(出典:リックソフト株式会社)
リックソフト株式会社の新規上場承認が発表されました。主幹事はチャンス抽選もある「大和証券」です。公開株数は294,400株、吸収金額は11.8億円となっており、公開規模が小さい事から初値の高騰に期待が持てます。
2月7日時点のリックソフトの初値予想は以下の通りです(想定価格は3,840円、仮条件は3,840円~4,000円、公開価格は4,000円)。
業種は「情報・通信業」。事業内容にIPOで人気の「クラウドサービス」も含まれているので、注目度の高い案件となる予感です。
それでは、リックソフトのIPO情報を見ていきましょう。
リックソフトのIPO情報
| 銘柄 | リックソフト株式会社 (HPはこちら) |
|---|---|
| 上場承認日 | 1月22日 |
| 証券コード | 4429 |
| 上場市場 | マザーズ |
| 単位株 | 100株 |
| 業種 | 情報・通信業 |
| 事業内容 | Atlassian Pty Ltd.が開発するプロジェクト管理用ツールをはじめとしたソフトウェア製品のライセンス販売及び導入支援等 |
リックソフトが展開している事業は「ツールソリューション事業」です。具体的にいうと、「Atlassian社」「Alfresco社」「Tableau社」が開発しているソフトウェア・ツールの販売です。たとえば、Atlassian社のソフトウェアは主にソフトウェア開発の工程管理や課題管理として使用されます。
こうしたソフトウェアを仕入れて販売するだけでなく、ソフトウェアを導入するにあたって、顧客の抱える課題の調査・分析から設計・構築・稼働・運用に至る一連のサービスも提供しています。こうしたサービスの流れの中で、利用環境の構築の為の「クラウドサービスの提供」や既存ソフトを補助する「ソフトウェアの開発」を行っています。
まとめると、メイン事業は「ソフトウェアの仕入・販売」となり、それに付随した「クラウドサービスの提供」「ソフトウェアの開発」を行っている企業です。参考までに、3つの事業の2018年2月期の販売実績を紹介しておきますね。
| 事業 | 販売高(千円) |
|---|---|
| ソフトウェアの販売 | 1,527,613 |
| クラウドサービス | 112,002 |
| ソフトウェア開発 | 88,640 |
リスクとして認識しておきたいのは、Atlassian社のソフトウェアの販売・サービス提供に依存している点です。2018年2月期の仕入高の94.2%がAtlassian社からのものとなっています。それだけAtlassian製品の需要が高いと言えますが、リックソフトの業績はAtlassian社次第という見方もできます。
リックソフト・Atlassian社共に現時点では成長を続けているので、短期的なIPO投資としては問題ないと思いますが、中・長期的な投資を考えている人は両者の動向に注意するようにしましょう。
【株価情報】想定価格・仮条件・初値
| 想定価格 | 3,840円 |
|---|---|
| 仮条件 | 3,840円~4,000円 |
| 公開価格 | 4,000円 |
| 初値(騰落率) | 9,050円(126.25%) |
| 上場後の株価 | yahooファイナンス |
【公開規模】公開株数・吸収金額・比率
| 公開株数 *1 | 294,400株 |
|---|---|
| 公募株数 | 76,900株 |
| 売出株数 | 179,100株 |
| OA | 38,400株 |
| 吸収金額 *2 | 約11.8億円 |
| 公募・売出比率 | 公募:売出=26:74 |
*1 公募株数、売出株数及びOA(オーバーアロットメント)の売出株数の合計
*2 公開価格(4,000円)をベースに計算
【ロックアップ情報】
大株主上位10名の所有株数とロックアップの状況です。
| 株主 | 所有株数 | ロックアップ |
|---|---|---|
| HS株式会社 | 1,000,000株 | 90日間又は1.5倍 |
| NVCC7号投資事業有限責任組合 | 257,000株 | 90日間又は1.5倍 |
| 大貫 浩 | 190,900株 *1 | 90日間又は1.5倍 |
| ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合 | 160,000株 | 90日間又は1.5倍 |
| 山本 隆一 | 100,000株 | 90日間又は1.5倍 |
| 服部 典生 | 100,000株 | 90日間又は1.5倍 |
*1 オーバーアロットメントによる売出株数38,400株を含む
上記大株主以外のロックアップも考慮すると、上場日における売り圧力はおおよそ以下のようになります。
■上場日時点の売り圧力
| 上場時発行済株式総数 | 2,063,900株 |
|---|---|
| ロックアップ対象株数 | 1,807,900株 |
| 上場日時点の売却可能株数 | 294,400株 |
注1:オーバーアロットメントによる売出株数38,400株を「ロックアップ対象株数」「売却可能株数」両方に含めているので、合算した数値は発行済株式総数と一致しません。
【主幹事・幹事情報】当選を狙える証券会社はココ!
| 引受幹事 | 割当株数 | 抽選配分株数 *1 (抽選配分割合) |
|---|---|---|
| 大和証券 (主幹事) |
274,200株 | 68,600株 (25% *2) |
| SMBC日興証券 | 7,600株 | 800株 (10%) |
| SBI証券 | 5,100株 | 2,000株~2,600株 (40%~50% *3) |
| 岡三証券 | 2,500株 | 2,500株 (100% *4) |
| いちよし証券 | 2,500株 | 0株 *5 (10%) |
| 水戸証券 | 2,500株 | ネット申込無し |
| 裏幹事 | 松井証券、岡三オンライン証券 | |
*2 完全平等抽選分は15%、チャンス抽選分は10%
*3 資金比例抽選分は28%~35%、IPOチャレンジポイント分は12%~15%
*4 割当株数が少ないため、完全平等抽選分は0%、ステージ抽選分は100%
*5 割当株数が少ないため、おそらく抽選による配分数は0株
当選本数が最も多くなる主幹事の「大和証券」からの申込は必須です。そして、IPOチャレンジポイント分も含めた抽選配分割合が40%~50%ほどある「SBI証券」からも申込をしておきたいところです。
あとは、岡三証券で優遇抽選を受けられるなら「岡三証券」を優先し、受けられないなら「SMBC日興証券」を優先すると良いでしょう。
なお、「いちよし証券」「松井証券」及び「岡三オンライン証券」は、当選本数が少なくなると思うので当選の期待度は低いです。ただ資金不要で抽選に申し込めるのでラッキーパンチ狙いで必ず申込をしておきましょう。
【IPOスケジュール】抽選申込期間・抽選日・購入申込期間
| 仮条件決定日 | 2月7日 |
|---|---|
| 抽選申込期間 | 2月8日~15日 |
| 抽選日(前期) | 2月18日 |
| 購入申込期間 | 2月19日~22日 |
| 上場日 | 2月26日 |
なお、識学(7049)と東海ソフトのIPOとブックビルディングの期間が被っているので、こちらの銘柄のIPOスケジュールも併せて確認しておきましょう。
【財務・業績】
| 決算期 | 2016年2月 | 2017年2月 | 2018年2月 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 連結 | - | 764,367 | 1,728,256 |
| 単体 | 920,219 | 764,367 | 1,712,148 | |
| 経常利益 | 連結 | - | 84,877 | 129,827 |
| 単体 | 68,635 | 85,482 | 126,594 | |
| 当期純利益 | 連結 | - | 60,455 | 93,145 |
| 単体 | 57,840 | 61,060 | 90,565 | |
| 純資産 | 連結 | - | 357,757 | 450,321 |
| 単体 | 297,455 | 357,516 | 449,079 | |
■1株当たりの情報
| 決算期 | 2016年2月 | 2017年2月 | 2018年2月 | |
|---|---|---|---|---|
| EPS | 連結 | - | 30.43 | 46.88 |
| 単体 | 3,129 | 30.73 | 45.58 | |
| BPS | 連結 | - | 180.03 | 226.61 |
| 単体 | 6,910.72 | 180.41 | 225.99 | |
| 配当 | 連結 | - | - | - |
| 単体 | - | - | - | |
リックソフトのIPO初値予想
「公開株数294,400株」「吸収金額11.8億円」となっており、規模感としては小型のIPO案件です。特にIPOの初値は需給面の影響を大きく受けるので、統計的に言っても初値の高騰が期待できます。
また、IPOでは人気の高い「情報・通信業」であり、「クラウドサービス」というトレンドワードも入っている事から注目度も高いです。
懸念材料としては、公募・売出比率がやや低い「公募:売出=30:70」となっている点です。既存株主の株式売却である売出株数が多いのは気になります。
あと、上位株主にベンチャーキャピタルが2社存在する点です。保有株数は合計で41.7万株。ロックアップはかかっているものの、公募価格の1.5倍で解除される契約となっています。想定価格ベースで計算すると5,760円です。この価格を初値は超えていくと予想していますが、大きな売り圧力の存在は上場日の1つのポイントとなるでしょう。
こうした事をトータルで考慮して、IPOタイムズとしての初値予想は現時点で以下の通りとしています(想定価格は3,840円、仮条件は3,80円~4,000円、公開価格は4,000円)。
| 初値のプラス要素 | 初値のマイナス要素 |
|---|---|
| 公開株数が少ない | 公募・売出比率がやや低い |
| 吸収金額が小さい | ロックアップが1.5倍で解除 |
| 上場市場はマザーズ | ベンチャーキャピタルの存在 |
| 人気の業種・事業内容 | - |
| 成長性○ | - |
| やや強気の仮条件 | - |
まとめ
リックソフトのIPOについて、抽選に申し込む上で知っておきたい情報をまとめてみました。
「マザーズ上場のIT企業」かつ「小型案件」となっているので、識学に引き続き、2019年第二弾のIPO「リックソフト」にも注目が集まりそうです。
ブックビルディング開始前から積極的に抽選に参加する!と決めている人も多いでしょう。ただ抽選に参加する為に必要な資金は、想定価格ベースで38.4万円/社です。また、その他の銘柄への抽選申込もあるので、資金の準備・移動などは計画的に行ってください。
では、最後にリックソフトのIPOにおいてオススメの証券会社を一覧で紹介しておくので参考にしてくださいね。


