(出典:ダイコー通産)
2019年3月第三弾のIPOが発表されました。新規上場するのは「ダイコー通産株式会社(7673)」です。東証2部への上場ではありますが、吸収金額が約9.6億円と小型と案件となります。主幹事は「野村證券」です。
2月14日時点でのダイコー通産の初値予想は以下の通りです(想定価格は1,510円、仮条件は1,510円~1,540円、公開価格は1,540円)。
業種は「卸売業」。事業内容は「CATV及び情報通信ネットワーク向け各種商品の仕入・販売」です。
それでは、ダイコー通産のIPO情報について見ていきましょう。
ダイコー通産のIPO情報
銘柄 | ダイコー通産株式会社 (HPはこちら) |
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上場承認日 | 2月5日 |
証券コード | 7673 |
上場市場 | 東証2部 |
単位株 | 100株 |
業種 | 卸売業 |
事業内容 | CATV及び情報通信ネットワーク向け各種商品の仕入・販売 |
ダイコー通産は、CATV(ケーブルテレビ)及び情報通信ネットワーク向けの各種商品の仕入・販売を行う専門商社です。
全国12箇所(2019年2月5日時点)に営業所を設置し、約400の製造業者から電線・ケーブル・通信機械などを仕入れ、約2,600の通信工事施工業者や電気通信事業者などに販売を行っています。
(出典:ダイコー通産目論見書)
ダイコー通産が取り扱っている商品を大きく分類すると以下の3つです。
- ケーブル:光・電気信号を伝達
- 材料:配線の連結や線材の固定、ケーブルの保護
- 機器:光・電気信号の変換、中継、送受信やその測定
(出典:ダイコー通産目論見書)
このようにダイコー通産は、「CATV」と「情報通信」に関連した商品を扱っているわけですが、CATVに関して言えば成長は頭打ち感があります。
総務省が作成している「ケーブルテレビの普及状況」を見ると、加入世帯数及び普及率はほぼ横ばいです。ネット配信サービスとの競争も激化していますからね。
ただ、4K8K放送のサービス開始や2020年の東京オリンピックなど、業界全体の需要が拡大するイベントもあります。日常的な需要に加え、こうした特需をいかに取り込めるかが成長の鍵となるかもしれませんね。
では続いて、ダイコー通産のIPOに関する株価情報やスケジュールなどについて見ていきましょう。
【株価情報】想定価格・仮条件・初値
想定価格 | 1,510円 |
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仮条件 | 1,510円~1,540円 |
公開価格 | 1,540円 |
初値(騰落率) | 1,732円(+12.47%) |
上場後の株価 | Yahooファイナンス |
【公開規模】公開株数・吸収金額・比率
公開株数 *1 | 623,700株 |
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公募株数 | 160,000株 |
売出株数 | 382,400株 |
OA | 81,300株 |
吸収金額 *2 | 約9.6億円 |
公募・売出比率 | 公募:売出=26:74 |
*1 公募株数、売出株数及びOA(オーバーアロットメント)の売出株数の合計
*2 公開価格(1,540円)で計算
【ロックアップ情報】
大株主上位10名の所有株数とロックアップの状況です。
■ロックアップ情報
株主 | 所有株数 | ロックアップ |
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(株)ディーケーコーポレーション | 810,200株 | 90日間 |
ダイコー従業員持株会 | 259,130株 *1 | 180日間 |
河田 晃 | 225,530株 *2 | 90日間 |
河田 充 | 149,950株 | 90日間 |
西村 晃 | 120,040株 | 90日間 |
東京センチュリー(株) | 100,000株 | 90日間又は1.5倍 |
河田 正春 | 80,040株 | 90日間 |
河田 すみ子 | 67,980株 | 90日間 |
岡野 拓哉 | 30,000株 | 90日間 |
小谷 幸恵 | 21,920株 | 90日間 |
*1 親引け分15,000株(上限)を含む
*2 オーバーアロットメントによる売出株数81,300株を含む
上記大株主以外のロックアップも考慮すると、上場日における売り圧力はおおよそ以下のようになります。
■上場日時点の売り圧力
上場時発行済株式総数 | 2,585,090株 |
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ロックアップ対象株数 | 1,994,170株 |
上場日時点の売却可能株数 | 672,220株 |
注1:オーバーアロットメントによる売出株数81,300株を「ロックアップ対象株数」「売却可能株数」両方に含めているので、合算した数値は発行済株式総数と一致しません。
【主幹事・幹事情報】当選を狙える証券会社はココ!
引受幹事 | 割当株数 | 抽選対象株数 *1 (抽選配分割合) |
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野村證券 (主幹事) |
569,700株 | 57,000株 (10%) |
SMBC日興証券 | 10,800株 | 1,100株 (10%) |
みずほ証券 | 10,800株 | 1,100株 (10%) |
大和証券 | 10,800株 | 2,700株 (25% *2) |
岡三証券 | 10,800株 | 10,800株 (100% *3) |
SBI証券 | 10,800株 | 4,300株~5,400株 (40%~50% *4) |
裏幹事 | 岡三オンライン証券、SBIネオトレード証券 |
*2 完全平等抽選分は10%~15%、ステージ抽選分は5%~10%
*3 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は90%
*4 資金比例抽選分は28%~35%、IPOチャレンジポイント分は12%~15%
公開株数は623,700株です。つまり、当選本数は6,237本。そのため、ダイコー通産のIPOは当選しにくい部類となります。
で、当選を狙う上でオススメの証券会社は、やはり主幹事の野村證券です。当選本数が最も多くなりますし、また資金不要で抽選に参加できるので必ず申込をしておきたいところです。
次にオススメなのは、割当株数次第ですが、大和証券となるでしょう。抽選配分割合が25%と高めの設定になっているためです。そして、大和証券と同じぐらいの当選本数になりそうなのがSBI証券です。もしかしたら資金比例分だけで大和証券よりも多くなるかもしれません。
あとのオススメ順は、上からSMBC日興証券、みずほ証券、岡三証券となるでしょう。
【IPOスケジュール】抽選申込期間・抽選日・購入申込期間
仮条件決定日 | 2月20日 |
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抽選申込期間 | 2月22日~2月28日 |
抽選日 | 3月1日 |
購入申込期間 | 3月4日~3月7日 |
上場日 | 3月12日 |
なお、ウイングアーク1stとブックビルディング期間が被っているのでIPOスケジュールも併せて確認しておきましょう。
【財務・業績】
決算期 | 2016年5月 | 2017年5月 | 2018年5月 |
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売上高 | 13,650,687 | 13,514,288 | 15,281,363 |
経常利益 | 558,830 | 634,417 | 658,420 |
当期純利益 | 376,145 | 384,425 | 402,694 |
純資産 | 4,444,019 | 4,724,029 | 5,017,733 |
■1株当たりの情報
決算期 | 2016年5月 | 2017年5月 | 2018年5月 |
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EPS | 310.22 | 158.52 | 166.06 |
BPS | 3,665.14 | 1,948.04 | 2,069.15 |
配当 | 90 | 90 | 100 |
ダイコー通産のIPO初値予想
CATV及び情報通信関連の卸売業とあって、IPO的には人気化しにくい案件です。売上・利益もほぼ横ばいに推移しており、「成長」より「安定」というイメージがしっくりきます。
また、上場する市場がIPOで不人気な東証2部となっています。ちなみに、直近3年間の東証2部に上場したIPOの結果は、勝率66.7%・平均初値騰落率16.02%です。
ここまでの内容を踏まえると、ダイコー通産の初値は公開価格付近で落ち着きそうな予感がします。
ただし、吸収金額は仮条件(1,510円~1,540円)の上限ベースで約9.6億円、公開株数は623,700株となっており、小型のIPOとなっています。これぐらいの公開規模なら銘柄のスペックが低くても、需給面で初値を押し上げてくれる可能性があります。
上記の事をトータルで考慮して、IPOタイムズとしてのダイコー通産の初値予想は現時点で以下の通りとしています(想定価格は1,510円、仮条件は1,510円~1,540円、公開価格は1,540円)。
初値のプラス要素 | 初値のマイナス要素 |
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小さい吸収金額 | 成長性△ |
少ない公開株数 | 上場市場が東証2部 |
- | 売出比率がやや高い |
まとめ
ダイコー通産のIPOについて、抽選に申し込む上で知っておきたい情報をまとめてみました。
3月のIPO集中期の先陣を切るダイコー通産。その後に続くIPOの事も考えると、最低でも初値はプラスリターンとなって欲しいところですね。
では最後に、ダイコー通産のIPO抽選におすすめの証券会社を紹介しておくので、抽選参加を検討している人は参考にしてください。