧力として既存株主の事を考慮する必要は無いと言えます。
なお、株式会社Anelaは代表取締役である加藤久統さんの資産管理会社です。ベンチャーキャピタルではありません。
【新株予約権(ストックオプション)の状況】上場日までに権利行使が可能となる株数は0株
発行日 | 対象株数 | 行使価格 | 行使期間 |
---|---|---|---|
2018年9月30日 | 48,300株 | 294円 | 2020年10月1日~ 2025年9月30日 |
上場日である2019年4月25日に行使可能期間が到来する新株予約権はないので、売り圧力として新株予約権の事を考慮する必要はありません。
【主幹事・幹事情報】当選を狙える証券会社はココ!
引受幹事 | 割当株数 | 抽選配分割合 |
---|---|---|
東海東京証券 (主幹事) |
4月5日に決定 | 10% |
大和証券 | 同上 | 15%~25% *1 |
SBI証券 | 同上 | 40%~50% *2 |
エース証券 | 同上 | ネット抽選なし |
安藤証券 | 同上 | 10% |
丸三証券 | 同上 | 100% *3 |
岩井コスモ証券 | 同上 | 10% |
*2 資金比例抽選分は28%~35%、IPOチャレンジポイント分は12%~15%
*3 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は90%
公開株数は632,500株なので、やや当選しにくいIPOとなっています。
そうした中で当選期待度が最も高い証券会社は、やはり主幹事の「東海東京証券」です。割当株数が最も多くなるので、上記証券会社の中で最も抽選対象株数が多い証券会社となります。グッドスピードの抽選に参加するなら外せない証券会社です。
その次にオススメなのが「大和証券」です。上位幹事となっているので、抽選対象株数もまずまずの枚数となるでしょう。チャンス抽選もあるので積極的に狙っていきたい証券会社です。
オススメ3番手の証券会社は「SBI証券」です。割当株数によっては大和証券よりも抽選対象株数が多くなる可能性があります。IPOチャレンジポイントを貯める意味でも申込は必須ですね。
【IPOスケジュール】抽選申込期間は4月9日から4月15日まで!
仮条件決定日 | 4月5日 |
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抽選申込期間 | 4月9日~4月15日 |
抽選日(前期) | 4月16日 |
購入申込期間 | 4月17日~4月22日 |
上場日 | 4月25日 |
・岩井コスモ証券・・・4月19日
なお、トビラシステムズが同時期に上場します。これらの銘柄のIPOスケジュールも併せて確認しておきましょう。
【財務・業績】割高?それとも割安?成長性は?
続いて、有価証券届出書において開示されているデータに基づいて、グッドスピードの財務・業績面について分析をしていきます。
まずは、売上高や当期純利益などの主要な経営指標のデータ及び推移グラフ(一部抜粋)を見てみましょう。
決算期 | 2016年9月 | 2017年9月 | 2018年9月 |
---|---|---|---|
売上高 | 15,993,190 | 20,253,310 | 22,751,642 |
経常利益 | 133,520 | 93,210 | 149,280 |
当期純利益 | -209,275 | 76,888 | 91,281 |
純資産 | 274,233 | 351,122 | 397,404 |
■1株当たりの情報
決算期 | 2016年9月 | 2017年9月 | 2018年9月 |
---|---|---|---|
EPS | -232.53 | 85.43 | 101.42 |
BPS | 304.70 | 390.14 | 441.56 |
配当 | - | - | - |
BPS:1株あたりの純資産(純資産÷発行済株式総数)
なお、2018年9月29日付けで1株を10株にする株式分割を、2018年12月28日付けで1株を150株にする株式分割が行われています。そのため、1株あたりの情報については、当該株式分割が2014年9月期期首に行われたと仮定して記載しています(以下のグラフも同様)。
(出典:有価証券届出書「第一部【証券情報】 第3【その他の記載事項】」)
まず売上高についてですが、綺麗な右肩上がりの成長を続けていますね。中古車販売事業なので、販売台数が伸びれば必然的に売上高も伸びる構造になっています。ちなみに、グッドスピードの販売台数の実績は以下の通りです。
(出典:有価証券届出書「第一部【証券情報】 第3【その他の記載事項】」)
ただ利益面は不安定な動きをしています。増益の年もあれば、減益の年もあります。中古車販売事業は粗利が低いので、販管費や営業外費用、特損などの費用が例年より多くなってしまうと減益に転じてしまうのでしょう。
最後にPER及びPBRについても触れておきます。想定価格(1,210円)ベースで計算するとそれぞれ以下の通りです(2018年9月期における1株あたり情報を用いて計算)。
- PER:11.93倍
- PBR:2.74倍
PERを軸に考えると、一般的な目安である15倍よりも低くなっているので、グッドスピードは「割安」と判断できます。
では、財務・業績面について「成長性」「収益性」及び「安全性」の3点から分析していきましょう。
収益性
分析項目 | 2017年9月期 | 2018年9月期 |
---|---|---|
売上高総利益率 | 11.6% | 13.8% |
売上高営業利益率 | 0.5% | 0.9% |
売上高経常利益率 | 0.5% | 0.7% |
売上高当期純利益率 | 0.4% | 0.4% |
自己資本当期純利益率 | 24.6% | 24.4% |
自己資本当期純利益率以外の数値を見ると、グッドスピードの収益性は低いという判断になります。営業利益率等が1%を切ってしまっていますからね。
ただ小売業という業種を鑑みれば、収益性が低いのは仕方が無いのかもしれませんね。一般的に小売業は収益性が低いので。
それにしても1%未満の利益率は心許ないので、何かしらの利益改善策を講じてもう少し収益性を高めて欲しいところですね。
成長性
分析項目 | 2017年9月期 | 2018年9月期 |
---|---|---|
売上高伸び率 | 26.6% | 12.3% |
営業利益伸び率 | – | 119.0% |
経常利益伸び率 | -30.2% | 60.2% |
当期純利益伸び率 | 136.7% | 18.7% |
前述した通り、グッドスピードの利益面は不安定な動きをしています。そのため、上記表の項目だけで成長性を分析すると、誤った判断を下すおそれがあります。突然数値が良くなったり、悪くなったりしてしまうためです。
そのため、主な経営指標の推移グラフなどを参考に、長期間に渡って数値を比較していった方が良いでしょう。
ちなみに、売上高は毎年成長していますが、利益面は3、4年前よりも悪化しており、成長性は鈍化しています。
安全性
分析項目 | 2017年9月期 | 2018年9月期 |
---|---|---|
流動比率 | 109.3% | 105.7% |
固定比率 | 647.1% | 655.8% |
自己資本比率 | 4.6% | 4.2% |
それぞれの指標の一般的な目安は、「流動比率が200%以上で安全」「固定比率が100%未満で安全」「自己資本比率が40%以上で安全」とされています。
これらの数値を考慮すると、グッドスピードは危険な香りがします。
2018年9月期の貸借対照表を見ると、短期借入金が3,975,745千円、長期借入金が1,988,952千円もあり、総資本9,393,146千円の63.5%を占めています。
今回のIPOは少しは改善されると思いますが、安全と言えるまでの数値にはならないでしょう。そのため、グッドスピードへの長期投資はあまりオススメしません。
グッドスピードのIPO初値予想
まずおおまかな所見と述べると、グッドスピードの初値は「公開価格近辺」になると予想しています。
初値に関するプラス要素は「公開規模」と「公募株数」です。
公開規模を表す吸収金額は7.7億円となっており、小型のIPOとなっています。規模が小さいほど初値は飛びやすい傾向があるので、規模だけで見れば初値は高騰する可能性があります。
また、公開株数に占める公募株数の多さも初値にとってはプラス要素となります。成長のためのIPOと捉えられ、初値が上昇しやすい傾向があるからです。
一方、初値にとってマイナス要素となるのが「オファリングレシオ」「事業内容」及び「同時上場」です。
まずオファリングレシオについてですが、43.6%とやや高い数値になっています。オファリングレシオは数値が高いほどレア感が薄まり、初値が上昇しにくい傾向があります。
そして、中古車販売業という事業内容も初値にとってはマイナス要素となります。中古車販売店はそこら中にあり、新規性に欠けます。SUVに特化しているとはいえ、IPOで人気化する事は考えにくいです。
マイナス要素の最後が同時上場です。グッドスピードが上場する4月25日には、トビラシステムズも上場します。スペック的にトビラシステムズに資金が多く集まる事が予想されるので、グッドスピードにとっては厳しい状況になるでしょう。
こうした事をトータルで考慮して、IPOタイムズとしての初値予想は以下の通りとしています(想定価格は1,210円、仮条件は4月5日に決定)。
初値のプラス要素 | 初値のマイナス要素 |
---|---|
小さい公開規模 | 高いオファリングレシオ |
公開株数が多い | 不人気の事業内容 |
– | 同時上場 |
まとめ
今回はグッドスピードのIPO情報についてまとめてみました。
初値が上昇しやすい小型IPOではありますが、SUVに特化しているとはいえ中古車販売銘柄に惹かれる投資家は少ない事が予想されます。そのため、過度な期待はせずに、ちょいプラスになればラッキーぐらいのノリで抽選に参加するようにしましょう。
では、最後にグッドスピードの抽選に参加する上でオススメの証券会社を一覧で紹介しておきます。IPO抽選に申し込む人は参考にしてくださいね。