「証券会社の口座って開設するのに何日かかるの?」
IPOの抽選に参加するには、”幹事証券の口座”から”ブックビルディング期間が終了するまで”に申込をする必要があります。
上場承認日に幹事となる証券会社が判明するわけですが、その証券口座を有していない場合には口座開設が必要になってきます。また、上場承認日からブックビルディング期間終了まではおよそ3週間から4週間なので、それに間に合わせる必要があります。
そこで出てくるのが冒頭の疑問です。口座開設が間に合うのか?間に合わないのか?ここは気になる所でしょう。そこで、当記事では各証券会社の口座開設に要する期間・日数を一覧でまとめていきたいと思います。
また、口座開設をスムーズにできるように、必要書類や手続きの流れについても紹介しておきます。
【一覧表】各証券会社の口座開設に要する期間・日数
では、さっそく口座開設に要する期間・日数の一覧表をご覧ください。なお、一覧表の日数はインターネットを利用して口座開設の手続きを行った場合に要する期間を表しています。
証券会社 | 期間 |
---|---|
SBI証券 | 最短翌日 |
野村証券 | 最短翌日 *1 |
大和証券 | 最短翌日 |
立花証券 | 最短3日 |
カブドットコム証券 | 最短4日 |
SMBC日興証券 | 最短4日 |
松井証券 | 最短4日 |
東海東京証券 | 最短5日 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 最短5日 |
丸三証券 | 約6日 *2 |
みずほ証券 | 7日~9日 |
いちよし証券 | 10日~14日 |
東洋証券 | 約2週間 *3 |
*2 丸三証券に申込書類が到着してからの日数です。
*3 申込書類を投函してからの日数です。
一覧表に記載している日数は、あくまで申込者と証券会社の双方の手続きがスムーズに進んだ場合の目安です。書類に不備があったり、申込が殺到したりすれば、手続きに遅れが生じます。
急ぎなら店頭で口座開設の申込を
ブックビルディングが迫っているからなるべく早く口座を開設したい!という場合には、店頭での口座開設手続きをオススメします。実は、インターネットの申込よりも早く口座を開設する事ができるんです。
たとえば、大和証券、みずほ証券及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、店頭での口座開設に要する期間が以下のようになっています。
- 大和証券・・・即日
- 三菱モルガン・スタンレー証券・・・当日又は1日
- みずほ証券・・・1日~2日
書類の郵送などを省略できるので、これだけ早く口座を開設できるんですね。
店頭で口座開設するには、近くに支店がある事や営業時間内に来店できる事などの制約はありますが、今日・明日中に口座を開設したい!という人は店頭での手続きを検討してみましょう。
【参考】NISA口座開設には長期間を要する
証券会社の口座を開設するにあたって、NISA口座も同時に開設しようと考えている人がいるかもしれません。その事自体は全く問題無いのですが、ただ今回のIPO投資にはNISA口座を利用する事はおそらく出来ません。
なぜなら、NISA口座の開設には1ヶ月前後の期間を要するからです。NISA口座は1人1口座に限定されているので、2口座目の申込ではないかなどの重複チェックを税務署が行います。そのため、開設までに時間が掛かってしまうんですね。
上場承認日から1ヶ月も経過すれば、ブックビルディング期間は終了しているので、今回ばかりは間に合わないという事になります。
なお、総合口座自体の開設は通常通り完了するので、NISA口座の開設を申し込んだからといってIPOの申込自体が出来なくなるわけではないので安心してください。
口座開設時の必要書類
証券会社の口座を開設する際に必要となる書類は以下の通りです。NISA口座を同時に開設する際も同様です。
- マイナンバーの個人番号カード又は通知カードのコピー
- 本人確認書類のコピー
- 振込先として利用する銀行の支店・口座番号がわかる物
- 判子
なお、店頭で口座開設をする場合には、コピーではなく原本を持参するようにしましょう。
そして、本人確認書類として利用できる主な書類は以下の通りです。
- 運転免許証
- パスポート
- 在留カード
- 各種健康保険証
- 住民票の写し
- 印鑑登録証明書
- 各種年金手帳 等
マイナンバーの個人番号カードのみでOKな場合もありますし、本人確認書類が2種類必要な場合もあります。またコピーについては表面・裏面が必要な場合もあるので、この点は各証券会社で確認するようにしてください。
なお、IPO投資を始めたばかりの人はこれから幾つもの証券口座を開設していく事になると思うので、必要書類が何枚も必要になってきます。その都度コピーするのは用紙がもったいないですよね。
そこで、スキャンした画像又はスマホ等のカメラで撮影した画像をパソコンのペイント等のソフトでコピー&ペーストして、1枚の用紙に何枚もの免許証が貼付けられた状態にして印刷すれば、用紙の節約になると思います(力技ですけどね)。イメージとしては以下のような感じです。
印刷する際にはサイズが等倍になるようにしてくださいね。あと、提出しなかった分については紛失しないようにしっかりと保管しておきましょう。
口座開設の流れ
最後に、多くの人が利用するネットでの証券口座開設の大まかな流れについて紹介しておきますね。パターンとしては3つあるので、1つずつ見ていきましょう。
まず1つ目のパターンが、SBI証券や松井証券などが採用しているネット完結型です。
- 個人情報・職業・取引目的などを入力
- マイナンバー・本人確認書類をアップロード
- 入力内容を確認して手続完了
- 郵便又はメールで口座開設完了のお知らせが届く(初回ログインパスワード等も同封)
- ログインして取引開始
なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のように専用のスマホアプリをダウンロードして、上記の流れで口座開設手続きを行う証券会社もあります。
次に2つ目のパターンが、岩井コスモ証券などが採用している申込書類を印刷・郵送するタイプです。
- 個人情報・職業・取引目的などを入力
- 申込書類を印刷(記入済の状態で印刷されます)
- 申込書類と本人確認書類を郵送
- 郵便又はメールで口座開設完了のお知らせが届く(初回ログインパスワード等も同封)
- ログインして取引開始
申込書類を印刷する際に、宛名ラベルも一緒に印刷されます。また、料金別納(後納)郵便となるので切手代を負担する必要はありません。
そして3つ目のパターンが、みずほ証券や岡三証券などが採用している申込書類を請求するタイプです。
- 個人情報・職業・取引目的などを入力
- 入力内容を確認して申込書類請求手続完了
- 申込書類到着後、必要事項を記入して、マイナンバー・本人確認書類と共に返送
- 郵便又はメールで口座開設完了のお知らせが届く(初回ログインパスワード等も同封)
- ログインして取引開始
③の申込書類と共に返送用の封筒も郵送されてくるので、封筒・切手等を用意する必要はありません。
口座開設に要する期間は、パターン1が最も短く、パターン3が最も長くなります。ほとんどの証券会社が複数のパターンを選択できるようにしているので、利用可能な申込方法を選択して口座開設手続きを行ってください。
まとめ~口座開設の手続きは余裕をもって行おう~
今回は各証券会社の口座開設に要する期間について紹介しました。ほとんどの証券会社が1週間以内に手続きが完了するため、上場承認日から動き出せばIPOの抽選に間に合う公算です。
ただし、今回紹介した日数は何も支障がなければその期間で口座開設ができるという目安です。IPOに申し込む為に口座開設が集中する事も予想されます。そうなれば、ブックビルディングに間に合わない可能性も出てきます。
実際、私も主幹事の証券会社の口座開設が2週間ほど遅れて、抽選に間に合わなかった事がありました。
そのため、IPO投資に限って言えば、主幹事・幹事を多く務める証券会社の口座開設は事前に済ませておく事をオススメします。余裕をもって口座開設手続きを行うようにしてくださいね。