「どこの証券会社が主幹事を務めることが多いの?」
「いままで数多くのIPOを取り扱っている証券会社を知りたい!」
この記事では、そんな方のために2017年および2018年のIPOにおいて、主幹事・幹事を務めた証券会社をランキング形式でまとめてみました。
ランクインしている証券会社の中でまだ口座を開設していない所があれば、次回のIPOに備えて口座開設をしておきましょう。それではさっそく主幹事証券の実績ランキング2018から見ていきます。
【2018年】主幹事証券会社実績ランキングトップ5
2018年に主幹事証券会社の実績数トップ5を発表します。
順位 | 証券会社 | 実績数 |
---|---|---|
1位 | みずほ証券 | 24件 |
2位 | 野村證券 | 23件 |
3位 | SMBC日興証券 | 21件 |
4位 | 大和証券 | 13件 |
5位 | SBI証券 | 11件 |
1位:みずほ証券
★同一資金で複数のIPO株に申し込み可能★
2018年の主幹事ランキングのTOPに君臨したのが「みずほ証券」です。毎年安定して主幹事を務めています。
このみずほ証券の特徴の1つが「同一資金で複数のIPOに申し込める点」です。ピンと来ない人の為に簡単な具体例を以下に紹介しておきます。
主幹事だけでなく幹事も務める事が多い「みずほ証券」ですから、このような少ない資金で多くのIPOに挑戦することができる資金ルールは、投資家には嬉しい特徴と言えますね。
2位:野村證券
★主幹事実績数トップ・前受金不要★
2位に付けたのが「野村證券」です。実績の多さは今年だけでなく、2016年~2018年の累積数においても68件と業界トップの実績を残しています。
この主幹事実績に加え、野村證券ではブックビルディング時に前受金不要という資金ルールが採用されています。IPO投資をするなら口座を開設しておくべき証券会社と言えるでしょう。
3位:SMBC日興証券
★トップクラスの主幹事・幹事実績数★
主幹事実績数の多さに加え、後述する幹事ランキングでも上位にランクインしています。業界トップクラスの幹事関与率を叩き出しているのがSMBC日興証券です。口座開設をしておけば、安定してIPO抽選に参加できるでしょう。
4位:大和証券
★当選しやすくなる?IPO抽選配分が高い&「チャンス当選」★
主幹事ランキングの4位にランクインしているのが「大和証券」です。
大和証券では、IPO抽選配分が、他の大手証券会社の2倍前後となる15%~25%となっています。また、完全平等抽選に落選した人の中からステージ又はポイントに応じて再度抽選が行われる「チャンス抽選」もあり、当選の期待が大きい証券会社です。
また、みずほ証券と同様に「同一資金で複数のIPOに申し込める点」も特徴の1つとなっています。
5位:SBI証券
★当選に外れても希望はある!IPOチャレンジポイント★
2016年~2018年の主幹事・幹事実績数ともに、ネット証券会社の中でもトップクラスの実力を誇ります。また、主幹事ランキング上位5社の中では、最も高い抽選配分となっています。銘柄にもよりますが、SBI証券が割り当てを受けた株数のおよそ45%が抽選に回されます。
そしてSBI証券の最大の特徴が「IPOチャレンジポイント」です。使用したポイントが多い順にIPOに当選する仕組みとなっています。基本的に当選するまで貯めたポイントは消滅しないので、いつか必ず当選できる夢のようなポイント制度なんです。
SBI証券もIPO投資には欠かせない証券会社なので、まだ口座を開設していない人はこれを機に開設しておきましょう。なおIPOチャレンジポイントについて詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
【2017年】主幹事証券会社実績ランキングトップ5
ちなみに、2017年の主幹事実績ランキングは以下のようになります。
順位 | 証券会社 | 実績数 |
---|---|---|
1位 | 野村證券 | 27 |
2位 | 大和証券 | 19 |
3位 | みずほ証券 | 16 |
4位 | SMBC日興証券 | 12 |
5位 | SBI証券 | 8 |
順位に変動はあれど、同じメンバーが上位を占めていることが分かりますね。この5社は安定して主幹事を務める事になるので、5社全ての口座を開設しておきたいところです。
当選確率がダントツ!主幹事証券会社でのIPO申込は必須
「主幹事ランキング」を調べている人なら、IPO投資における主幹事証券の重要性を知っている人がほとんどだと思います。重要性をもう少し具体的に言うと、主幹事証券会社からIPOの抽選に参加することが当選への近道の1つという事でしたよね。
ここでは、知識の再確認という事で主幹事証券会社を狙うべき理由について、以下の点を踏まえながらお話していきたいと思います。
「主幹事と幹事とで、割当株数にどれくらい差が出てくるの?」
「各証券会社に割り当てられる株数って、どうやって分かるの?」
さて、まずは主幹事と幹事の「割当株数の差」についてです。これはかなり大きな差になります。一般的な配分割合の話を先にすると、概ね主幹事が全体の80%~90%を、残りの10%~20%を他の幹事で分け合う形です。
実際にどれくらいの割当株数の差になるのかを2018年7月4日上場の「ロジザード株式会社(マザーズ・4391)」を例にして見てみましょう。
<主幹事証券会社>
野村證券(317,000株)
<幹事証券会社>
SMBC日興証券(33,200株)
みずほ証券(16,600株)
SBI証券(16,600株)
岡三証券(16,600株)
この例の場合でも、主幹事の野村證券が割当株数全体の約80%を占め、主幹事と幹事とで約10倍~20倍もの差が発生していることが分かります。
つまり、「主幹事証券の割当株数が多い=当選本数が多い」という事になるため、主幹事証券を優先して抽選の申込をしていこう、という話でしたよね。
では、IPO銘柄ごとに各幹事の割当株数をどうやって調べるのか?という点ですが、これは目論見書を見れば分かります。具体的な箇所は、目論見書訂正事項分の「募集要項の【株式の引受け】」又は「売出要項の【売出しの条件】」に記載されています。
ロジザード株式会社の場合だと、以下の画像のような感じですね。
なお、各幹事の割当株数は上場承認時点では不明です。それが判明する時期は、ほとんどのIPO銘柄でBB前の仮条件決定時です(目論見書の第一回訂正分)。ただし、極稀にBB後の公開価格決定時に公表される場合もあります(目論見書の第二回訂正分)。
これらのタイミングで再度目論見書をチェックして、主幹事を含めた各幹事の割当株数を確認しておきましょう。
幹事証券からもIPOに申し込んで当選確率をさらに高めよう
IPOは証券会社ごとに抽選が行われるため、主幹事だけでなく、幹事証券会社からも抽選に参加することをオススメします。
「主幹事での1回の抽選」と「主幹事+幹事での複数回の抽選」では、どちらがIPOの当選確率が高いと思いますか?当然後者ですよね。
抽選回数を増やす事は当選確率に直結するので、主幹事に加えて幹事からもIPOに参加するようにしましょう。
では、どこの証券会社が幹事実績が多いのか?について見ていきますね。
【2018年】幹事証券会社実績ランキングトップ10
2018年、幹事を務めた実績数が多い証券会社のトップ10を発表します。主幹事のランキングとは異なり、バリエーション豊かな証券会社がランクインしています。
順位 | 証券会社 | 実績数 |
---|---|---|
1位 | SBI証券 | 86件 |
2位 | みずほ証券 | 72件 |
3位 | SMBC日興証券 | 68件 |
4位 | マネックス証券 | 51件 |
5位 | 岡三証券 | 47件 |
5位 | 岡三オンライン証券 | 47件 |
7位 | エース証券 | 42件 |
8位 | 野村證券 | 38件 |
8位 | 岩井コスモ証券 | 35件 |
10位 | 大和証券 | 31件 |
では、ランクインしている証券会社の特徴について見ていきますね。なお、主幹事実績の項目において既に紹介した証券会社については省略しているので、再確認したい人は主幹事証券ランキングを参照してください。
4位:マネックス証券
★完全平等抽選に100%配分★
申込者単位で抽選を行う「完全平等抽選」への割当配分を100%と設定しているのがマネックス証券の最大の特徴です。申込株数に関わらず公平な抽選を受けられ、しかも抽選となれば当選本数は1人1単位に限定されるので、多くの人に当選のチャンスがあります。
資金が少ない投資家であっても平等にチャンスが巡ってくるので、口座開設をして積極的にIPOに参加していきたい証券会社の1つです。
5位:岡三証券
★IPO取扱数が急増している注目の証券会社★
去年の実績35件を大きく上回る47件の実績となった岡三証券。店舗型のイメージが強いですが、オンライントレードも可能です。近くに支店が無くてもネットを利用してIPOに申し込む事ができます。
主幹事を務める事もあるので、押さえておきたい証券会社の1つです。
なお、岡三証券は同一資金でBBに参加可能です。資金効率面でもメリットがあるのでオススメです。
5位:岡三オンライン証券
★資金不要!岡三証券が幹事の時は要チェック★
同率5位にランクインしたのが、岡三証券と同じグループ会社の「岡三オンライン証券」です。岡三オンライン証券では、新成長計画「ReBorn」が策定され、岡三証券との連携強化が図られています。これにより、岡三証券が幹事を務めるIPO銘柄では、岡三オンライン証券が委託販売を請け負うケースが多くなっています。
委託販売を請け負う証券会社を委託幹事や裏幹事というのですが、これらの幹事は目論見書には記載されません。そのため、見過ごす事が多いので、岡三証券が幹事になっている銘柄があれば必ず岡三オンライン証券のIPO取扱銘柄もチェックするようにしましょう。
また、岡三オンライン証券は資金不要でIPOの抽選に参加できるという魅力的な特徴があります。口座開設数も少ないので狙い目の証券会社です。
7位:エース証券
★豊富なアドバイザーとの連携★
金融商品仲介業者登録件数が多く、彼らとの連携を推進しているため、特定の証券会社に属さない中立的な立場の専門家からアドバイスをもらうことができます。
ただし、IPOの申込は店舗のみでの取り扱いとなっています。ネット・電話での申込は出来ません。
8位:岩井コスモ証券
★抽選日のズレを利用できる後期型証券会社★
後期型の証券会社で唯一ランクインしたのが「岩井コスモ証券」です。BB時に資金不要であり、前期型との抽選日のズレを利用できるため、資金効率と抽選回数をUPできるIPO投資において欠かせない証券会社の1つです。
【番外】11位:いちよし証券
★ネット申込も可能に!穴場的証券会社の1つ★
IPO取扱件数も多く、時に主幹事を務める事もある「いちよし証券」。にもかかわらず、2018年3月時点で口座開設数は約16万口座と少なめ。いわば「穴場」ともいえる証券会社です。しかもBB時に前受金不要。
以前まではIPOの申込が電話が主な手段となっていましたが、ネットからの申込が可能になり利便性がUP。煩わしさを理由に口座開設を見送ってきた人は、ライバルが少ないうちに申込をしておいた方が良いでしょう。
【番外】14位:極東証券
★対面のつながり重視!穴場的証券会社★
こちらも「穴場」的な証券会社です。IPO取引は店舗取引のみです。平均勤続年数が16.3年と業界内では比較的長いため、懇意になっていくとベテランの担当者からの裁量配分の話が舞い込んでくるかもしれませんね。
【番外】15位:東海東京証券
★豊富な情報提供が武器!穴場的証券会社★
幹事実績が比較的少ないせいか、口座開設が後回しにされがちな「東海東京証券」。しかし、実はコンスタントに主幹事も務めている証券会社なんです。2016年には5件、2017年には3件、2018年には1件の主幹事を務めています。
主幹事・幹事実績ランキングの上位にはランクインしてきませんが、着実に実績を積んでいる証券会社なんですね。人知れず感があるので、穴場の証券会社と言えるでしょう。
IPOの申込は「かんたんダイレクトサービス」を利用し、ネットを通じて行えます。前受金は必要ですが、同一資金でのIPOの申込が可能です。提供資料が豊富なためチェックしておいて損は無い証券会社です。
【2017年】幹事証券会社実績ランキングトップ10
ちなみに、2017年の実績ランキングは以下のようになります。
順位 | 証券会社 | 実績 |
---|---|---|
1位 | SBI証券 | 83 |
2位 | SMBC日興証券 | 71 |
3位 | みずほ証券 | 60 |
4位 | マネックス証券 | 47 |
5位 | 大和証券 | 41 |
6位 | 岩井コスモ証券 | 39 |
7位 | エース証券 | 37 |
8位 | 野村證券 | 38 |
9位 | 岡三証券 | 35 |
10位 | いちよし証券 | 34 |
不動の1位としてSBI証券が君臨しています。その他は順位に変動はあるものの、上位はほぼ同じ顔触れとなっています。
そのため、上位にランクインしている証券会社については、2018年後半以降も幹事を務める事になる可能性が高いので、まだ口座を開設していない証券会社があれば開設しておくことをオススメします。
まとめ~少なくとも主幹事・幹事ランキング上位の証券口座は開設しておくべし~
主幹事証券会社からIPOの抽選に申し込むことは、IPO当選の確率を上げるための重要な戦略となります。少なくとも今回紹介した主幹事ランキングにランクインしている5社の口座は開設しておきましょう。
また、当選確率をさらに高めるためには幹事証券からの申込も必要不可欠です。そのため、同様に幹事ランキング上位の証券会社についてもしっかりとチェックしておいてくださいね。
昨今、ネット記事や雑誌でも頻繁にIPO特集が組まれ、「IPOブーム」はよりいっそうの盛り上がりを見せています。今後来るIPOの波にしっかり乗れるように、口座開設等の準備を今のうちにしておきましょう。