株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド(旧社名:株式会社みんかぶ)の上場承認が発表されました。金融情報メディア「みんなの株式」などを運営・管理している会社ですね。ご存知の方も多いのではないでしょうか?
上場市場はマザーズです。吸収金額は33.1億円とマザーズに新規上場する銘柄としては中型規模のIPOとなります。主幹事は今年初の「SBI証券」です。
事業内容に「AI」「クラウド」「フィンテック」といったIPOのホットワードが詰め込まれているので、初値上昇の期待が否が応でも膨らんでしまいますね。ただベンチャーキャピタルの多さなど、気になる点も多々あるのでしっかりと銘柄分析をしておきましょう。
なお、2月27日時点のミンカブ・ジ・インフォノイドの初値予想は以下の通りです(想定価格は960円、仮条件は950円~1,050円、公開価格は1,050円)。
では、ミンカブ・ジ・インフォノイドのIPO情報について見ていきましょう。
ミンカブ・ジ・インフォノイドのIPO情報
銘柄 | ミンカブ・ジ・インフォノイド (HPはこちら) |
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上場承認日 | 2月14日 |
証券コード | 4436 |
上場市場 | マザーズ |
単位株 | 100株 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | AI、クラウドインプットによる情報生成技術を活用した金融情報メディア(みんなの株式 等)の運営並びに金融機関向け情報系フィンテックソリューションの提供 |
ミンカブ・ジ・インフォノイドは、「AIを活用したコンテンツ自動生成技術」と「クラウドインプットを活用したコンセンサス情報の生成技術」を利用し、金融・経済をテーマとしたメディア事業(個人向け)・ソリューション事業(法人向け)を営む会社です。
2018年には、運営するメディアサイトの月間平均ユニークユーザー数は500万人以上となり、延べ人数の平均は1,800万人以上にまで成長。ソリューション事業においても金融機関を中心に100社以上のクライアントを抱えています。
主力サイトとなっているのが、「みんなの株式」や「株探(Kabutan)」です。
IPO投資を含め株式投資を行っている人ならミンカブが運営するサイトを利用した事がある人も多いと思います。
投資家層・金融機関をターゲットにした事業を展開しており、またAIやクラウドといったIPOのホットワードも含まれている事から話題性の高いIPOとなるでしょう。
それでは、ミンカブ・ジ・インフォノイドの株価情報やIPOスケジュールなどについて見ていきましょう。
【株価情報】想定価格・仮条件・初値
想定価格 | 960円 |
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仮条件 | 950円~1,050円 |
公開価格 | 1,050円 |
初値(騰落率) | 1,400円 (+33.33%) |
上場後の株価 | Yahooファイナンス |
【公開規模】公開株数・吸収金額・比率
公開株数 *1 | 3,151,200株 |
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公募株数 | 1,000,000株 |
売出株数 | 1,740,200株 |
OA *2 | 411,000株 |
吸収金額 *3 | 33.1億円 |
公募・売出比率 | 公募:売出=32:68 |
*1 公募株数、売出株数及びOA(オーバーアロットメント)の売出株数の合計
*2 予定の株数(決定するのは3月8日)
*3 公開価格(1,050円)をベースに計算
ロックアップ情報
大株主上位10名の所有株数とロックアップの状況です。
株主 | 所有株数 | ロックアップ |
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FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合 | 1,020,000株 | 90日間又は1.5倍 |
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 | 980,300株 | 90日間又は1.5倍 |
株式会社朝日新聞社 | 850,000株 | 90日間又は1.5倍 |
瓜生 憲 | 730,000株 *1 | 90日間 |
起業投資事業有限責任組合2号 | 619,500株 | 90日間又は1.5倍 |
起業投資事業有限責任組合1号 | 540,000株 | 90日間又は1.5倍 |
MICイノベーション3号投資事業有限責任組合 | 501,900株 | 90日間又は1.5倍 |
MSIVC2008V投資事業有限責任組合 | 500,000株 | 90日間又は1.5倍 |
BRAVE GO LIMITED | 325,000株 | 90日間又は1.5倍 |
UNICORNファンド投資事業有限責任組合 | 300,000株 | 90日間又は1.5倍 |
*1 オーバーアロットメントによる売出株数411,000株を含む
上記大株主以外のロックアップも考慮すると、上場日における売り圧力はおおよそ以下のようになります。
■上場日時点の売り圧力
上場時発行済株式総数 | 12,536,900株 |
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ロックアップ対象株数 | 約9,126,200株 |
上場日時点の売却可能株数 | 約3,821,700株 |
注1:オーバーアロットメントによる売出株数411,000株を「ロックアップ対象株数」「売却可能株数」両方に含めているので、合算した数値は発行済株式総数と一致しません。
注2:目論見書「第3【株主の状況】」において、その他として合算されている各株主及びその株数については把握できていません。
【主幹事・幹事情報】当選を狙える証券会社はココ!
引受幹事 | 割当株数 | 抽選対象株数 *1 (抽選配分割合) |
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SBI証券 (主幹事) |
2,740,400株 | 1,096,200株~1,370,200株 (40%~50% *2) |
SMBC日興証券 | 82,200株 | 12,300株 (15% *3) |
みずほ証券 | 82,200株 | 8,200株 (10%) |
三菱UFJMS証券 | 32,900株 | 3,300株 (10%) |
岩井コスモ証券 | 27,400株 | 2,700株 (10%) |
東海東京証券 | 27,400株 | 27,400株 (100% *4) |
松井証券 | 27,400株 | 19,200株 (70%) |
マネックス証券 | 27,400株 | 27,400株 (100%) |
楽天証券 | 27,400株 | 27,400株 (100%) |
岡三証券 | 16,400株 | 16,400株 (100% *4) |
アイザワ証券 | 8,200株 | 800株 (10%) |
エイチ・エス証券 | 8,200株 | 800株 (10%) |
エース証券 | 8,200株 | ネット抽選無し |
極東証券 | 8,200株 | ネット抽選無し |
東洋証券 | 8,200株 | ネット抽選無し |
水戸証券 | 8,200株 | ネット抽選無し |
むさし証券 | 8,200株 | 800株 (10%) |
内藤証券 | 2,700株 | 1,400株 (50% *5) |
裏幹事 | 岡三オンライン証券、カブドットコム証券 |
*2 資金比例抽選分は28%~35%、IPOチャレンジポイント分は12%~15%
*3 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は5%
*4 完全平等抽選分は10%、ステージ抽選分は90%
*5 支店取引・コール取引・ネット取引の合計
公開株数は3,151,200株。当選本数は31,512本。当選しやすいIPOです。
幹事数が多いので当選期待度の高い5社をピックアップして紹介します。まず最も当選を期待できるのが主幹事の「SBI証券」です。当選本数は圧倒的な多さとなります。抽選に外れてもIPOチャレンジポイントが貰えるので申込必須の証券会社ですね。
その次にオススメなのが「マネックス証券」です。抽選配分割合が100%となっており、当選本数も多くなっています。完全平等抽選が行われるので参加者全員に平等に当選チャンスがあります。
マネックス証券の次にオススメなのが「楽天証券」です。マネックス証券と同じく抽選配分割合100%となっており、当選期待度が高い証券会社です。後期型の証券会社なので抽選申込と購入申込を忘れずに行ってくださいね。
そして4番目にオススメなのが「松井証券」です。抽選配分割合が70%となっており、また資金不要で抽選に参加できます。IPOラッシュ時には非常に助かる存在です。
なお、エイチ・エス証券やむさし証券、岡三オンライン証券も資金不要で抽選に参加できる証券会社です。
最後にオススメするのが「SMBC日興証券」です。上位幹事となっているので、残りの幹事の中では一番当選を期待できる証券会社です。
幹事が非常に多いIPOとなっているので、当選本数を考慮して、申し込む証券会社をチョイスするようにしてくださいね。
【IPOスケジュール】抽選申込期間・抽選日・購入申込期間
仮条件決定日 | 2月27日 |
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抽選申込期間 | 3月1日~3月7日 |
抽選日(前期) | 3月8日 |
購入申込期間 | 3月12日~3月15日 |
上場日 | 3月19日 |
・岩井コスモ証券の抽選日・・・3月14日
・楽天証券の抽選日・・・3月14日
・カブドットコム証券の抽選日・・・3月15日
なお、KHCやコプロ・ホールディングスなどとブックビルディング期間が被っているので、これらの銘柄のIPOスケジュールも併せて確認しておきましょう。
【財務・業績】
決算期 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | |
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売上高 | 連結 | - | 1,545,286 | 1,681,050 |
単体 | 978,739 | 1,049,656 | 1,370,375 | |
経常利益 | 連結 | - | -85,328 | 71,270 |
単体 | 84,428 | 80,213 | 109,022 | |
当期純利益 | 連結 | - | -1,408,086 | -200,229 |
単体 | 66,890 | -1,322,302 | -126,731 | |
純資産 | 連結 | - | 839,035 | - |
単体 | 1,078,673 | 775,915 | 918,897 |
注:2018年3月期中に吸収合併等により連結子会社が存在しなくなったため、2018年3月期の連結貸借対照表が作成されていません。そのため、2018年3月期の純資産額は「-」と表記しています。
■1株当たりの情報
決算期 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | |
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EPS | 連結 | - | -153.11 | -18.19 |
単体 | 730.94 | -143.78 | -11.51 | |
BPS | 連結 | - | -19.69 | - |
単体 | 11,734.92 | -26.55 | -10.49 | |
配当 | 連結 | - | - | - |
単体 | - | - | - |
注:2017年3月期の連結及び単体BPS並びに2018年3月期の単体BPSがマイナスとなっているのは、優先株式が発行されていたためです。なお、2018年12月31日に全ての優先株式は消却されています。また、2018年3月期の連結BPSが「-」と表記されているのは、前述した通り、連結貸借対照表が作成されていないためです。
ミンカブ・ジ・インフォノイドのIPO初値予想
まずおおまかな所見を述べると、ミンカブの初値は「公開価格近辺~ややプラス」になると予想しています。
AIやクラウド、フィンテックソリューションなどのIPOのキラーワードが盛り込まれた事業内容となっており、事業的には人気化しやすいIPOです。また、投資家層をターゲットにしたメディア「みんなの株式」等を運営している事から話題性も高く、注目度の高いIPOとなります。
そして、IPOの勝率が高いマザーズへの上場という事で、単純に過去統計を参考にすれば初値はプラスになる可能性が高いです。ちなみに、過去3年間でマザーズに上場したIPOの勝率は93.41%(167件中156件で初値がプラス)となっています。
ただし、マザーズ上場銘柄の勝率が高い最大の要因は公開規模が小さいIPOが多い点にあります。その点、ミンカブ・ジ・インフォノイドの公開規模は、吸収金額ベース(33.1億円)で中型規模となっており、公開株数ベース(3,151,200株)では大型よりの案件と言えます。
そうした事を考えると、マザーズ銘柄とはいえ公開規模が初値上昇に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
また、大株主にVC(ベンチャーキャピタル)が多数存在する点もマイナス要素となります。ロックアップが掛かっているものの、公開価格の1.5倍で解除される契約となっているため、仮条件の上限ベースでいえば1,575円(1,050円×1.5)当たりに大きな売り圧力が存在する事になります。
そして、ミンカブの上場日3月19日には「コプロ・ホールディングス」と「KHC」も上場します。ミンカブに注目が集まるはずですが、3社同時上場の影響で投資資金が分散してしまう点はやはりマイナス要素です。
こうした事をトータルで考慮して、IPOタイムズとしての初値予想は現時点で以下の通りとしています(想定価格は960円、仮条件は950円~1,050円、公開価格は1,050円)。
初値のプラス要素 | 初値のマイナス要素 |
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話題性○ | 大きめの公開規模 |
人気化しやすい事業内容 | 上位株主にVC多数 |
- | 3社同時上場 |
まとめ
ミンカブ・ジ・インフォノイドのIPOについて、抽選に申し込む上で知っておきたい情報をまとめてみました。
注目度・話題性のあるIPOではありますが、個人投資家及びベンチャーキャピタルの大きな売り圧力の存在が初値上昇の妨げになる可能性が高いです。初値売りで数万円の利益が出ればラッキーという感覚で抽選に参加した方が良いかもしれませんね。過度な期待は禁物です。
では、最後にミンカブ・ジ・インフォノイドのIPOにおいてオススメの証券会社を一覧で紹介しておくので参考にしてください。