(出典:ハウテレビジョン)
ハウテレビジョンの新規上場承認が発表されました!上場市場はマザーズ、主幹事はみずほ証券です。吸収金額4.4億円と非常に小型なIPOです。
4月8日にヴィッツが上場してから2週間以上間隔が空いているので、待ってましたとばかりに資金が流れ込む可能性が高いです。
規模的にもタイミング的にも初値の上昇が期待できるIPOとなる予感がします。
なお、ハウテレビジョンの初値予想は以下の通りです(想定価格は1.210円、仮条件は4月4日に決定)。
それでは、ハウテレビジョンのIPO情報について見ていきましょう。
ハウテレビジョンのIPO情報
銘柄 | ハウテレビジョン(HPはこちら) |
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証券コード | 7064 |
上場承認日 | 3月20日 |
上場日 | 4月24日 |
上場市場 | マザーズ |
単位株 | 100株 |
設立年 | 2010年2月9日 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 新卒学生向けリクルーティング・プラットフォーム「外資就活ドットコム」、若手社会人向けリクルーティング・プラットフォーム「Liiga」の運営管理等 |
想定価格 | 1.210円 |
仮条件 | 4月4日に決定 |
公開価格 | 4月15日に決定 |
公開株数 | 363,400株 |
公募株数 | 220,000株 |
売出株数 | 96,000株 |
オーバーアロットメント | 47,400株 |
吸収金額 | 4.4億円(想定価格ベース) |
発行済株式総数 (上場時) |
1,220,000株 |
時価総額 | 14.8億円(想定価格ベース) |
抽選申込期間 | 4月8日~4月12日 |
幹事証券 | みずほ証券【主幹事】 野村證券 SBI証券【オススメ】 SMBC日興証券 マネックス証券【オススメ】 岩井コスモ証券 東海東京証券 いちよし証券 |
【事業内容】ハイクラス層をターゲットにした就職・転職サイトの運営会社
ハウテレビジョンは、学生向けの就職サイト及び若手社会人向けの転職サイトを運営管理する企業です。
それぞれのサイトの特性は以下の通りです。
サイト利用者層は、難関大学の学生や一流企業の若手社会人など、いわゆるハイクラス層となっています。ターゲットを絞る事で、その他の就職・転職サイトとは差別化を図っているようですね。
「一流企業に就職・転職したい」と考えてる利用者と「優秀な人材が欲しい」と考えている企業、双方のニーズがマッチしたサービスになっているのではないでしょうか。
このように、ハウテレビジョンは大きな枠では人材関連のIPOとなり、その枠で考えるとあまり人気化しないように思えます。ハイクラス層をターゲットにした差別化戦略が市場にどう捉えられるのか、ここが初値形成の1つのポイントになってくるでしょう。
では、その他のIPO情報について見ていきましょう。
【株価情報】想定価格は1.210円!仮条件は4月4日に決定!!
想定価格 | 1,210円 |
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仮条件 | 4月4日に決定 |
公開価格 | 4月15日に決定 |
初値(騰落率) | 4月24日以降に決定 |
上場後の株価 | Yahooファイナンス |
想定価格は1,210円。この価格に対して、機関投資家の意見が多分に反映される仮条件が、どのようなレンジに設定されるのか気になるところですね。なお、仮条件が決定するのは4月4日です。強気設定になるのか、弱気設定になるのか、この点は初値を予想するポイントの1つになるので必ずチェックするようにしましょう。
【公開規模】吸収金額4.4億円!規模的には初値高騰必至!!
公開株数 *1 | 363,400株 |
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公募株数 | 220,000株 |
売出株数 | 96,000株 |
オーバーアロットメント *2 | 47,400株 |
吸収金額 *3 | 4.4億円 |
発行済株式総数 (上場時) |
1,220,000株 |
オファリング・レシオ *4 | 29.8% |
公募・売出比率 | 公募:売出=61:39 |
*2 予定の株数
*3 想定価格(1,210円)をベースに計算
*4 オファリング・レシオは「公開株数÷上場時発行済株式総数」で計算した数値
公開株数は363,400株となっており、マザーズ上場銘柄の中でも少なめのIPOとなっています。また、想定価格(1,210円)が低めの設定になっているので、両者を掛け合わせた吸収金額も4.4億円と小さくなっています。
初値は公開規模が小型であるほど飛びやすいので、ハウテレビジョンの初値は規模的には高騰する可能性があります。
オファリングレシオは近年の平均より少しばかり高めの数値となっています。公開株数が少ない割にはレア感に欠けるのはやや気になる点です。一方、公募・売出比率は公募株数が多めの設定になっています。公募株数が多い方が初値は上がりやすい傾向にあるので、この点は好材料として捉える事ができるでしょう。
株数が関わる数値だけを見れば、ハウテレビジョンの初値は高騰に期待が持てる内容になっています。
【ロックアップ情報】既存株主の100%をカバー
大株主の所有株数とロックアップの状況です。
株主 | 所有株数 | ロックアップ |
---|---|---|
音成 洋介 | 670,000株 *1 | 180日間 |
音成 恵里 | 134,000株 | 180日間 |
エン・ジャパン株式会社 | 100,000株 | 180日間 |
*1 オーバーアロットメントによる売出株数47,400株を含む
上記大株主以外のロックアップも考慮すると、上場日における売り圧力はおおよそ以下のようになります。
■上場日時点の売り圧力
発行済株式総数 (上場承認時) |
1,000,000株 |
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発行済株式総数 (上場時) |
1,220,000株 |
ロックアップ対象株数 | 904,000株 |
上場日時点の売却可能株数 | 363,400株 |
注2:オーバーアロットメントによる売出株数47,400株を「ロックアップ対象株数」「売却可能株数」両方に含めているので、合算した数値は上場時発行済株式総数と一致しません。
既存株主の保有株数904,000株(売出株数考慮後)の全てに期間のみのロックアップがかかっているので、売り圧力となるのは公開される株数のみとなります。既存株主の”売り”は気にしなくて良いでしょう。
なお、上場日の3日後から10連休に入ります。連休明けの下落を恐れて連休前に売ってしまおうと考える投資家もいると思うので、通常よりも売りが多くなる可能性がある点には注意が必要です。
【新株予約権(ストックオプション)の状況】上場日までに権利行使が可能となる株数は11,500株
発行日 | 対象株数 | 行使価格 | 行使期間 |
---|---|---|---|
2016年11月14日 | 11,500株 | 1,000円 | 2018年11月15日~ 2026年11月14日 |
2018年4月27日 | 45,300株 | 1,100円 | 2020年4月28日~ 2028年4月27日 |
2018年7月31日 | 7,200株 | 1,100円 | 2020年8月1日~ 2028年7月16日 |
上場日である2019年4月24日時点で権利行使が可能となる新株予約権は11,500株分存在しています。権利行使の細かい条件は不明なのでなんとも言えませんが、行使可能期間が到来している新株予約権がある点には注意を払っておいた方が良いでしょう。
【主幹事・幹事情報】当選を狙える証券会社はココ!
引受幹事 | 割当株数 | 抽選配分割合 |
---|---|---|
みずほ証券 (主幹事) |
4月4日に決定 | 10% |
野村證券 | 同上 | 10% |
SBI証券 | 同上 | 40%~50% *1 |
SMBC日興証券 | 同上 | 15% *2 |
マネックス証券 | 同上 | 100% |
岩井コスモ証券 | 同上 | 10% |
東海東京証券 | 同上 | 100% *3 |
いちよし証券 | 同上 | 10% |
*2 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は5%
*3 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は90%
公開株数は363,400株。少ない株数なので当選しにくいIPOとなっています。
そうした中で当選期待度が高い証券会社は、やはり主幹事の「みずほ証券」です。割当株数が圧倒的に多くなるので、抽選配分割合が低くても抽選対象株数は幹事証券の中で最も多くなります。ハウテレビジョンのIPO抽選に参加するなら外せない証券会社です。
その次にオススメの証券会社は「マネックス証券」です。公開株数が少ないので平幹事への割当株数はかなり少なくなる事が予想されます。ですが、マネックス証券は完全平等抽選100%というIPOルールを採用しているので、おそらく平幹事の中でも最も抽選対象株数が多くなる証券会社となるでしょう。
そしてオススメ3番手の証券会社が「SBI証券」です。抽選配分割合がIPOチャレンジポイント分も含めておよそ40%~50%あるので、マネックス証券に次いで抽選対象株数が多くなる証券会社となるでしょう。落選してもIPOチャレンジポイントを貯められるので、こちらも申込必須の証券会社と言えます。
【IPOスケジュール】抽選申込期間・抽選日・購入申込期間
仮条件決定日 | 4月4日 |
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抽選申込期間 | 4月8日~4月12日 |
抽選日(前期) | 4月15日 |
購入申込期間 | 4月16日~4月19日 |
上場日 | 4月24日 |
・岩井コスモ証券・・・4月18日
なお、グッドスピードやトビラシステムズとブックビルディング期間が被っているので、抽選資金の配分計画を立てるためにこれらの銘柄のIPOスケジュールも確認しておきましょう。
【財務・業績】割高?それとも割安?成長性は?
続いて、有価証券届出書において開示されているデータに基づいて、東名の財務・業績面について分析をしていきます。
- 単体データ:主要な経営指標及び財務諸表直前5期分並びに直前四半期財務諸表等
それではまず売上高や当期純利益などの主要な経営指標のデータ及び推移グラフ(一部抜粋)を見てみましょう。
決算期 | 2016年1月 | 2017年1月 | 2018年1月 |
---|---|---|---|
売上高 | 299,211 | 324,486 | 390,259 |
経常利益 | -22,643 | -11,445 | 10,751 |
当期純利益 | -23,127 | -11,830 | 36,036 |
純資産 | 69,586 | 57,756 | 93,792 |
■1株当たりの情報
決算期 | 2016年1月 | 2017年1月 | 2018年1月 |
---|---|---|---|
EPS | -25.70 | -13.14 | 40.04 |
BPS | -33.79 | -46.94 | -6.90 |
配当 | - | - | - |
BPS:1株あたりの純資産(純資産÷発行済株式総数)
2016年1月期から2018年1月期の1株あたり純資産額は、種類株式に対する残余財産分配額を控除して計算しています(以下のグラフも同様)。
また、2016年11月14日付けで株式1株を10,000株にする株式分割が行われています。そのため、1株あたりのデータは2016年1月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して計算しています(以下のグラフも同様)。
(出典:有価証券届出書「第一部【証券情報】 第3【その他の記載事項】)
まずは売上高について見ていきます。売上高が減少した年はなく、基本的には右肩上がりの成長を続けています。
ただ利益面は、直前期の2018年1月期は黒字になっているものの、それ以前の3年間は赤字となっています。おそらく2016年2月にリリースした「Liiga」への先行投資が影響したのかもしれません(推測ですが)。
最後にPERについても触れておきます。想定価格(1,210円)ベースで計算すると、PERは30.22倍になります(2018年1月期における1株あたり情報を用いて計算)。
一般的なPERの目安は15倍と言われており、その数値と比較するとハウテレビジョンは「割高」という判断になりますね。
では、財務・業績面について「成長性」「収益性」及び「安全性」の3点から分析していきましょう。
収益性
分析項目 | 2017年1月期 | 2018年1月期 |
---|---|---|
売上高総利益率 | 67.6% | 74.6% |
売上高営業利益率 | -3.1% | 3.0% |
売上高経常利益率 | -3.5% | 2.8% |
売上高当期純利益率 | -3.7% | 9.2% |
自己資本当期純利益率 | -18.6% | 47.6% |
ハウテレビジョンは情報・通信業なので、収益性が高いのかと思っていたのですが、蓋を開けてみると営業利益率が3%など低い数値になっています。
年間平均給与が約650万円となっており、人件費が利益を圧迫してしまっているのかもしれません。
投資する立場からすると、収益性はもう少し改善して欲しいところではありますね。
成長性
分析項目 | 2017年1月期 | 2018年1月期 |
---|---|---|
売上高伸び率 | 8.5% | 20.3% |
営業利益伸び率 | – | 216.8% |
経常利益伸び率 | 49.5% | 193.9% |
当期純利益伸び率 | 48.9% | 404.6% |
売上高がしっかり成長している点は評価できるポイントですね。
その他の利益に関する数値は、2017年1月期の赤字から黒字転換したため、伸び率がかなり大きくなっています。なので、あまり上記表の伸び率をそのまま成長率と捉えない方が良いかもしれません。もちろん、黒字転換した点は評価できるポイントですが。
ただ大きく赤字を出した2015年1月期から赤字額をどんどん縮小していき、黒字化に至った事を考えれば、利益面もしっかりと成長していると言う事ができるでしょう。
安全性
分析項目 | 2017年1月期 | 2018年1月期 |
---|---|---|
流動比率 | 94.3% | 129.5% |
固定比率 | 151.7% | 71.8% |
自己資本比率 | 29.9% | 38.1% |
それぞれの指標の一般的な目安は、「流動比率が200%以上で安全」「固定比率が100%未満で安全」「自己資本比率が40%以上で安全」とされています。
これらの数値を軸に考えると、2018年1月期は前期より改善されたものの、まだまだ安全と言い切れるまでの数値にはなっていません。安心して投資できるように、もう少し安全性指標の改善を図ってもらいたいところですね。
ハウテレビジョンのIPO初値予想
まずおおまかな所見を述べると、ハウテレビジョンの初値は「大きくプラス」になると予想しています。
先に初値にとってのマイナス面を紹介します。それは「事業内容」です。
ハウテレビジョンは、就職・転職サイトを運営する会社です。つまり人材関連の銘柄になります。人材関連の銘柄は毎年上場しているので、新規性という点では微妙なIPOとなります。
ただ、高学歴な学生などのハイクラス層にターゲットを絞っているので、この点が評価されれば、プラス要素に変わる可能性もあります。
一方、初値にとってのプラス要素は「公開規模」「公募株数」及び「スケジュール」です。
公開規模を表す吸収金額は4.4億円となっており、非常に小型のIPOとなっています。また、公開株数も363,400株と少なく、需給面だけで押し切れそうなIPOとなりそうです。
また、公開株数に占める公募株数も比較的多くなっており、この点も初値にとってはプラスです。公募株数が多い銘柄は初値が上昇しやすい傾向があるためです。
そして最後がスケジュールです。直前のIPOから約2週間の間隔を空けての上場となり、IPOを待ち焦がれていた投資家の資金が一気に流れ込む可能性があります。
こうした事を考慮して、IPOタイムズとしての初値予想は以下の通りとしています(想定価格は1,210円、仮条件は4月4日に決定)。
初値のプラス要素 | 初値のマイナス要素 |
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公開規模が小さい | 不人気の事業 |
公募株数が多い | – |
間隔の空いたスケジュール | – |
まとめ
今回はハウテレビジョンのIPO情報についてまとめてみました。
吸収金額や公開株数を見ると分かるように、かなり小型のIPOとなっています。そうした事からかなり初値の高騰が期待できるIPOとなる予感がします。想定価格1,210円とやや低い価格設定になっているので、一撃で大きな利益を得る事は難しいかもしれませんが、確実に利益を獲得できるIPOとなるでしょう。
では、最後にハウテレビジョンのIPO抽選に申し込む上でオススメの証券会社を一覧で紹介しておきます。抽選参加を検討している人は参考にしてくださいね。