(出典:フレアス)
株式会社フレアスの新規上場承認が発表されました。吸収金額は9.3億円とマザーズ上場銘柄でも小型のIPOとなります。主幹事は「SMBC日興証券」です。
なお、3月8日時点のフレアスのIPO初値予想は以下の通りです(想定価格は1,550円、仮条件は1,650円~1,850円、公開価格は1,850円)。
それでは、フレアスのIPO情報について見ていきましょう。
フレアスのIPO情報
銘柄 | 株式会社フレアス (HPはこちら) |
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上場承認日 | 2月22日 |
証券コード | 7062 |
上場市場 | マザーズ |
単位株 | 100株 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | あん摩マッサージ指圧師によるマッサージサービスの提供及び訪問看護サービスの提供 |
フレアスはマッサージサービス及び訪問看護サービスを提供する会社です。マッサージサービスは2000年に事業を開始し、訪問看護サービスは2012年に事業を開始しています。
事業を開始して数年しか経っていない訪問看護サービスは規模がまだ小さく、売上高(2018年3月期)の比率は「マッサージサービス:訪問看護サービス=10:1」です。そのため、主力事業はマッサージサービスとなります。
(出典:フレアス「マッサージサービス」)
マッサージサービスでは、主に3つのサービスを展開しています。
- 保険適用の在宅マッサージ
- 保険適用外のリラクゼーションマッサージ・SPAサービス
- 保険適用外のオフィスマッサージ
みなさんが”マッサージ”と聞いてイメージするのは、②③のリラクゼーションを目的としたマッサージではないでしょうか?
フレアスでは星野リゾートグループが運営するホテル・旅館やオフィスを訪問してのマッサージサービスを提供しています。また、マッサージとは異なりますが、オイルや粧材を使用したスパトリートメントサービスも行っています。
一方、①の在宅マッサージは医療類似行為にあたるマッサージです。寝たきり等の理由で通院出来ない人などを対象に、疼痛緩和や麻痺した筋肉の改善、関節可動域の拡大などを、主治医の同意に基づき提供しています。
「保険適用」と「保険適用外」のマッサージのどちらが売上を獲得しているのか?というと、「保険適用」のマッサージが売上の大部分を占めているんですね。売上構成の推移を表した表がこちらです。
(出典:有価証券届出書)
このように保険適用の在宅マッサージがマッサージ事業の中でもメイン事業となっており、ほぼこれだけで会社を上場させるまで大きくできたのは単純に凄い事だと思います。ただこのままだと保険適用マッサージの売上の依存度が高いので、保険適用外のマッサージの売上も高めていきたいところですね。
では、フレアスがどんな事業を行っているかを確認したところで、その他のIPO情報について見ていきましょう。
【株価情報】想定価格・仮条件・初値
想定価格 | 1,550円 |
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仮条件 | 1,650円~1,850円 |
公開価格 | 1,850円 |
初値(騰落率) | 4,045円(+118.65%) |
上場後の株価 | Yahooファイナンス |
【公開規模】公開株数・吸収金額・比率
公開株数 *1 | 602,600株 |
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公募株数 | 250,000株 |
売出株数 | 274,000株 |
OA | 78,600株 |
吸収金額 *2 | 11.1億円 |
公募・売出比率 | 公募:売出=41:59 |
*1 公募株数、売出株数及びOA(オーバーアロットメント)の売出株数の合計
*2 公開価格(1,850円)で計算
【ロックアップ情報】
大株主上位10名の所有株数とロックアップの状況です。
株主 | 所有株数 | ロックアップ |
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澤登 拓 | 826,600株 *1 | 180日間 |
株式会社優美 | 800,000株 | 180日間 |
澤登 耕 | 26,000株 | 180日間 |
株式会社山梨中央銀行 | 20,000株 | 180日間 |
石川 武郎 | 11,000株 | 180日間 |
中野 剛 | 10,000株 | 180日間 |
飯野 由利 | 10,000株 | 180日間 |
赤池 雅司 | 5,000株 | 180日間 |
日浦 正貴 | 5,000株 | 180日間 |
関根 竜哉 | 2,400株 | 180日間 |
*1 オーバーアロットメントによる売出株数78,600株を含む
上記大株主以外のロックアップも考慮すると、上場日における売り圧力はおおよそ以下のようになります。
■上場日時点の売り圧力
上場時発行済株式総数 | 2,250,000株 |
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ロックアップ対象株数 | 1,726,000株 |
上場日時点の売却可能株数 | 602,600株 |
注1:オーバーアロットメントによる売出株数78,600株を「ロックアップ対象株数」「売却可能株数」両方に含めているので、合算した数値は発行済株式総数と一致しません。
【主幹事・幹事情報】当選を狙える証券会社はココ!
引受幹事 | 割当株数 | 抽選対象株数 *1 (抽選配分割合) |
---|---|---|
SMBC日興証券 (主幹事) |
550,400株 | 82,600株 (15% *2) |
SBI証券 | 26,200株 | 10,500株~13,100株 (40%~50% *3) |
岩井コスモ証券 | 7,800株 | 800株 (10%) |
岡三証券 | 5,200株 | 500株 (100% *4) |
いちよし証券 | 5,200株 | 500株 (10%) |
エース証券 | 2,600株 | ネット抽選なし |
水戸証券 | 2,600株 | ネット抽選なし |
極東証券 | 2,600株 | ネット抽選なし |
裏幹事 | 岡三オンライン証券 |
*2 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は5%
*3 資金比例抽選分は28%~35%、IPOチャレンジポイント分は12%~15%
*4 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は90%
公開株数は602,600株。やや少なめの株数となっているので、当選しにくいIPOです。
そうした中で当選期待度が最も高い証券会社は、やはり主幹事の「SMBC日興証券」です。割当株数が圧倒的に多くなるので、当選を狙うなら申込は必須です。
次にオススメなのは「SBI証券」です。上位幹事かつ高い抽選配分割合となっているので当選本数は2番目に多くなるでしょう。IPOチャレンジポイントもあるので、SBI証券での申込も必須ですね。
オススメ3番手は個々人の状況によって異なってくるでしょう。岡三証券で上位の優遇を受けられるなら岡三証券を。そうでないなら岩井コスモ証券を。抽選資金が厳しい・・・という人は資金不要で抽選に参加できるいちよし証券をチョイスすれば良いと思います。
なお、裏幹事の岡三オンライン証券も資金不要で抽選に参加できます。また、今回幹事入りはしていませんが、その他にも資金不要で抽選に参加できる証券会社は6社あります。以下の記事にまとめているので参考にしてくださいね。
【IPOスケジュール】抽選申込期間・抽選日・購入申込期間
仮条件決定日 | 3月8日 |
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抽選申込期間 | 3月11日~3月15日 |
抽選日(前期) | 3月18日 |
購入申込期間 | 3月19日~3月26日 |
上場日 | 3月28日 |
・岩井コスモ証券の抽選日・・・3月25日
なお、日本ホスピスホールディングスやNATTY SWANKYがほぼ同時期に上場します。これらの銘柄のIPOスケジュールも併せて確認しておきましょう。
【財務・業績】
決算期 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 |
---|---|---|---|
売上高 | 2,744,444 | 2,900,404 | 3,284,979 |
経常利益 | 88,468 | 194,400 | 193,759 |
当期純利益 | 52,727 | 177,869 | 109,912 |
純資産 | 417,312 | 595,181 | 705,094 |
■1株当たりの情報
決算期 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 |
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EPS | 52,727.93 | 88.93 | 54.96 |
BPS | 417,312.53 | 297.59 | 352.55 |
配当 | - | - | - |
フレアスのIPO初値予想
まずおおまかな所見を述べると、フレアスの初値は「ややプラス」になると予想しています。
初値に関するプラス要素は、「公開規模」「上場市場」及び「事業内容」の3点です。
公開規模は吸収金額11.1億円と小型のIPOとなっており、また公開株数も602,600株とどちらかと言うと少ない株数になっています。公開規模は小さいほど初値が上昇しやすいので、規模的には初値の上昇に期待ができる案件です。
そして「上場市場」です。フレアスが上場するのはマザーズです。マザーズへのIPOは勝率が高く、騰落率も高くなる傾向があります。実際に過去3年間(2016年~2018年)における結果は、勝率93.41%、平均初値騰落率+120.42%となっています。
事業内容についですが、前述した通り、フレアスの主力事業は保険適用マッサージの提供です。高齢化社会にマッチした内容ですし、保険制度を利用して業績も安定しやすいという見方ができます。
ただ事業内容については意見が分かれるかもしれません。地味な内容ですし、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」と「事業所」の数に比例して利益を伸ばしていく事になるので、爆発的な成長を果たすのは難しい印象です。
一方、初値に関するマイナス要素は「同時上場」です。
フレアスが上場する3月28日には、「日本ホスピスホールディングス」と「NATTY SWANKY」も上場日を迎えます。投資資金が3銘柄に分散してしまうのは痛いところです。
こうした事を総合的に考慮して、IPOタイムズとしての初値予想は現時点で以下の通りとしています(想定価格は1,550円、仮条件は1,650円~1,850円、公開価格は1,850円)。
初値のプラス要素 | 初値のマイナス要素 |
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小さめの公開規模 | 3社同時上場 |
マザーズへの上場 | 地味な事業内容 |
業績の安定度○ | - |
強気な仮条件 | - |
まとめ
今回はフレアスのIPOについて紹介しました。
フレアスは公開規模が小さいので、3社同時上場とはいえ、公開価格を上回る初値を形成してくれると予想しています。3月19日に別銘柄が3社同時上場するので、その日の結果を参考にしてみると良いかもしれませんね。
では、最後にフレアスのIPOに申し込む上でオススメの証券会社を一覧で紹介しておくので参考にしてくださいね。